「What’s a good preschool?」に見る、アメリカのプリスクール選びの文化|『モダンファミリー』S02E05で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「What's a good preschool?」に見る、アメリカのプリスクール選びの文化|『モダンファミリー』S02E05で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン2第5話では、まだ2歳にもならないリリーの遊び仲間がそろってプリスクールに通い始めたと知ったミッチェルとキャメロンが、慌てて園選びに乗り出します。クレアに相談し、性格の違う2つの園の間で揺れる2人の姿が描かれます。

今回は、この園選びの騒動を入り口に、アメリカのプリスクールをめぐる文化と、そこで交わされる英語を見ていきます。

目次

通わせるのは今年か来年か

ミッチェルは公園を走っていて、リリーがいつも一緒に遊ぶ子どもたちが1人もいないことに気づきます。その後、知人のローリーに会って事情を聞いたと、キャメロンに伝えます。

Mitchell: She said that they all sent their kids to preschool.
(みんな子どもをプリスクールに入れたって言うんだよ。)

Cameron: What? We agreed to wait till next year.
(何だって? 来年まで待とうって決めたのに。)

Mitchell: It was a fake-out to make sure that their kids got a spot.
(自分の子の枠を確実に取るための見せかけだったんだ。)

Modern Family Season2 Episode5 (Unplugged)

アメリカのプリスクールは一般に義務教育ではなく、通わせるかどうか、何歳から通わせるかは家庭の判断に委ねられることが多いと言われます。公立のプログラムの有無や対象年齢も、州や地域によって異なります。キャメロンの wait till next year という言葉からも、入園の時期を親が選ぶものとして話している様子が分かります。

ミッチェルの spot は「枠、席」の意味で、get a spot は「枠を確保する」です。人気の園では定員が限られ、早めに申し込まないと順番待ちになることもあると言われます。ほかの親たちの「来年まで待つ」は、その枠を先に押さえるための fake-out(見せかけ、フェイント)だった、というのがミッチェルの受け止め方です。このあとミッチェルは、入れないとリリーが遅れを取ってしまうと焦りを口にします。

焦ったミッチェルは、子育ての先輩であるクレアに電話をかけます。

Mitchell: What’s a good preschool?
(いいプリスクールってどこかな?)

Claire: Our kids went to Wagon Wheel.
(うちの子たちはWagon Wheelに通ったわよ。)

Mitchell: And it was good? You liked it?
(で、よかった? 気に入ってた?)

Claire: My kids are middle-management material at best.
(うちの子たちはせいぜい中間管理職止まりの器だから。)

Claire: We didn’t want to waste a lot of money.
(大金を無駄にしたくなかったのよ。)

Claire: Yes, Mitchell, it’s good.
(ええ、ミッチェル、いい所よ。)

Claire: Why the interest?
(なんで急に?)

Mitchell: I just realized all of Lily’s friends are going to school this year and now she’s late.
(リリーの友達がみんな今年から通い始めるって今気づいて、あの子だけ出遅れてるんだ。)

Modern Family Season2 Episode5 (Unplugged)

クレアは冗談まじりに、費用をかけすぎない園を選んだと答えています。私立のプリスクールでは園によって費用に大きな差があると言われ、評判や教育方針と並んで、費用も園選びの判断材料になりやすいところです。What’s a good ~? は、経験者におすすめを聞くときにそのまま使える形です。

身近な園か、評判の園か

その後、ミッチェルは評判の高い Billingsley Academy に空きが出たと話し、キャメロンはそれに戸惑います。

Cameron: But I like Wagon Wheel.
(でも僕はWagon Wheelが好きだよ。)

Cameron: It had all the duckies.
(アヒルちゃんがいっぱいいたし。)

Cameron: And it reminded me of where I went in Missouri.
(ミズーリで僕が通ってた所を思い出したんだ。)

Mitchell: Cam, everyone goes to Billingsley for a reason.
(キャム、みんながBillingsleyに行くのには理由があるんだよ。)

Mitchell: It’s the Harvard of preschools.
(プリスクールのハーバードなんだから。)

Cameron: She’s not even two years old yet.
(あの子はまだ2歳にもなってないんだよ。)

Cameron: She doesn’t need the Harvard of preschools.
(プリスクールのハーバードなんて必要ない。)

Cameron: She needs finger painting and duckies.
(必要なのはフィンガーペインティングとアヒルちゃんだよ。)

Modern Family Season2 Episode5 (Unplugged)

2人の意見は、園に何を求めるかで分かれています。ミッチェルは評判を重く見て、キャメロンは遊びの時間と園の雰囲気を大事にしています。the ~ of preschools は「プリスクール界の〜」と、ある分野の代表格にたとえる言い方です。ミッチェルの for a reason は「それなりの理由があって」という意味で、everyone goes to ~ for a reason と言えば、人気には根拠があると主張できます。

キャメロンが挙げた「まだ2歳にもなっていない」という点も、園選びでは大事な視点です。何歳から通うかは園や家庭によって幅があり、年齢に合った過ごし方を重視するかどうかで、選ぶ園の方向性も変わってきます。

実際の園選びでも、見学(tour)で園庭や教室の様子を確かめたり、知人や経験者から評判を聞いたりして決める家庭も少なくないようです。遊びを中心にする園もあれば、早くから学びの要素を取り入れる園もあり、どちらを選ぶかは家庭の考え方によってさまざまです。

枠を押さえるか、賭けに出るか

Billingsley に望みをかけるミッチェルに、クレアは釘を刺します。

Claire: Well, just so you know, I don’t think Wagon Wheel’s gonna hold a place for you.
(言っとくけど、Wagon Wheelが枠を取っておいてくれるとは思えないわよ。)

Mitchell: Well, I think we’re gonna take our chance.
(まあ、賭けてみるよ。)

Cameron: Take our chance? That sounds chancy.
(賭けてみる? それって危なっかしく聞こえるけど。)

Claire: You know, Mitchell, you were the one who called me in a panic.
(ねえミッチェル、パニックになって電話してきたのはあなたの方でしょ。)

Claire: You were the one who needed me to get you in.
(入れるように口をきいてほしいって頼んできたのもあなたよ。)

Modern Family Season2 Episode5 (Unplugged)

hold a place は「枠を確保しておく」という意味で、先ほどの spot と同じく席の取り合いを表す言葉です。get you in は「あなたを入れてあげる」で、クレアが口添えをしていたことが分かります。キャメロンの chancy は「危なっかしい」という形容詞で、ミッチェルの chance に引っかけて返しています。

take our chance は「運に任せてやってみる」という意味で、一般には複数形の take our chances の形でもよく使われます。クレアの just so you know は「念のため言っておくと」という前置きで、相手に忠告や事実を伝える前によく添えられます。you were the one who ~ は「〜したのはあなたの方だ」と相手の行動を指摘する強調の形で、頼んできた側と頼まれた側の立場をはっきりさせたいときの言い方です。枠をめぐる駆け引きが、姉弟の小さな行き違いにも発展している様子が伝わってきます。

まとめ|園選びに見る家庭の価値観

入園の時期を選ぶ wait till next year、枠を表す spot と hold a place、評判と雰囲気のどちらを取るか。リリーの園選びをめぐる2人の迷いから、プリスクール選びが家庭ごとの価値観を映す場面だということが見えてきます。

家族の小さな決断をこれからも『モダンファミリー』と一緒に見届けていきましょう。

このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やほかのコラムでも扱っています。

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