海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は、専門分野にしか興味を示さないブレナンにブースが苦言を呈するシーンから、日常会話で「start」よりも頻繁に使われる洗練された句動詞をご紹介しますね。
実際にそのシーンを見てみよう!
1年前に失踪した妊婦のニュースを全く知らないブレナンに対し、ブースが「せめて雑誌でもめくれ」と呆れるシーンの続きです。
世間の出来事に無関心すぎる相棒に、もう少し一般的なことに関心を持てとブースが忠告しますが、ブレナンは自分の愛読書を引き合いに出して皮肉たっぷりに反論します。
Booth: Oh, you know, I forgot to renew my subscription. You know what, Bones? You really need to take up some other interests.
(ああ、定期購読を更新するのを忘れてたよ。あのさボーンズ、君は本当に他の趣味を始めたほうがいい)Brennan: Well, I’m reading Ted Gioia’s History of Jazz, was she mentioned in there? Or maybe in McGhee’s Science and Lore of the Kitchen? Or perhaps I should develop an interest in the mainstream media’s exploitation of crimes for their entertainment value.
(そうね、私はテッド・ジョイアの『ジャズの歴史』を読んでいるけれど、彼女はその中に載っていた?それともマギーの『キッチンにおける科学と伝承』かしら?それとも、娯楽目的で犯罪を搾取する主流メディアにでも興味を持つべき?)
BONES Season 2 Episode 2
シーン解説と心理考察
ゴシップ誌を読むよう勧めるブースに対し、ブレナンは自身が愛読する難解な専門書(ジャズの歴史や料理の科学)のタイトルを並べ立て、「そんな低俗な話題がこの本に載っているわけないでしょう」と知的に一蹴します。
さらにメディアの犯罪報道を「娯楽目的の搾取」と鋭く批判し、絶対に自分のペースを崩そうとしない彼女の頑固さと、それをまともに受けて立つブースの包容力が見事に描かれていますね。
フレーズの意味とニュアンス
take up
意味:(趣味や習慣などを)新しく始める、(時間や場所を)取る、占める
「take(手に取る、自分のものにする)」という動詞と、「up(完全に満たす、上へ)」という前置詞の組み合わせです。
自分の生活の中に新しい物事を「完全に取り込む」というイメージから、新しい趣味やスポーツ、習慣などを「始める」という意味で使われます。
【ここがポイント!】
「始める」というと「start」や「begin」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、ネイティブが趣味について語る際、この「take up」を非常によく使います。
単に何かを開始するだけでなく、その新しい活動が自分の時間やエネルギーを「しっかりと占める(生活の一部として没頭する)」という、ポジティブで熱量のあるニュアンスが込められているのが特徴ですよ。
実際に使ってみよう!
I took up yoga to refresh myself after work.
(仕事の後にリフレッシュするため、ヨガを始めました。)
趣味や習い事を新しく始める際の最も自然な表現です。自分の生活の中に、新しく有意義な時間をしっかりと組み込んだニュアンスが伝わります。
I’d love to take up a new language, but my current project takes up all my free time.
(新しい言語を始めたいのですが、今のプロジェクトに自由な時間をすべて取られてしまって。)
大人の日常でよくあるシチュエーションです。一つの文の中で「趣味を始める(take up)」と「時間を占める(take up)」という2つの意味を掛け合わせた、上級者らしい粋な使い方ですね。
My husband’s tennis gear takes up a lot of space in the closet.
(夫のテニス用品がクローゼットのスペースをかなり占領しているんです。)
物理的に「場所を取る」という用法です。家族の趣味の道具が家の中でかさばっている時など、日常のちょっとした愚痴にも使える非常にリアルで便利な表現です。
BONES流・覚え方のコツ
ブレナンが読んでいる分厚い『ジャズの歴史』の本を思い浮かべてください。
彼女はその重い専門書を両手でしっかりと手に取り(take)、自分の脳内の容量と机の上のスペースを完全に(up)埋め尽くしています。
このように「時間や空間をしっかり占有する」という映像を頭に描くと、ブースが言う「新しい趣味をtake upしろ」という言葉の裏にある、「生活のスペースに新しいものを置け」という感覚がスッと腑に落ちるはずです。
似た表現・関連表現
get into
(〜にハマる、夢中になる)
take upが「始める」という行動そのものに焦点を当てるのに対し、こちらは「その世界にのめり込んでいく」という心理的な熱中度を表すカジュアルな表現です。
start
(始める、開始する)
最も一般的な単語ですが、take upのような「生活の一部として没頭する」という継続的なニュアンスは薄く、単なる「始点」を示すドライな響きがあります。
embark on
(〜に着手する、乗り出す)
新しいプロジェクトや壮大な冒険など、より大規模で重要な物事を始める際に使われる、非常にフォーマルで上級者向けの表現です。
深掘り知識:「take up」が持つ空間支配のメカニズム
例文でもご紹介した通り、「take up」には「趣味を始める」という意味のほかに、「(時間や場所を)取る」という意味があります。一見すると全く違う意味に思えますが、言語学的に見ると根底にあるコアイメージは同じなんです。
新しい趣味を「take up」するということは、言い換えれば「その趣味が、自分の生活の中の一定の『時間と空間』を占めるようになる」ということ。つまり、ヨガのレッスンを始めればそのための時間が取られ、テニスを始めればラケットが部屋のスペースを占有しますよね。
英語の句動詞は、このように一つの根本的なイメージ(空間・時間を満たす)から、物理的な意味合いと抽象的な意味合いへと派生していきます。このメカニズムを掴むと、ネイティブの思考回路に一歩近づき、丸暗記に頼らない本物の英語力が養われますよ。
まとめ|趣味も時間も「テイクアップ」
いかがでしたか?「take up」は、趣味を始めるというワクワクする場面から、家の中のスペースの話題まで幅広く使える万能フレーズですね。
ブレナンのように独自の趣味を極めるのも素敵ですが、もし何か新しいことに挑戦しようと思っているなら、ぜひ「I’m going to take up 〜」と口に出して、モチベーションを高めてみてくださいね。


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