海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
一生懸命やった仕事を軽く片付けられて、悔しい思いをしたことはありませんか?
今回は、物事を「見限る」際に使われる、少しシビアな英語表現をご紹介します。
実際にそのシーンを見てみよう!
国立公園で発見された遺体を前に、ブースがジェファソニアンのブレナンや地元の検視官ハリーと状況を確認している場面です。
地元のいい加減な初動捜査に対して、ブースが少し呆れたように状況を説明しています。
Booth: Okay, everybody, meet Ted Macy. Body was found in a national park. Local coroner wrote it off as some kind of an accidental drowning, but you see, we have to investigate every death on federal land.
(よし、みんな、テッド・メイシーだ。遺体は国立公園で見つかった。地元の検視官はただの水難事故として処理したんだが、連邦用地での死亡は全て俺たちが捜査しなきゃならないからな。)
Harry: During my examination, I found he had a crushed larynx. That didn’t seem accidental.
(私の見立てでは、彼の喉仏は潰れていた。事故には見えなかったね。)
Brennan: This is a corpse. With skin.
(これは死体よ。皮膚がついているわ。)
BONES Season1 Episode18 (The Man with the Bone)
一見すると普通の状況説明ですが、ブースがあえて「捜査した」ではなく「wrote it off(処理した)」という言葉を選んだのには明確な理由があります。
地元の検視官がまともに調べもせず、面倒な事件を「価値のないもの」としてさっさと片付けてしまったことへの、静かな怒りと皮肉が込められているのです。
プロ意識の高いブースだからこそ、他人の怠慢な判断をシビアな言葉で表現していますね。
フレーズの意味とニュアンス
write off
意味:〜を(…だと)見なす、帳消しにする、見限る、廃車にする
「write(書く)」と「off(離れる、消える)」の組み合わせで、直訳すると「書き消す」となります。
元々は会計用語として「借金を帳簿から消す(=帳消しにする)」という意味で使われていました。
そこから日常会話に派生し、人間関係や仕事のアイデアなどを「考慮から外す」「諦める」という意味合いを持つようになりました。
【ここがポイント!】
単なる「忘れる」「捨てる」という動作ではなく、対象に対して「これ以上検討する価値がない」「ダメなものだ」というレッテルを貼り、能動的に切り捨てるという強い「見切り」のニュアンスが含まれます。
write A off as B(AをBとして片付ける)という形で、不当な評価を受けた時の悔しさや、相手への呆れを表現するのにもぴったりなフレーズです。
ネイティブの日常会話でも、相手の可能性を否定するような少し冷たい響きを持ちます。
実際に使ってみよう!
I presented my new project, but the boss wrote it off as unrealistic.
(新しいプロジェクトを提案したけれど、上司は非現実的だと一蹴した。)
提案がまともに検討すらされず、「価値なし」と判断されてしまった切なさや不満がダイレクトに伝わる表現です。
Don’t write him off just yet; he has a lot of potential.
(まだ彼を見限らないで。彼にはたくさんのポテンシャルがあるんだから。)
ミスをした部下や、調子の悪いスポーツ選手などに対して「もうダメだ」とレッテルを貼るのを止める時に使える、温かい擁護の表現です。
My car was badly damaged in the accident, so the insurance company wrote it off.
(事故で車がひどく損傷したので、保険会社はそれを全損扱い(廃車)にした。)
日常会話でもよく登場する使い方です。「修理する価値がない」と見切られた状態を表しています。
『BONES』流・覚え方のコツ
怠慢な捜査官が面倒な報告書に「事故!」とバツ印を書き込み、そのままゴミ箱へポイッと投げ捨てる様子をイメージしてみてください。
ブースが許せなかったその「雑な処理(write off)」の光景を思い浮かべると、フレーズの持つ少しネガティブなニュアンスと一緒に記憶に定着しやすくなりますよ。
似た表現・関連表現
dismiss
(退ける、却下する、解雇する)
裁判官や上司などが権限を使って「却下!」と宣言するような、フォーマルで硬い響きを持つ表現です。
disregard
(無視する、軽視する)
意図的に「見ないふりをする」「注意を払わない」という意味合いが強く、「価値なしと判断する(write off)」とは少しプロセスが異なります。
give up on
(〜を見放す、見切りをつける)
人や物事に対して「もう期待できない」と諦める感情的なニュアンスが強く出ます。
深掘り知識:魔法の言葉「Tax write-off」
海外のコメディドラマなどを見ていると、「It’s a tax write-off!(経費で落ちるから!)」というセリフを耳にすることがあります。
これも同じ語源から来ており、課税所得から「控除できる(=帳消しにできる)経費」を指す名詞として使われています。
無駄遣いをしてしまった時でも「税金対策になるから実質タダみたいなもの」と強弁する、ちょっと大人の事情を含んだユニークな言い回しですね。
まとめ|安易なレッテル貼りに気をつけよう
地元の検視官が「write off(安易に処理)」してしまった遺体には、実は300年前の海賊の財宝というロマンが隠されていました。
一見すると価値がないように思えることでも、すぐに切り捨ててしまわずに、ブースのように「本当にそうかな?」と疑ってみる視点を大切にしたいですね。


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