「Strike three.」に学ぶ、野球の比喩で罰を数える英語表現|『ビッグバン★セオリー』S02E07で学ぶ英会話

『The Big Bang Theory』コラム: 「Strike three.」に学ぶ、野球の比喩で罰を数える英語表現|『ビッグバン★セオリー』S02E07で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン2 第7話に登場する、野球のルールをそのまま日常の罰則に転用する言い方です。オニオンリング事件をきっかけにシェルドンが持ち出した「strike」のカウントは、やがてペニーの手で逆用されることになります。

「Strike three.」の一言に込められた宣告の型と、それが場面を変えて再利用されていく様子を見ていきます。

目次

「It’s a sports metaphor.」野球のルールを罰則に転用する言い方

部屋でのオニオンリング事件をきっかけに、シェルドンはペニーに対して独自の罰則制度を持ち出します。

Sheldon: You have two strikes. Three strikes and you’re out. It’s a sports metaphor.
(君にはすでに二つのストライクがある。三つでアウトだ。野球の比喩だ。)

Penny: A sports metaphor?
(野球の比喩ってこと?)

Sheldon: Yes, baseball.
(そうだ、野球だよ。)

TBBT Season2 Episode7 (The Panty Piñata Polarization)

strike はもともと野球用語で、打者に宣告される「ストライク」を指します。It’s a sports metaphor. は「これはスポーツの比喩だ」と、たとえの出どころを短く言い添える言い方です。比喩だと聞き返され Yes, baseball. と種目名だけで即答する型も見どころです。three strikes and you’re out という言い回し自体、野球の外でも「三度までは大目に見るが、四度目はアウト」という意味合いで日常的に使われる決まり文句として定着しています。

実はこの時点で、シェルドンはすでに一つ目のストライクを数えていました。3月18日、ペニーが面白い画像入りのメールを転送してきたことを「くだらないメールの拡散」とみなし、それを最初のストライクとして記録していたのです。オニオンリングに触れた行為はその延長線上の二つ目にすぎず、罰則の理由づけ自体がかなり些細であることが伝わってきます。

さらにこのあと、ペニーがシェルドンの定位置に座ってしまったことが三つ目の引き金となり、シェルドンは次のように宣告します。

Sheldon: All right, that’s it. Strike three.
(よし、これで決まりだ。ストライク・スリー。)

TBBT Season2 Episode7 (The Panty Piñata Polarization)

That’s it. は「これで終わりだ」「もう決まりだ」と話を打ち切る前置きで、そのあとに続く Strike three. が最終宣告として場面を締めくくります。日常の揉め事にスポーツの判定用語を持ち込むことで、深刻になりすぎずに区切りをつける言い方です。三振の宣告そのものが、シェルドンにとっては大真面目な「儀式」として機能しているところに、この場面らしいおかしみがあります。

型を借りて仕返しに使う――「strike」カウントの使い回され方

場面はチーズケーキ・ファクトリーに移り、店員として働くペニーが、シェルドンから向けられた同じ数え方をそのまま逆用します。

Penny: Well, you have three strikes. One, coming in. Two, sitting down. And three, I don’t like your attitude.
(あなたには三つのストライクがあるの。一つ、入店したこと。二つ、席に座ったこと。三つ、その態度が気に入らないこと。)

TBBT Season2 Episode7 (The Panty Piñata Polarization)

シェルドンの「メールでくだらない画像を転送した」「オニオンリングに触れた」「僕の定位置に座った」のような具体的な違反理由づけの型を、ペニーはそのまま踏襲しています。三つの理由を番号で並べる構成そのものが、シェルドン式の言い回しのパロディーになっているのが見どころです。coming in(入店したこと)や sitting down(席に座ったこと)のように、本来なら罰則の理由にすらならない行動をわざわざ番号付きで並べる誇張ぶりが、この場面のユーモアを支えています。

同じチーズケーキ・ファクトリーの場面では、この数え方がレナードにも向けられます。

Penny: That’s strike one, Leonard.
(それがストライク・ワンよ、レナード。)

TBBT Season2 Episode7 (The Panty Piñata Polarization)

一度誰かが持ち込んだ言い回しの型が、別の相手にもそのまま使い回されていく様子が伝わってきます。strike one / two / three は、一度覚えれば誰にでも応用できる罰則カウントの型です。この後の場面では、シェルドン自身も、自分が止めたWiFiを回避されようとしたことへの制裁として、ルームメイト全員に追加のストライクを言い渡しており、「型」がエピソード全体を通して増殖していく様子がうかがえます。もともとはシェルドンが自分の秩序を守るために持ち込んだ数え方が、いつの間にか周囲の人間関係のトラブル全般に応用される共通言語になっているのが、この場面の面白さです。

まとめ|比喩の型は、誰にでも使い回せる

sports metaphorstrike one / two / threeThat’s it. は、もともと野球の判定用語でありながら、日常の揉め事を数えて締めくくる便利な型として機能しています。持ち込んだ言い回しが別の相手にも転用され、さらに新しい人物にまで飛び火していく様子から、比喩表現がひとつの「ルール」として一人歩きしていく面白さが見えてきます。

次回も『ビッグバン★セオリー』の会話を通して、英語表現の型を見ていきましょう。

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