海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ホワイトカラー』シーズン6 第1話から、姿を消したニールをめぐってピーターとモジーが言葉を交わす場面を取り上げます。相手が口にした理由をそのまま受け取り、自分の結論の根拠に変えてしまう which is why が、短い往復の中で何度も使われています。
理由と結論をつなぐ which is why、which means、ergo の違いを、二つの場面に沿って見ていきます。
「Which is why ~」で、帰れと言われた理由を残る理由に変える
自分たちの盗聴器を勝手に使うなとモジーがたしなめられたあと、ピーターは家に帰るよう告げ、何か耳に入ったら知らせてほしいと頼みます。追い払われていると察したモジーの返しが、この場面の見どころです。
Mozzie: You want me to leave.
(私に出て行ってほしいわけだ。)
Peter: Very much so.
(大いにな。)
Mozzie: Which is why I should stay.
(だからこそ、私は残るべきなのだ。)White Collar Season6 Episode1 (Borrowed Time)
which is why の which は、直前の発言全体を受ける関係代名詞です。文法的には「〜, which is why …」と前の文にコンマでつなぐ形が基本ですが、会話では相手の発言を受けて Which から話し始めることもよくあります。意味は「そしてそれが〜の理由だ」、つまり「だからこそ」です。
モジーは、ピーターが自分を遠ざけたがっているという事実を、そのまま「残る理由」に読み替えています。追い払われること自体を「何かある」という合図として受け取っていることは、続くやり取りから読み取れます。直後にモジーは何を隠しているのかと問い詰め、自分でレベッカの名前にたどり着きます。
Mozzie: Of course. It was Rebecca. She has the most reason to hurt Neal.
(そうか。レベッカだ。ニールを傷つける理由が誰よりもあるのは彼女だ。)
Peter: Which is why we’re gonna talk to her.
(だから彼女から話を聞くんだ。)White Collar Season6 Episode1 (Borrowed Time)
今度はピーターが同じ形を使います。モジーの挙げた理由を否定せずに受け取り、「だからこそ、これから本人に話を聞く」と自分の次の行動につなげています。同じ which is why でも、相手の理屈をひっくり返す使い方と、認めたうえで先へ進める使い方の両方があるという場面です。
「ergo」「which means」で、根拠から結論を導く
時間を少しさかのぼると、FBIが捜索している部屋の場面でも、モジーは理由と結論をつなぐ言葉を重ねています。ニールは逃げたと考えるピーターに対し、モジーは証拠が目の前にあると言い出します。
Mozzie: The answer, dear Suit, is that he didn’t run. And the evidence is right in front of you.
(答えはだね、親愛なるスーツ、ニールは逃げていないということだ。そして証拠は君の目の前にある。)
Peter: You?
(お前がか?)
Mozzie: He wouldn’t run without me, ergo…
(彼が私を置いて逃げるはずがない。ゆえに……)White Collar Season6 Episode1 (Borrowed Time)
ergo はラテン語由来の「ゆえに」で、日常会話ではやや芝居がかった響きになる語です。ここでは「ゆえに」の先を言い切る前に、ジョーンズからの報告が入って話が中断します。
場面の締めくくりで、モジーは同じ主張を which means で言い直します。
Mozzie: Suit, you know something doesn’t feel right about this. I promise you, Neal didn’t run… which means someone must have taken him.
(スーツ、君も何かおかしいと分かっているはずだ。断言する、ニールは逃げていない……つまり、誰かが彼を連れ去ったに違いないのだ。)White Collar Season6 Episode1 (Borrowed Time)
which is why が「理由→結果」をつなぐのに対し、which means は「ある事実→そこから導かれる含意」をつなぎます。「逃げていない」という前提から、「誰かが連れ去った」という結論を引き出す流れです。must have taken は「〜したに違いない」という過去への強い推量で、which means の後ろに置かれることで推理の締めとして働いています。
まとめ|理由と結論をつなぐ which is why と which means
which is why は相手の理由を受けて結論や行動につなぎ、which means は事実からその意味を導きます。ergo を含め、根拠と結論の向きを意識すると、言い返しや推理の英語がぐっと読みやすくなります。
次回も『ホワイトカラー』の会話から、言葉のつなぎ方を見ていきましょう。
この回のほかのコラムやフレーズ記事からも、二人のやり取りをたどれます。


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