海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
ある話題について「それを言い出したらキリがない」と感じたこと、ありますよね。
そんな気持ちをユーモラスに表現できるのが 「don’t get me started」 です。
実際にそのシーンを見てみよう!
ペニーとのディナーで会話が弾み始めたところ。
ペニーが元カレとの別れを引きずり、「リバウンドセックス」の話を打ち明けてくる場面。
レナードにはペニーへの気持ちがある分、この話題はひときわ複雑で……。
Penny:Okay, well, you know, it’s just me. I’m still getting over this break-up with Kurt, and this thing with Doug would be just rebound sex.
(ねえ、私だけかもしれないけど。カートとの別れがまだ引きずってて、ダグとのこともただのリバウンドセックスになりそうで)Leonard:Ugh, don’t get me started on rebound sex.
(うわー、そのリバウンドセックスって話を始めたら止まらなくなるよ)Penny:It’s just, it’s my pattern. I break up, then I find some cute guy, and then it’s just thirty six meaningless of… well, you know.
(ただ、これが私のパターンなのよ。別れたら、かわいい男の子を見つけて、それで36時間の意味のない…まあわかるでしょ)Leonard:I’m not sure that I do. Um, is that one thirty-six hour experience, or is it thirty six hours spread out over say, one… glorious summer.
(よくわかんないな。36時間ぶっ続けってこと?それとも、例えばひとつの…輝かしい夏に渡って36時間?)The Big Bang Theory Season1 Episode3(The Fuzzy Boots Corollary)
シーン解説と心理考察
ペニーへの想いがあるレナードにとって、「リバウンド」の話題はひそかに痛い場所をつつかれているような場面。
「don’t get me started on rebound sex」という言葉は表向き「語り出したら止まらない」という意味ですが、ペニーへの複雑な感情がにじんでいるような気がして、見ているこちらも少しドキドキします。
その直後に「36時間ぶっ続け?それとも輝かしい夏に渡って?」と暴走するレナードの姿が、本音と滑稽さを見事に同居させていますよね。
この絶妙なテンションがTBBTらしい笑いの作り方で、個人的にもこういうシーンが大好きです。
「don’t get me started」の意味とニュアンス
Don’t get me started (on ~)
意味:その話を始めたら止まらなくなる・それについては言い出したらキリがない
「~という話題を持ち出すと、私が熱く語り出してしまうから始めないでくれ」というニュアンスです。
愚痴・不満・強いこだわりがある話題を前にして使われることが多く、軽いユーモアや苦笑いを込めた表現です。
「Don’t get me started on traffic.(渋滞の話は始めないで、止まらなくなるから)」のように、on のあとに話題を続けることもよくあります。
【ここがポイント!】
まず覚えておきたいのは、on なしで単体でも使えるということです。
「A:How was the meeting?(会議どうだった?) B:Don’t get me started.(話し始めたら止まらない)」のように、一言だけで「散々だった・言いたいことが山ほどある」というニュアンスを伝えられます。
on ~を続けると話題を特定できるので、「渋滞」「職場の新システム」など愚痴りたいテーマが明確なときはon付きで使うのがおすすめです。
この表現は「get + 人 + started」(〜に話し始めさせる)という使役表現が元になっており、「そのスイッチを押さないで」というイメージで覚えると使いどころがつかみやすいです。
実際に使ってみよう!
Don’t get me started on the new system at work — it’s been a disaster.
(職場の新しいシステムの話は始めないで、ほんとに散々だったんだから)
ちょっとした愚痴をユーモラスに切り出すときに自然に使えます。
Oh, don’t get me started on airport food. I could talk about it all day.
(空港の食事の話を始めたら止まらないよ。一日中話せるくらい)
強いこだわりや経験を持つ話題について、笑いを交えて話すときの定番フレーズです。
A:How did the meeting go? B:Don’t get me started.
(A:会議どうだった? B:話し始めたら止まらなくなるよ)
「on ~」なしで単体でも使えて、「散々だった」というニュアンスを一言で伝えられます。
『The Big Bang Theory』流・覚え方のコツ
レナードが「don’t get me started on rebound sex」と言ったあのシーンを思い出してください。
本当は語りたいのに、「語り出したら止まらない」と自覚している——そんな複雑な心理がこのフレーズには詰まっています。
「スイッチを押さないで」というイメージで覚えると、使いどころが体感としてつかみやすいはず。
愚痴をこぼしたくなる話題を思い浮かべながら、ぜひ口に出して練習してみてください。
似た表現・関連表現
That’s a whole other story.
(それはそれで別の話だよ)
「その話は複雑すぎる、別途語る必要がある」というニュアンスで、「don’t get me started」と似た流れで会話をクローズするときに使えます。
I could go on and on about ~
(〜については話し出したら止まらない)
「言いたいことが山ほどある」ということを率直に表現する言い回しです。「don’t get me started」より自分から積極的に語り出すニュアンスがあります。
You have no idea.
(あなたにはわかるまい・それはもうひどいものだよ)
「どれだけ大変だったか想像もできないでしょ」という意味で、苦労や不満を伝えるときの一言として使えます。
深掘り知識:愚痴とユーモアが同居する英語特有の言い回し
英語には、不満や愚痴をユーモアで包む表現が豊富にあります。
「don’t get me started」もその一つで、直接文句を言うのではなく「言い出したらキリがない」と笑いを交えて伝えることで、相手との距離を保ちながら感情を発散できます。
これはイギリス・アメリカ文化における「ユーモアで場を和ませる」コミュニケーションスタイルの表れで、ドラマや映画でも頻繁に登場します。
ストレートに文句を言うよりも、こうした表現を使えるとネイティブらしいこなれた会話に一歩近づけます。
まとめ|愚痴もユーモアで包めば会話が弾む
「don’t get me started(on ~)」は、強いこだわりや不満がある話題を前に「始めたら止まらない」と軽くかわす、ユーモラスな口語表現です。
真剣に怒るより笑いを交えて不満を伝えられるので、会話の中でとても使い勝手のよいフレーズです。
まずはon なしの「Don’t get me started.」一言から、日常のちょっとした場面で使ってみてください。
言葉にユーモアが加わるだけで、会話の雰囲気がぐっと軽くなります。


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