海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン1 第15話に登場する、シェルドンが妹ミッシーの交際相手について兄として口を出そうとする場面です。レナードに理屈を持ちかけられたシェルドンは、大真面目な理由付けで保護者ぶりますが、最後はミッシー本人にきっぱりと釘を刺されます。
相手を動かそうとする言い方と、それに対して境界線を引く言い方、両方から見ていきます。
「責任」を持ち出して相手を動かす
シェルドンがいまひとつ自分事として捉えていない様子を見て、レナードはこう持ちかけます。
Leonard: Okay, oh, consider this. With your father gone, it is your responsibility to make sure that Missy chooses a suitable mate.
(いいか、こう考えてみてくれ。父親がもういない以上、ミッシーがふさわしい相手を選ぶよう見届けるのは、お前の責任なんだ。)TBBT Season1 Episode15 (The Pork Chop Indeterminacy)
it is your responsibility to make sure that ~(~を確実にするのはあなたの責任だ)は、相手に義務を持ち出すことで行動を促す言い方です。「頼む」でも「勧める」でもなく、「責任」という枠組みを差し出すことで、相手が断りにくい形にしているのがポイントです。この理屈に納得したシェルドンは、遺伝子の継承という理系的な理由付けを重ねたうえで、こう言い切ります。
Sheldon: You’re right. If someone wants to get at Missy’s fallopian tubes, they’ll have to go through me.
(君の言う通りだ。誰であれミッシーの卵管に手を出そうというなら、まず僕を通さなければならない。)TBBT Season1 Episode15 (The Pork Chop Indeterminacy)
get atは「手を出す」「危害を加える」を婉曲に表す句動詞で、直接的な表現を避けながら意図をはっきり伝えられます。ここでは、シェルドンが自分を関所に見立てて宣言する場面で使われています。
自分の意見をぼかして伝える
レナードたちを退けたシェルドンでしたが、今度はミッシー本人に呼び出され、二人きりで話すことになります。なぜ急に自分の交際相手に口を出すのか尋ねられたシェルドンは、こう答えます。
Sheldon: Truthfully, I’ve never given it any thought, but it has been pointed out to me that you carry DNA of great potential.
(正直に言うと、今まで考えたこともなかった。だが、君が大きな可能性を秘めたDNAの持ち主だと指摘されたんだ。)TBBT Season1 Episode15 (The Pork Chop Indeterminacy)
it has been pointed out to me that ~(~だと指摘された)は、意見の出どころを自分以外に置くことで、主張をやわらげて伝える言い方です。実際にはレナードに吹き込まれた考えなのですが、受け身の構文を使うことで、まるで客観的な事実であるかのような響きになっています。
境界線を引き、前言を撤回する
シェルドンの理屈に長々と付き合ったミッシーですが、最後にはこう釘を刺します。
Missy: I thought it ended at cuckoo. Now you listen to me, if you want to start acting like a brother who cares about me, then terrific. Bring it on.
(カッコウの話で終わりだと思ってた。いい、よく聞いて。私のことを気にかける兄らしく振る舞いたいなら、それは結構なことよ。かかってきなさい。)TBBT Season1 Episode15 (The Pork Chop Indeterminacy)
Bring it on.(かかってきなさい)は、相手の挑戦や説教を受けて立つ、強気な言い方です。下手に出るのではなく、真正面から相手の態度を引き受けてみせることで、対等な立場を宣言しています。この一言で、シェルドンは自説をあっさり撤回します。
Sheldon: Correction. Missy can date whoever she wants.
(訂正する。ミッシーは自分の好きな相手とデートしていい。)TBBT Season1 Episode15 (The Pork Chop Indeterminacy)
Correction.(訂正する)は、直前の自分の発言を即座に撤回・言い直す一言です。長々とした理屈を並べたあとでも、この一語だけで潔く前言を引っ込められる、便利な言い方です。
まとめ|相手を動かす言い方と、線を引き直す言い方
it is your responsibility to ~、get at、it has been pointed out to me that ~、そして Bring it on. や Correction.。ここまで見てきた表現には、相手を行動へ促す持ちかけ方と、それに応じて境界線を引き直す言い方の両方が詰まっています。
『ビッグバン★セオリー』の兄妹のやり取りは、これからも英語表現を追いかける材料になっていきます。
同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語がより立体的に見えてきます。
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