「hear someone out」の意味と使い方|『ホワイトカラー』S02E10で学ぶ英会話

「hear someone out」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

すぐに反対したくなるような提案でも、まずは最後まで説明を聞いてほしいと感じたことはありませんか。

そんな場面にぴったりの「hear someone out」を、『ホワイトカラー』シーズン2第10話の中盤、正規の手続きにこだわるピーターに、ニールがコンのプランを切り出すシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「hear someone out」の意味とニュアンス

hear someone out
意味:(反論せず)最後まで話を聞く

hear は「聞く」、out は「最後まで、出し切る」というニュアンスを添える副詞です。hear someone out は、相手の言い分に懐疑的だったり反論したくなったりしても、いったん最後まで説明を聞き切ることを求める表現で、「まだ判断しないでほしい」という前置きとしてよく使われます。

相手の提案にすぐ反対したくなる場面で「まず聞いてほしい」と切り出すときや、誤解を解きたいときに言い訳ではなく説明を最後まで聞いてもらいたいときなど、交渉や議論の入り口でよく登場する表現です。

似た表現に let someone finish がありますが、hear someone out は単に話を遮らないだけでなく、内容をきちんと聞き入れるという姿勢まで含んでいる点が特徴です。反対意見を持つ相手に対して、まずは判断を保留してもらうためのお願いとして使われることが多く、依頼する側の必死さがにじむ表現でもあります。

【ここがポイント!】

  • 「hear someone out」の核は、最後の一言まで話を聞き届けるイメージ
  • 反対されそうな提案の前置きとして使われることが多い表現
  • 相手の言い分を一度受け止める姿勢そのものを表すのがこの表現のコツ

『ホワイトカラー』S02E10のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ラーセンとビラルの密輸ルートを突き止めたピーターとニールは、次の一手を検討します。令状を取って正規に進めるべきか、別の方法を取るべきか、正規の手続きにこだわるピーターに対し、ニールが別のアプローチを切り出す場面に注目です。

Peter: A con.
(ペテンか。)

Neal: Nothing illegal, but if we…
(違法なことは何もないよ、ただ……)

Peter: All right.
(わかった。)

Neal: Just hear me out.
(とにかく、最後まで聞いてくれ。)

Peter: I saw what you did there. If it means bringing Larssen down, I’m in. Nothing illegal.
(今の言い方、わざとだろう。ラーセンを追い詰められるなら、俺も乗る。違法なことは無しだぞ。)

White Collar Season2 Episode10 (Burke’s Seven)

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シーン解説と心理考察

ニールが持ちかけた計画を、ピーターは一言「ペテンか」と即座に見抜きます。ニールは「違法なことは何もない」と前置きしながらも言葉を濁し、いったん様子を見せるピーターに対して「とにかく、最後まで聞いてくれ」と畳みかけます。

ピーターは「今の言い方、わざとだろう」とニールの話術を見抜きつつも、モジーを撃ったラーセンを追い詰められるならという条件付きで、「違法なことは無し」という一線を引いた上で計画に乗ることを決めます。正規の手続きを重んじるピーターが、それでもニールの奇策を受け入れていく判断の速さに、この2人の信頼関係の厚みが表れています。ニールの話術に一度は乗せられたと分かっていながら、それでも条件つきで受け入れる余地を残すあたりに、ピーターなりの柔軟さもうかがえます。

『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ

相手が話し始めたときに、途中で口を挟みたくなる気持ちをぐっと抑えて、最後の一言まで耳を傾け続ける場面を思い浮かべてみましょう。hear が「聞く」動作を担い、out が「最後まで出し切る」ことを表していて、話の途中で遮らず結論まで聞き届ける姿勢がそのまま伝わります。

劇中ではニールが、自分の突飛な計画をピーターに納得してもらうためにこの言葉を使っていました。反対されそうな話ほど最後まで聞いてほしいという場面で使う表現だと覚えておくと、印象に残りやすくなります。相手が眉をひそめた瞬間こそ、慌てず「まずは最後まで」と踏みとどまる場面をイメージすると、この表現の使いどころがつかみやすくなります。

例文で覚える「hear someone out」

日常の相談からビジネスの場面まで、hear someone out を、3つの例文で確認していきましょう。

I know this sounds crazy, but just hear me out.
(突拍子もなく聞こえるのは分かってる、でもとにかく最後まで聞いて。)
突飛な提案をする前に相手の理解を求める場面で使われます。前置きとして会話の冒頭に置きやすい言い方です。

Please hear me out before you say no.
(断る前に、どうか最後まで話を聞いてください。)
提案や交渉の場で相手に理解を求める、ややフォーマルな言い方です。ビジネスメールなどでも使いやすい表現です。

A: I don’t think this plan will work.
B: Just hear me out, okay? I have a good reason for it.
(A:この計画、うまくいかないと思うな。)
(B:とにかく最後まで聞いてよ。ちゃんと理由があるんだから。)
友人同士のやり取りで使えるカジュアルな会話です。反論されそうな流れを一度止める働きをしています。

あわせて覚えたい関連表現

let someone finish
(誰かに最後まで話させる)
hear someone out が内容を聞き入れるニュアンスを含むのに対し、let someone finish は単に話を遮らないという行為そのものに焦点がある表現です。

give someone a chance to explain
(誰かに説明する機会を与える)
hear someone out よりもフォーマルで、機会を与えるという行為そのものに焦点がある言い方です。

keep an open mind
(先入観を持たずに、柔軟な姿勢でいる)
hear someone out が聞くという行動を指すのに対し、keep an open mind は判断する側の心構え全般を指す、より広い表現です。

Note|hear と out の組み合わせが持つ「最後まで」のニュアンス

英語の句動詞には、動詞のあとに置かれる小さな副詞が「最後まで・出し切る」という意味を添えるパターンがいくつも存在します。hear someone out の out もそのひとつで、単に「聞く」だけでなく「聞き切る」という完了のニュアンスを動詞に加えています。

同じ働きをする out の例として、check something out(実際に確かめてみる)や figure something out(考え抜いて答えを出す)が挙げられます。これらに共通しているのは、out が「途中でやめずに、最後の結論までたどり着く」という方向性を示している点です。hear someone out の場合、この out があることで「話の途中で口を挟まず、結論まで聞き届ける」という積極的な姿勢が明確になります。out がなければ単に「聞く」という動作にとどまり、「聞き切る」という完了の意味合いは生まれません。

劇中でニールが放った Just hear me out. も、まさにこの「最後まで聞いてほしい」という切実な訴えでした。out という小さな一語が、その訴えの強さを支えていたと言えます。

同じ働きを持つ out の仲間には、think something out(じっくり考え抜く)や work something out(問題を解決する)などもあります。いずれも、動詞が表す動作を中途半端にせず、結論や解決までやり切るという方向性を out が担っている点で共通しています。hear someone out がただの「聞く」ではなく、判断を保留してでも最後までたどり着く姿勢を求める表現になっているのも、この共通の仕組みによるものです。

たった一語の副詞が、聞くという行為の重みを大きく変えている表現です。

まとめ|反論の前にワンクッション置く一言

hear someone out は、相手の言い分を最後まで聞き切ってほしいと伝える、交渉や議論の入り口に立つ表現です。hear の「聞く」と out の「最後まで」が組み合わさることで、単なる「聞く」以上の粘り強さが生まれています。

反対されそうな提案を切り出すときも、誤解を解きたいときも、この一言があれば相手にいったん立ち止まって耳を傾けてもらう時間を作れます。

正規の手続きを重んじるピーターが、ニールの話術を見抜きながらも計画に乗ることを決めた判断の速さは、信頼関係があってこそ成り立つやり取りだったと言えます。一度は疑いながらも最後まで話を受け止め、条件つきで背中を押す判断力に、この2人の付き合いの積み重ねが表れていました。

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