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シットコム『ヤングシェルドン』シーズン1第4話には、シェルドンがセラピストのもとにいる間、祖母ミーモーが兄ジョージーと双子の妹ミッシーと過ごす場面があります。きょうだいの不満を、ミーモーが軽口で別の角度から照らし直す会話です。
いつも後回しにされる気持ちをどう言い表し、どう受け止めるのか。不満の言い方、見方が変わる気づき、話を合わせる相づちの順に見ていきます。
「not about」と「always about」、注目の偏りを口にする
ミッシーが自分とジョージーのどちらが賢いかを尋ねたあと、ミーモーはこう返します。
Meemaw: It doesn’t matter. Tonight is not about Sheldon.
(どっちでもいいよ。今夜はシェルドンの話はなし。)Georgie: Yeah, right. Everything’s always about Sheldon.
(はいはい。何でもいつもシェルドンのことばっかりだろ。)Missy: Yeah. Most of the time, it’s like we don’t even exist.
(そうだよ。たいてい、私たちなんかいないみたいじゃん。)Meemaw: I guess Sheldon does get most of the attention. Maybe that’s a good thing.
(確かに、シェルドンばっかり注目されてるかもね。でも、それはいいことかもしれないよ。)Missy: How?
(なんで?)Young Sheldon Season1 Episode4(A Therapist, a Comic Book, and a Breakfast Sausage)
~ is not about … は「〜は…が中心ではない」という言い方で、ミーモーは今夜の主役を兄妹の側に置こうとしています。これに対してジョージーは Everything’s always about … と、「何もかもいつも…のこと」と言い返しました。about を軸にした同じ形で、一方は打ち消し、もう一方は不満を表しています。always と Everything が重なることで、例外がないほどの偏りだと強調する響きになります。
ジョージーの Yeah, right. は、字面は同意でも「どうだか」と相手の言葉を本気にしていない相づちです。ミッシーの it’s like we don’t even exist は、even を入れて「いないも同然」と不満を大げさに言う形で、事実を述べているわけではありません。
ミーモーはここで反論せず、does get most of the attention と do を添えて「確かに注目を集めている」と兄妹の言い分を認めました。そのうえで Maybe that’s a good thing. と、同じ事実を別の角度から見せています。
「I never thought about it that way」、見方が変わる瞬間
ミッシーの問いに、ミーモーはシェルドンがいるおかげで両親の小言が向かってこない、という趣旨の答えを返します。それを聞いたジョージーの反応から、会話は次のように続きます。
Georgie: Yeah. I guess I never thought about it that way before.
(そうか。そんなふうに考えたこと、なかったな。)Meemaw: You kidding me? Right now, they would be nagging you about cleaning your room and doing your homework. Instead, you’re sitting in a parking lot, eating a Blizzard for dinner.
(冗談でしょ? 今ごろなら、部屋を片づけろ、宿題をやれって、がみがみ言われてるところだよ。それが、駐車場に座って、夕飯にブリザードを食べてるんだから。)Young Sheldon Season1 Episode4(A Therapist, a Comic Book, and a Breakfast Sausage)
I never thought about it that way. は「そんなふうには考えたことがなかった」と、新しい見方に気づいたときの言い方です。that way が直前の相手の考え方を指し、before を添えると「今まで一度も」という感覚が加わります。I guess を前に置いているので、断定を和らげた素直な納得として響きます。直前まで不満を口にしていたジョージーが、ここで言い分を引っ込める点も見どころです。
ミーモーの You kidding me? は Are you kidding me? の are を省いた形で、「何言ってるの」と相手の言葉を受けて切り返す軽口です。nag ~ about … は「〜に…のことで小言を言う」という意味で、would be nagging と仮定の形にすることで、シェルドンがいなければ起きていたはずの光景を描いています。
- A: Working late isn’t so bad. The office is quiet.
(残業も悪くないよ。オフィスが静かだから。) - B: Huh. I never thought about it that way.
(へえ。そんなふうに考えたことなかった。)
「Oh. Yeah. Right.」で話を合わせる
会話の終わりに、ジョージーが母から聞いていた話を持ち出します。
Missy: With cookie dough in it.
(クッキー生地入りのね。)Meemaw: Exactly. While Sheldon is stuck sitting in some boring shrink’s office.
(そのとおり。シェルドンのほうは、退屈なセラピストの部屋で座りっぱなしなんだから。)Georgie: Mom told me they were taking him for a haircut.
(ママは、あいつを散髪に連れてくって言ってたけど。)Meemaw: Oh. Yeah. Right. Well, when he gets home, say his hair looks good.
(ああ。そう。そうだったね。じゃあ、帰ってきたら髪型いいねって言ってあげな。)Young Sheldon Season1 Episode4(A Therapist, a Comic Book, and a Breakfast Sausage)
Exactly. は「まさにそのとおり」と相手の付け足しに乗る一語の相づちです。be stuck ~ing は「〜したまま身動きが取れない」という形で、ミーモーは兄妹の自由な夜と対比させています。shrink はセラピストを指すくだけた語です。
ジョージーの言葉を受けたミーモーの Oh. Yeah. Right. は、短い語を三つ重ねて「ああ、そうだったね」と相手の話に合わせる相づちです。続けて say his hair looks good と、帰宅したシェルドンへの声のかけ方まで指示しています。ここでの say ~ は「〜と言ってあげて」という意味で、say (that) his hair looks good の that が省かれた形です。
ジョージーが聞いていた行き先と、ミーモーの話していた行き先は食い違っていました。ミーモーはそれを正すことなく短い相づちで受け、すぐに次の頼みごとへ話を進めます。Oh. Yeah. Right. の一語ずつの区切りは、思い出したように相手の話に合わせる調子を生んでいます。
- A: Mom said we’re eating out tonight.
(ママが今夜は外食だって言ってたよ。) - B: Oh. Yeah. Right. Then don’t eat too many snacks.
(ああ、そうだったね。じゃあ、おやつは食べすぎないで。)
まとめ|不満を受け止めて、見方を変える
Everything’s always about ~ で不満を言い、Maybe that’s a good thing. で見方を変え、I never thought about it that way. で気づきを返す。兄妹とミーモーの短い会話には、気持ちを言葉にして受け止め直す流れがそろっています。
同じ不満でも、ひと言の切り替えで景色が変わる様子を、この回の会話から味わえます。


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