海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
「なんかその言い方、回りくどいな」と感じたこと、ありませんか?
そのもどかしい「遠回しな言い方」を英語でスマートに表現できるのが、今回のフレーズ「roundabout way」です。
『BONES』のホッジンズとアンジェラの絶妙な夫婦のやり取りから、このフレーズの味わいを一緒に見ていきましょう。
実際にそのシーンを見てみよう!
ジェファソニアン研究所での一コマ。
ホッジンズの郵便物の束に、上司カムの娘・ミシェル宛ての「コロンビア大学合格通知」が紛れ込んでいました。
それに気づいたホッジンズが、妻のアンジェラに報告するシーンです。
Hodgins:Hey. What’s wrong? Nothing. It’s just, I received this letter of acceptance from Columbia.
(やあ。どうしたの?いや何でもない。ただ、コロンビア大学からの合格通知を受け取ったんだ。)Angela:Ooh, congratulations. In what?
(あら、おめでとう。専攻は何?)Hodgins:Undergraduate French literature.
(フランス文学の学士課程さ。)Angela:Are you telling me in some roundabout way that you want to radically change your life?
(それって、遠回しな言い方で人生を劇的に変えたいって私に伝えてるの?)Hodgins:Yes. I’m also changing my name to Michelle Welton.
(ああ。名前もミシェル・ウェルトンに変えようと思ってね。)BONES Season6 Episode17(The Feet on the Beach)
シーン解説と心理考察
上司カムが娘に内緒で願書を出していたという、非常にデリケートな「他人の家庭の事情」を発見してしまったホッジンズ。
「カムがとんでもないことをしてるぞ」とストレートに伝えるのではなく、あえて「自分がコロンビア大に合格した」という突拍子もない冗談で包んで切り出しました。
センシティブな話題だからこそ、遠回りをしてユーモアをクッションにする——そんなホッジンズの気遣いを、アンジェラは「in some roundabout way」という一言で即座に見抜きます。
アンジェラも冗談に乗りながら、最終的には「それ、カムに渡しなよ」とさらっと本題に戻す。
互いの意図を瞬時に読み合える、ホッジンズ夫妻の知的で信頼に満ちたコミュニケーションがいつ見ても好きです。
「roundabout way」の意味とニュアンス
roundabout way
意味:遠回しな方法、回りくどい言い方、遠回りな道
「roundabout(遠回りの、回りくどい)」+「way(道、方法)」の組み合わせです。
物理的な「迂回路」を意味する単語が、コミュニケーションにおける「回りくどいアプローチ」の比喩として定着したフレーズです。
「in a roundabout way」という形で使うと、「単刀直入ではなく、遠回しに」というニュアンスになります。
言いにくいことをオブラートに包みたい時、相手の反応を探りながら本題に近づきたい時、あるいは今回のホッジンズのように劇的な演出を楽しむ時など、人間の複雑な心理を表現するのに欠かせない表現です。
【ここがポイント!】
このフレーズと「secretly(こっそり)」の違いを意識すると、使いこなしの幅がぐっと広がります。
「secretly」は「秘密にしている」という事実のみを伝えますが、「in a roundabout way」は「なぜ直接言わないか」——ためらい・配慮・演出——という話し手の心理まで含んでいるのが最大の違いです。
「あの人、遠回しに何か言いたいんだな」と察した時に、このフレーズがさらっと出てくるようになると、グッとネイティブらしい表現になります。
実際に使ってみよう!
She told me in a roundabout way that I was fired.
(彼女は遠回しな言い方で、私がクビになったことを伝えてきました。)
直接「You are fired.」と言わず、会社の状況などを長々と説明した後に結論を匂わせるような、ドラマでもよく見る気まずい場面にぴったりです。
I think he was asking you out on a date in a roundabout way.
(彼、遠回しな方法であなたをデートに誘っていたんだと思うよ。)
恋愛の駆け引きでも大活躍します。直接誘わず、はぐらかしながらアプローチする不器用な様子がよく伝わります。
Let’s stop talking in a roundabout way and get straight to the point.
(回りくどい言い方はやめて、単刀直入に本題に入りましょう。)
前置きばかりで結論を言わない相手に、ピシャリと指摘する表現です。「get straight to the point(単刀直入に言う)」と対比して覚えると便利ですよ。
『BONES』流・覚え方のコツ
今回のホッジンズの「長すぎる前フリ」をそのままイメージとして記憶に刻みましょう。
「ミシェルの手紙があった」という事実を伝えるためだけに、「自分がコロンビア大に合格した」「フランス文学を専攻する」「人生を劇的に変えたい」という長い長い迂回ルートをぐるりとドライブ。
最後に「名前もミシェルに変える」というオチにたどり着きました。
この「本題の周りをぐるぐると回る会話のプロセス」こそが「roundabout way」のイメージそのものです。
直線で行けばすぐなのに、わざわざ遠回りする——その感覚が体に染み込めば、フレーズは自然と出てきます。
似た表現・関連表現
beat around the bush
(遠回しに言う、核心を避ける)
「茂みの周りを叩く(中の獲物を直接狙わない)」という狩猟が語源。本題に触れるのを避けてもったいぶっている、というやや批判的なニュアンスを含み、日常会話で頻出します。
indirectly
(間接的に)
roundabout wayよりフォーマルで硬い表現です。意図的に回りくどくするというよりは、直接的ではない方法で何かが伝わる・影響するという客観的な事実を述べる際に使われます。
imply
(ほのめかす、暗に意味する)
はっきりと口に出して言うのではなく、言葉の裏に意味を忍ばせて相手に察してもらうような状況で使われる動詞です。
深掘り知識:イギリスの「交差点」がアメリカで「比喩」になる面白さ
ホッジンズがミシェルの話をする際にわざわざ「フランス文学の学士課程」という長い迂回をしたように、「roundabout」という言葉自体にも物理的な迂回のイメージが深く根付いています。
「roundabout」は名詞として使うと、信号のない「環状交差点(ロータリー)」を指します。
車が円形の道をぐるぐると回りながら、行きたい方向へ抜けていく交通システムです。
面白いのは、アメリカでは環状交差点を「traffic circle」や「rotary」と呼ぶのが一般的で、道路に対して「roundabout」を使うことはあまり多くないという点。
それでもコミュニケーションの「回りくどさ」の比喩としては、しっかり定着しています。
まっすぐ進めずにぐるっと円を描いて迂回しなければならない、あの交差点の煩わしさや遠回り感が、会話のもどかしさを表すのにあまりにもぴったりだったのでしょう。
まとめ|「遠回り」の言葉にこそ、人間らしさが宿る
今回は『BONES』の夫婦のシーンから、「roundabout way」を紹介しました。
ネイティブは結論ファーストを好むと言われますが、だからこそあえて遠回りしてユーモアを交えたり、相手を気遣ったりする言葉の選び方には、深い人間味が表れますね。
「あ、この人、直接言いにくいんだな」と気づいた瞬間に「You’re telling me that in a roundabout way, aren’t you?」とさらっと返せると、会話が一気に親密な雰囲気になります。
言いにくいことを伝える場面でも、ちょっとした冗談を交わす場面でも、このフレーズが会話に余裕と温かみを添えてくれます。
英語でのコミュニケーションに、少し遊びが生まれるフレーズとして、ぜひ自分のものにしてみてください。


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