アメリカのオーケストラの文化と英語|『メンタリスト』S03E22で学ぶ英会話

『The Mentalist』コラム: アメリカのオーケストラの文化と英語|『メンタリスト』S03E22で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『メンタリスト』シーズン3第22話は、オーケストラの人々が登場する回です。コンサートマスターの席を確かめる台詞、開幕の夜の予定、リハーサルでの指示が出てきます。楽団の世界の言葉が、短い台詞の中にまとまっています。

アメリカのオーケストラをめぐる文化を、台詞に残る英語とあわせて、3つの場面から順に見ていきます。一般的な説明は、広く言われる範囲の大枠にとどめます。

目次

「Concertmaster」席の位置と役割、指揮者への呼びかけ

序盤の場面に、コンサートマスターの席の位置を確かめる台詞があります。

— Concertmaster sits, uh, here, yes?
(コンサートマスターは、ええと、ここに座る、でいいですか?)
— Yes.
(はい。)
The Mentalist Season3 Episode22 (Rhapsody in Red)

コンサートマスターは、オーケストラで第1ヴァイオリンの首席奏者を指す呼び名とされ、指揮者に近い席に座ることが多いと言われます。日本語でも英語のままの呼び方が使われています。この台詞では、席の位置とその役割が結びついていることが、確かめる言葉の形から伝わってきます。

少しあとには、その席を言い渡すやりとりがあります。この前後のやりとりには、Maestro という呼びかけも出てきます。

— You will take Eleanor’s seat as concertmaster.
(エレノアの席に、コンサートマスターとして就いてもらう。)
— You’ve not shown any of her natural gifts of leadership, but under the circumstances, we shall have to make do, yes?
(彼女の生まれ持った統率力は少しも見せてこなかったが、状況を考えれば、あるもので間に合わせるしかないだろう?)
— I’ll–I’ll do my best, sir.
(ぜ、全力を尽くします。)
The Mentalist Season3 Episode22 (Rhapsody in Red)

take ~’s seat as … は、「〜の席に…として就く」という形で、ここでは seat が座席であると同時に役割を指す語として使われています。under the circumstances は「状況を考えれば」、make do は「あるもので間に合わせる」という意味です。natural gifts of leadership は、生まれ持った統率の才を表す言い方です。

Maestro はイタリア語に由来する語で、指揮者への敬称として使われることがあります。作中では、この呼び名で指揮者に当たる人物が呼ばれていると読めます。

「Opening night」開幕の夜と、寄付者との交流会

オーケストラが新しいシーズンを始める時期の話も出てきます。シーズンの始まりが近いことが語られたあとに、開幕の夜の予定が挙がります。

— Opening night, big fund-raising meet and greet with our donors.
(開幕の夜は、寄付者のみなさんを迎える、大きな資金集めの交流会です。)
The Mentalist Season3 Episode22 (Rhapsody in Red)

少し前の台詞には We’re supposed to start our season a day after tomorrow. があり、シーズンの開始が明後日に迫っていることが分かります。be supposed to ~ は「〜する予定になっている」という意味で、決まっている予定を述べるときに使われます。season は、一年の中で演奏会を重ねる期間のことで、その初日が opening night です。

fund-raising は「資金集め」、donors は寄付をする人々です。meet and greet は、出席者と顔を合わせて挨拶を交わす交流の催しを指します。アメリカでは、音楽団体が寄付に支えられていることがあるとされ、開幕の時期に寄付者を招く催しが開かれることもあるようです。この台詞は、そうした資金面の事情が、演奏会そのものと並んで予定に組み込まれていることを示しています。

英語では、一つの催しを「opening night」「fund-raising」「meet and greet」のように、時期、目的、形式の別々の言葉で言い表しています。日本語の「開幕の交流会」よりも、言葉ごとに役割が分かれた表し方です。

「You’re dragging.」リハーサルの指示に使われる英語

リハーサルの場面では、演奏を整えるための指示が短い言葉で飛びます。

— You’re dragging, people!
(遅れているぞ、みんな!)
— Stay in tempo!
(テンポを守れ!)
The Mentalist Season3 Episode22 (Rhapsody in Red)

drag は「引きずる」が基本の意味で、演奏では、テンポが遅れがちで前に進まない状態を指すと読めます。You’re dragging と進行形にすると、いま遅れている最中だと伝わります。people は「みなさん」と全員に呼びかける語です。Stay in tempo は、tempo(演奏の速さ)の中にとどまれという意味で、速さを保つよう求める命令形です。

演奏が止まったあとには、パートと小節を指す指摘も出てきます。

— Trumpets, measure 37— soggy.
(トランペット、37小節目——ぐずぐずだ。)
The Mentalist Season3 Episode22 (Rhapsody in Red)

Trumpets, measure 37 は、楽器のパートと小節番号を並べて、どこを指摘しているかを示す形です。アメリカ英語では小節を measure と呼ぶことが多く、イギリス英語では bar が使われるとされます。soggy は本来「水を含んでべちゃっとした」という意味で、ここでは演奏の切れの悪さを指す比喩的な使い方と読めます。短い指示の積み重ねで、リハーサルが進む様子がうかがえます。

まとめ|席次・開幕・リハーサルの英語

concertmaster の席、opening night と donors、You’re dragging. や measure 37 という指示。アメリカのオーケストラの仕組みが、短い英語の中に出てきます。

『メンタリスト』を観ながら、席の呼び名や指示の言葉に注目すると、楽団の世界の言葉づかいがつかめます。

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