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『フレンズ』シーズン3第5話では、フィービーの異母弟フランク・ジュニアがフィービーのもとを訪れ、二人で週末を過ごします。以前に一度会ったきりの相手と、少しずつ話を重ねていく様子が描かれます。
ほとんど知らない相手との会話は、何を聞けばいいのか迷いがちです。会う前の緊張、相手を知るための質問、期待と違ったときの打ち明け方、そして気持ちを言葉にする一言を、場面ごとに見ていきます。
「I’m just nervous」会う前の緊張を言葉にする
カフェのセントラルパークの外で、フィービーは弟の到着を待っています。様子を見に出てきたレイチェルに弟はまだかと聞かれ、フィービーは「まだだけど、あの子は遅刻ばかりだから」と答えます。そこからの会話です。
Rachel: I thought you only met him once.
(一度しか会ったことないんじゃなかった?)
Phoebe: Yeah, I did. I think it sounds, like, big sister-y. You know, “Frank’s always late.”
(うん、そうよ。なんかお姉さんっぽく聞こえるでしょ。ほら、「フランクっていつも遅刻するの」って。)
Rachel: Oh ho. Well, relax, he’ll be here.
(あはは。まあ落ち着いて、来るわよ。)
Phoebe: Yeah. No, I know. I’m just nervous.
(うん。ううん、分かってる。ただ緊張してるだけ。)
Friends Season3 Episode5(The One with Frank Jr.)
フィービーの「遅刻ばかり」は、事実の説明ではありません。一度しか会っていない相手について、姉らしい言い方を試しに口にしてみたものだと、本人がすぐに明かしています。sister-y は sister に -y を付けて「姉っぽい」とする、くだけた造語的な形です。名詞に -y を足して「〜っぽい」と形容詞のように使う言い方は、会話で見かけることがあります。
レイチェルの Relax, he’ll be here. は、「落ち着いて」と「来るから」を並べただけの短い励ましです。これにフィービーは I’m just nervous. と返します。just が入ることで「ただ緊張しているだけ」となり、緊張していると軽く打ち明ける響きになります。
このあとフィービーは、一緒に待ってくれるレイチェルに You’re so sweet to ~(〜してくれるなんて優しいね)の形でお礼を言います。ところがレイチェルは、外にカップを持ち出してはいけないとガンターに言われて来たのだと明かし、フィービーのカップを持って店に戻ります。
「What kind of things do you like to do at home?」相手を知るための質問
フィービーの部屋で二人がテレビを見ているとき、フィービーは舌を丸められるかと尋ねます。自分はできて母はできなかったので、父から受け継いだものだと思ったという理由つきです。結果はフランク・ジュニアができて、フィービーのほうができないというものでした。誕生日を教え合ったあと、フィービーは質問を変えます。
Phoebe: So, um, what kind of things do you like to do at home?
(それで、えっと、家ではどんなことをするのが好き?)
Frank: Melt stuff.
(ものを溶かすこと。)
Friends Season3 Episode5(The One with Frank Jr.)
What kind of things do you like to do? は、相手の好きなことを広く聞く質問です。Yes / No で終わらず、相手が自由に答えられるので、会ったばかりの相手との会話を続けやすい形です。冒頭の So, um, は、話題を切り替える前置きとして働いています。
返ってきた答えは「ものを溶かすこと」でした。別の場面で、フランク・ジュニアがプラスチックのスプーンを溶かしているのを見て、フィービーは答えの意味を確かめます。
Phoebe: Okay, so, by “melting” you meant melting.
(なるほど、「溶かす」って、本当に溶かすってことだったのね。)
Phoebe: So, is it like art?
(じゃあ、アートみたいなもの?)
Frank: Yeah, you can melt art.
(ああ、アートだって溶かせるし。)
Friends Season3 Episode5(The One with Frank Jr.)
By A you meant B. は「Aと言ったのはBという意味だったのね」と、相手の言葉の意味を確かめる形です。ここでは同じ melting を2回使い、言葉どおりの意味だったと分かったことを伝えています。続く Is it like ~? は、「〜みたいなもの?」と知っているものにたとえて聞く質問です。フランク・ジュニアの答えは、フィービーの「アート」という言葉を、溶かす対象の話として受け取ったものになっています。
「I feel like I can really talk to you」気持ちを言葉にする
場面はモニカとレイチェルの部屋の朝食に移り、モニカがフィービーに様子を尋ねます。
Monica: How’s it going with you guys?
(二人はどんな感じ?)
Phoebe: So far it kind of blows.
(今のところ、ちょっと最悪かな。)
Phoebe: I just thought, you know, that… he’d feel more like a brother. You know, like you and Ross just like close and connected and…
(ただ思ってたの、ほら……もっと弟って感じがするのかなって。ほら、あなたとロスみたいに、仲がよくて、つながってて……)
Friends Season3 Episode5(The One with Frank Jr.)
How’s it going with ~? は「〜とはどんな感じ?」と、人との関係の進み具合を聞く表現です。So far は「今のところ」、blow はくだけた会話で「最悪だ」「ひどい」を表します。kind of をはさむことで、言い切りを少しやわらげています。
I just thought he’d feel more like a brother. は、期待していたことを過去形で言い、実際は違ったと伝える形です。これを聞いたモニカは、ロスと昔していた遊びを、drive each other crazy(お互いをいらいらさせる)という言い方で紹介します。
週末の終わり、フィービーの職場でのひと騒ぎのあと、フランク・ジュニアは週末が楽しかったと言い、いい話をたくさんしたからだと理由を挙げます。フィービーがどの話かと聞き返すと、こう続きます。
Phoebe: Um… which ones in particular were great for you?
(えっと……特にどの話がよかった?)
Frank: About the tongue thing, you know… and how I told you about my likes and my dislikes.
(舌の話とか、ほら……あと、俺の好きなものと嫌いなものの話とか。)
Frank: How I like to melt stuff and how I dislike stuff that doesn’t melt?
(俺はものを溶かすのが好きで、溶けないものは嫌いだって話。)
Phoebe: Right. Okay. Mm-hmm.
(そうね。うん。うんうん。)
Frank: ‘Cause I feel like I can really talk to you ‘cause, you know, you’re my sister. You know?
(だってさ、姉ちゃんにはちゃんと話せる気がするんだよ。ほら、俺の姉ちゃんだから。な?)
Phoebe: Yeah. I guess I do.
(うん。そうみたいね。)
Friends Season3 Episode5(The One with Frank Jr.)
which ones in particular は「特にどれ」と範囲を絞って聞く言い方です。フランク・ジュニアが挙げたのは、舌の話と「溶かすのが好き」という話でした。I feel like I can really talk to you は、「本当に話せる気がする」と相手への信頼を伝える表現で、I feel like が言い切りをやわらげています。フィービーの I guess I do. は、直前の You know? を受けて控えめに認める返しと読み取れます。
まとめ|会ったばかりの相手と打ち解ける英語
I’m just nervous で緊張を打ち明け、What kind of things do you like to do? や Is it like ~? で相手を知り、I feel like I can really talk to you で気持ちを伝える流れを見てきました。質問と返しの形を知っておくと、初対面に近い相手との会話も続けやすくなります。
姉と弟の不器用なやりとりを観ていると、距離を縮めるための英語が見えてきます。
この回のほかのコラムやフレーズ記事でも、この回の別の場面の英語を扱っています。


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