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『フレンズ』シーズン3第1話では、チャンドラーの恋人ジャニスと、彼女を苦手にしているジョーイが、チャンドラーのために一日を一緒に過ごすことになります。言い出したのはジャニスのほうです。
気まずい関係を変えようと持ちかける言い方と、相手が試してくれたことをねぎらう言い方は、友人関係のほか、職場でも使える場面がありそうです。提案から報告までの流れに沿って見ていきます。
「spending some quality time together」で関係を立て直す提案
ジョーイが自分を苦手にしていると知ったジャニスは、チャンドラーの部屋でジョーイと向き合います。ジャニスは話を打ち切るように fine を重ねてから、こう切り出します。
Janice: All right, fine, fine, fine! We have got to do something about our little situation here.
(わかった、もういいわ、いいわよ!私たち、このちょっとした状況をなんとかしなきゃ。)
Janice: So this is my idea. You and me spending some quality time together.
(それで、私のアイデアはこう。あんたと私で、一緒に充実した時間を過ごすの。)
Joey: But what does that––
(でも、それが何の——)
Janice: For Chandler!
(チャンドラーのためよ!)
Joey: Okay. I’m in.
(わかった。乗るよ。)
Friends Season3 Episode1(The One With the Princess Leia Fantasy)
do something about ~ は「〜をなんとかする」という意味で、問題を放っておかずに手を打とうと持ちかけるときに使われます。ジャニスは二人の気まずさを our little situation(私たちのちょっとした状況)と呼び、深刻になりすぎない言葉で包んでいます。
quality time は、ただ一緒にいるだけでなく、相手と向き合って過ごす中身のある時間を指します。家族や恋人との時間について使われることの多い語ですが、ここでは苦手な相手と打ち解けるための時間として持ち出されています。
ジョーイが意味を聞き返そうとしたところで、ジャニスは「チャンドラーのため」と目的だけを短く示します。for ~ の一語で理由を言い切る形で、説明を重ねるよりも相手に目的がまっすぐ伝わる言い方です。これを聞いたジョーイは I’m in.(乗った)と応じます。
ジャニスはこの計画に名前まで付けます。
Janice: Okay! This is what we’ll call it: Joey and Janice’s Day of Fun!
(よし!名前はこう呼ぶの。「ジョーイとジャニスの楽しい一日」!)
Joey: Does it have to be a day?
(一日じゃなきゃだめなのか?)
Janice: Yes, because that’s how long it takes to love me.
(そうよ、私を好きになるにはそれくらいかかるんだから。)
Friends Season3 Episode1(The One With the Princess Leia Fantasy)
Does it have to be ~? は「〜じゃなきゃだめ?」と条件をやわらかく確かめる問いです。承諾したあとで、それとなく負担を減らせないか探るジョーイの問いかけです。
「I appreciate you giving it a shot」と努力をねぎらう
二人は一日一緒に出かけ、野球の試合を観て中華料理を食べて戻ってきます。ジャニスが帰ったあと、ジョーイの苦手意識は結局変わらなかったことが分かります。それを受けて、チャンドラーはこう返します。
Chandler: I appreciate you giving it a shot.
(やってみてくれたことには感謝してるよ。)
Joey: But you know, the good thing is, is that we spent the whole day together and I survived.
(でもさ、いいこともあったんだ。一日ずっと一緒に過ごして、俺は生き延びた。)
Joey: And what’s even more amazing, so did she.
(しかももっとすごいのは、彼女も無事だったってことだ。)
Friends Season3 Episode1(The One With the Princess Leia Fantasy)
give it a shot は「試しにやってみる」という意味で、I appreciate you ~ing の形にすると「〜してくれたことに感謝している」と、結果ではなく努力そのものに礼を言う言い方になります。うまくいかなかった相手を責めずに受け止めたいときに向いています。shot は「試み」の意味で、give it a try とほぼ同じ場面で使われます。
ジョーイの I survived. は「生き延びた」という大げさな言い方で、一日をなんとか乗り切ったことを冗談めかして伝えています。so did she は「彼女もそうだった」という省略の形で、ここでは「彼女も生き延びた」の意味になります。
「That’s huge!」小さな前進の受け止め方
一日一緒に過ごしたことを話したあと、二人の受け止め方には温度差が出ます。
Chandler: I guess that’s something.
(まあ、それなりの成果ではあるな。)
Joey: Oh, man, that’s huge!
(おい、すごいことだぞ!)
Joey: Now I know I can stand to be around her. Which means I get to hang out with you.
(これで、俺は彼女のそばにいても我慢できるって分かったんだ。つまり、お前とつるめるってことさ。)
Joey: Which is kind of the whole point anyway.
(それがそもそもの目的だしな。)
Friends Season3 Episode1(The One With the Princess Leia Fantasy)
I guess that’s something. は「まあ、ないよりはまし」という控えめな受け止め方です。これに対してジョーイは That’s huge! と、同じ出来事を大きな前進として言い直します。something は「ちょっとしたもの」、huge は「とても大きなこと」で、同じ成果に対する評価の差が、選んだ一語にそのまま表れています。
can stand to ~ は「〜するのに耐えられる」という意味で、ここでは好きになったわけではないけれど、そばにいることはできると分かった、という段階を表しています。好き・嫌いの二択ではなく、その中間を言葉にできる表現です。
続く Which means ~ は前の内容を受けて「つまり〜ということだ」と結論を導きます。ジョーイは Which で始まる文を二つ続け、我慢できる→チャンドラーとつるめる→それが目的、と話を一段ずつ進めています。最後の the whole point は「そもそもの目的」で、ジョーイにとって大事なのはチャンドラーと一緒に過ごせることだと、話の軸を相手に戻しています。
まとめ|歩み寄りの提案と努力へのねぎらい
do something about ~ と quality time で関係を変えようと持ちかけ、I appreciate you giving it a shot で努力をねぎらい、That’s huge! と the whole point で前進の意味を伝える流れを見てきました。試したこと自体を言葉にする表現がそろっています。
チャンドラーとジョーイの会話を観ていると、友達を思う気持ちが英語の言い回しににじむ様子が分かります。
ほかのコラムやフレーズ記事では、同じエピソードの別の場面に出てくる英語も扱っています。


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