『ビッグバン★セオリー』シーズン6第20話「The Tenure Turbulence」を、英語学習の視点から整理します。大学の終身在職権をめぐり、レナード、シェルドン、ラージの三人が候補者として名乗りを上げる回で、成果で勝負するか、選考委員に取り入るかという考え方の違いが会話にも表れます。推薦や立候補、条件付きの申し出を表す言い回しを見ていきます。表向きは正々堂々を装いながらも、つい下心がにじんでしまう会話の揺れ幅も、この回ならではの読みどころです。
あらすじ(ネタバレなし)
大学教授の急逝により空いたテニュアの枠をめぐって、物理学科の男性陣三人がそれぞれの立場から候補入りを目指します。シェルドンは選考委員のジャニーンに取り入ろうとし、レナードはジムで彼女に近づく機会をうかがい、ラージも独自の自己アピール動画を送りつけるなど、それぞれ違った方向に空回りしていきます。恋人であるエイミーとペニーも、それぞれのやり方で応援しようとし、時にはその手助けが本人の意図とずれた形で表れることもあります。教授の追悼式に三人が顔をそろえたことをきっかけに、友情と競争心の間で気持ちが揺れ動いていきます。委員への働きかけ方や、恋人からの手助けの申し出など、それぞれの場面から具体的な言い回しを整理していきます。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. brown-nosing
意味:ゴマをする/媚びへつらう。
Howard: Yeah, you wouldn’t want to look like you guys are brown-nosing the tenure committee, who will all be there.
(訳:ああ、選考委員が全員来る追悼式で、君らがゴマをすってるように見られたくないだろう。)
教授の追悼式に行くべきか迷うレナードたちに、ハワードが皮肉交じりの助言をする場面です。純粋な弔意で参列するはずの場が、テニュア争いの一環に見えてしまう危うさを、この一言が鋭く言い当てています。結局、この後に登場人物たちは全員そろって式に顔を出すことになり、それぞれの思惑が入り混じっていきます。
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2. come to an end
意味:終わる/終了する/幕を閉じる。
Janine: This meeting has come to an end.
(訳:この面談は終わりです。)
黒人差別の歴史を扱った作品を「ご機嫌取りのつもりで」贈られたジャニーンが、シェルドンの無神経な行動にきっぱりと線を引く場面です。短い一言で会話を打ち切ることで、それ以上の弁解を許さない強い意志が伝わってきます。
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3. speak for itself
意味:それ自体が物を言う/結果が証明する。
Leonard: I’m gonna let my work speak for itself.
(訳:僕は自分の仕事に語らせるつもりだ。)
選考委員に取り入る気はないかとペニーに聞かれたレナードが、誠実な姿勢を宣言する場面です。この直後に「自分は世間知らずなのか」と自嘲するところまで含めて、理想と現実の間で揺れるレナードらしさが表れています。
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4. throw one’s hat in the ring
意味:立候補する/名乗りを上げる。
Leonard: I just wanted to say hi and let you know that I’ll be throwing my hat in the ring.
(訳:ちょっと挨拶をしたくてね、それと僕も立候補するつもりだって伝えておきたかったんだ。)
ジムで偶然を装って選考委員のジャニーンに接近したレナードが、本題を切り出す場面です。世間話のふりをしながら核心を伝えるところに、正攻法を貫こうとしつつもつい下心がにじんでしまうレナードの不器用さが表れています。慣れない運動器具に手こずりながら話しかける様子からも、計画通りにはいかない気まずさが伝わってきます。
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5. with strings attached
意味:条件付きで/ひも付きで。
Howard: Money from family does come with strings attached.
(訳:家族から出てくるお金には、たいてい条件がついてくるものだ。)
親からの援助を打ち切りたいと漏らすラージに、ハワードが理解を示す場面です。金銭的な援助の裏にある見返りや期待について、実体験を踏まえたような口調で語っているところに、身近な話題として共感を誘う言い方が表れています。
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6. well-versed in
意味:〜に精通している。
Amy: I’m well-versed in academic politics.
(訳:私は学内政治には精通しているの。)
シェルドンの追悼式への同行を申し出たエイミーが、自分の役に立てる理由を挙げる場面です。謙遜せずに自分の強みをはっきり述べるところに、恋人であると同時に対等な協力者としてシェルドンを支えようとするエイミーの姿勢が表れています。
7. come across
意味:偶然出会う、出くわす。
Sheldon: Last night, I was feeling in need of sexual release when I happened to come across your mother.
(訳:昨夜、発散したい気分になっていたら、たまたま君のお母さんと出くわしてね。)
ラージの母親をネタにした軽口を提案されたシェルドンが、慣れないユーモアに挑戦する場面です。皮肉やジョークが苦手なはずのシェルドンが、ぎこちなくも懸命にお決まりの冗談を再現しようとするところに、この場面ならではのおかしみがあります。
8. after all
意味:結局、やはり。
Leonard: I guess the train store in Glendale wasn’t having a cotillion after all.
(訳:結局のところ、グレンデールの鉄道模型店で舞踏会は開かれていなかったみたいだな。)
追悼式に来ないと約束していたはずのシェルドンと鉢合わせたレナードが、皮肉交じりに切り返す場面です。もっともらしい嘘の言い訳を持ち出していたシェルドンの矛盾を、遠回しな言い方で指摘しています。
9. go over
意味:見直す、詳しく検討する。
Amy: Let’s go over our emotional responses one last time.
(訳:最後にもう一度、感情の反応を確認しておきましょう。)
追悼式に向かう前、エイミーがシェルドンに適切な振る舞いを事前確認させる場面です。感情表現が苦手なシェルドンのために、状況ごとの正しい反応をあらかじめリハーサルさせているところに、二人の関係らしい実務的なサポートの形が表れています。
10. come along
意味:付いていく、一緒に来る。
Amy: Well, in that case, perhaps I should come along.
(訳:それなら、私も一緒に行ったほうがよさそうね。)
追悼式にテニュア委員会が同席すると聞いたエイミーが、同行を申し出る場面です。当初は気の乗らない誘いだったものが、シェルドンの選考に関わると分かった途端に態度を変えるところに、恋人としてだけでなく協力者としての一面がのぞいています。
このエピソードの英語学習ポイント
この回の英語表現は、テニュア争いという競争の場面と、恋人同士の支え合いの場面という、二つの軸で使われています。ハワードの brown-nosing やレナードの throw one’s hat in the ring のように、選考をめぐる駆け引きの言葉には、直接的な表現と遠回しな表現が入り混じっています。露骨に取り入るのは嫌でも、名乗りを上げる意思ははっきり示したいという、レナードの立場らしい葛藤がここに表れています。
エイミーの well-versed in や go over は、恋人であるシェルドンを実務的にサポートする場面でよく使われる表現です。感情に訴えるのではなく、自分の得意分野や具体的な準備を根拠にするところに、この二人の関係らしい距離の取り方が読み取れます。恋愛感情の言葉よりも実務的な言葉のほうが多く交わされているのも、この二人らしい特徴です。
ジャニーンの come to an end のように、短く言い切ることで会話そのものを終わらせる表現も登場します。相手に反論の余地を与えない言い方と、遠回しに本音をにじませる言い方が同じ回の中に混在していることから、状況に応じた強さの調整が読み取れます。
ラージの with strings attached やシェルドンの come across のように、身近な家族の話題や下手なジョークを通して使われる表現も見どころです。テニュアという大きな話題の合間に、こうした個人的なエピソードが挟まることで、会話全体のリズムに緩急が生まれています。
キャラクター別|英語の特徴
レナード|この回での話し方
Leonard: I don’t want to lose my friends over tenure.
(訳:テニュアのせいで友達を失いたくないんだ。)
テニュア争いが友情を脅かし始めた場面で、レナードが本音を口にする場面です。競争心よりも人間関係を優先する姿勢をはっきり言葉にするところに、三人の中でも一歩引いた立場を取りがちなレナードらしさが表れています。周囲がお互いの弱みを持ち出し始めた空気に流されず、自分から一歩引く判断を下すところにも、この人物らしい良識が表れています。
シェルドン|この回での話し方
Sheldon: Sheldon Cooper does not do cozy.
(訳:シェルドン・クーパーは、なれ合いなんてしない。)
選考委員に取り入ってはどうかとエイミーに提案されたシェルドンが、きっぱりと拒む場面です。自分の名前を三人称で持ち出しながら言い切るところに、信念を曲げない頑固さと、どこか芝居がかった言い回しを好むシェルドンらしさが表れています。もっとも、この直後には気になる委員の存在を調べ始めるなど、言葉ほど徹底しきれていない一面ものぞきます。
ラージ|この回での話し方
Raj: This is beneath me.
(訳:こんなことは僕には似つかわしくない。)
テニュア争いのために友人を悪く言う流れになりかけたところで、ラージが我に返って口にする一言です。一度は場の勢いに乗りかけながらも、すぐに踏みとどまるところに、仲間内の空気に流されやすい一方で良心も持ち合わせているラージらしさが表れています。感情のままに突っ走りかけて、すぐに我に返るという振れ幅の大きさも、この人物らしい愛嬌になっています。
ペニー|この回での話し方
Penny: I’m here to support my man, just like you.
(訳:私もあなたと同じで、彼を応援しに来たのよ。)
追悼式に来た理由を聞かれたペニーが、エイミーに向けて答える場面です。他人行儀な説明ではなく、相手を対等な立場として扱いながら答えるところに、飾らないペニーらしい率直さが表れています。恋人を応援するという共通点を通じて、普段は少し距離のあるエイミーとの間にも自然な連帯感が生まれています。
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