海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
シットコム『ヤングシェルドン』シーズン1第10話では、9歳のシェルドンにダラスの学校へ通う話が持ち上がり、家族が賛成と反対に分かれて言葉を交わします。チャンスだと言う側と、まだ小さいと言う側が、場面ごとに立場を揺らしていくのが見どころです。
今回は、話し合いを求める言い方、賛成の理由を述べる言い方、迷いを打ち明ける言い方を、場面の順にたどります。
「Shouldn’t we talk about this first?」で話し合いを求める
ピーターセン校長の部屋で、母メアリーと父ジョージはシェルドンをダラスの学校に通わせる話を聞きます。メアリーはその場で断り、ジョージが待ったをかけました。
Mary: Look, we appreciate you going to bat for him, but he’s just a wee little thing. We can’t ship him off to Dallas.
(あの子のために力を尽くしてくださって感謝しています。でも、まだほんの小さな子なんです。ダラスに送り出すなんてできません。)George Sr.: Shouldn’t we talk about this first?
(まず話し合うべきじゃないか?)Mary: What’s there to talk about, George?
(何を話し合うっていうの、ジョージ?)George Sr.: This could be a great opportunity for Sheldon.
(シェルドンにはすごいチャンスかもしれないだろ。)Mary: He’s nine years old.
(あの子は9歳なのよ。)George Sr.: Oh, come on, you can’t measure him in Earth years.
(おいおい、あいつを地球の年で測っちゃだめだ。)Mary: You’re saying he’s an alien?
(あの子が宇宙人だって言うの?)Young Sheldon Season1 Episode10(An Eagle Feather, a String Bean, and an Eskimo)
Shouldn’t we talk about this first? は「まず話し合うべきじゃないか?」という否定疑問文です。Should we ~? と尋ねるより「そうするのが筋では」という含みが加わり、ひとりで結論を出した相手に待ったをかける働きをします。first は「決める前に」という順番を添える語です。
メアリーの What’s there to talk about? は「何を話し合うことがあるの?」という反語で、話し合う余地はないという返事です。これに対してジョージは This could be a great opportunity ~ と理由を示しました。could は「〜かもしれない」と可能性を控えめに示す助動詞で、断定を避けながら賛成の立場を伝えています。
続く you can’t measure him in Earth years は、年齢だけでは測れないという考えを、地球の年で数えるなという冗談めいた言い方で表したものです。メアリーが You’re saying he’s an alien? と返し、たとえがそのまま言葉の応酬になっていきます。
- A: Shouldn’t we talk about this first?
(先にこの件を話し合うべきじゃない?) - B: Sure. Let’s sit down after dinner.
(そうだね。夕食のあとで座って話そう。)
「a great opportunity」で賛成理由を伝え、「all well and good, but」で返す
別の場面では、メアリーの母ミーモーも加わって話が続きます。ミーモーが口にしたのも、校長の部屋でジョージが使ったのと同じ言葉でした。
Meemaw: All I am saying is that this would be a great opportunity for Sheldon.
(私が言いたいのはね、シェルドンにとってすごいチャンスだってことだけよ。)Mary: I know, you’re right.
(分かってる。母さんの言うとおりよ。)George Sr.: Whoa, she’s right? I said the same thing in Petersen’s office, you looked at me like I was an idiot. Yeah, that’s the look.
(おい、お義母さんは正しいって? ピーターセンの部屋で俺が同じことを言ったら、バカを見るような目で見たくせに。ああ、その目だよ。)Young Sheldon Season1 Episode10(An Eagle Feather, a String Bean, and an Eskimo)
All I am saying is that ~ は「私が言いたいのは〜ということだけ」と、主張を一点に絞って示す前置きです。all が「それ以上のことは言っていない」という響きを添え、押しつけがましさを和らげています。メアリーは I know, you’re right. と認め、同じことを言っても相手にされなかったジョージは I said the same thing と不満を口にしました。
Meemaw: Maybe y’all are being a little selfish about this.
(あんたたち、この件でちょっと自分勝手になってるんじゃない?)Mary: Selfish? We’re thinking of him.
(自分勝手? あの子のことを考えてるのよ。)Meemaw: Well, that’s all well and good, but maybe you should be thinking about the whole world.
(まあ、それはそれで結構だけど、世界全体のことを考えたほうがいいかもよ。)Young Sheldon Season1 Episode10(An Eagle Feather, a String Bean, and an Eskimo)
selfish は「自分勝手な」という意味で、a little を添えて角を少し落としています。that’s all well and good, but ~ は「それはそれで結構だけど」といったん認めてから、別の見方を差し出す返し方です。もっとも後の場面で、ミーモーはメアリーが反対していたから逆を言ったのだと打ち明けます。
- A: All I’m saying is that it’s worth a try.
(私が言いたいのは、試す価値はあるってことだけだよ。) - B: That’s all well and good, but who’s going to pay for it?
(それはそれで結構だけど、費用は誰が出すの?)
「I’m still not sure」で迷いを打ち明ける
ミーモーが「毎週金曜の夜には帰ってくる」と声をかけたあとも、メアリーは迷いを口にします。
Mary: I’m still not sure that this is the right thing to do.
(これが正しいことなのか、まだ分からないの。)Meemaw: Are you worried that he won’t like it or are you worried that he will?
(心配なのは、あの子が気に入らないこと? それとも気に入っちゃうこと?)Mary: You’re not helping.
(全然助けになってない。)Meemaw: That’s not my job. I think of myself as a speaker of truth.
(それは私の仕事じゃないもの。私は本当のことを言う係なの。)Mary: If you’re not gonna make me feel better, go away.
(気持ちを楽にしてくれないなら、あっち行って。)Meemaw: I’m sorry. You are stuck with me.
(悪いわね。私からは逃げられないわよ。)Young Sheldon Season1 Episode10(An Eagle Feather, a String Bean, and an Eskimo)
I’m still not sure that ~ は「〜なのか、まだ確信が持てない」という言い方で、still が「話が進んでも迷いが残っている」状態を示します。the right thing to do は「するべき正しいこと」を指す組み合わせで、決断の是非を問うときに添えられています。
ミーモーは Are you worried that A or are you worried that B? と、二つの心配を or で並べて問い返しました。気に入らないことが心配なのか、気に入ってしまうことが心配なのかという問いです。メアリーの You’re not helping. は「助けになってない」、ミーモーの You are stuck with me. は「私からは逃げられない」という軽口で、go away のあとで、二人とも笑っています。母と娘の掛け合いとして読める場面です。
さらに後の場面で、ジョージがシェルドンを迎えに行くと告げると、話はもう一度 opportunity に戻ってきます。
Mary: Where are you off to?
(どこに行くの?)George Sr.: I’m going to Dallas to get Sheldon.
(ダラスにシェルドンを迎えに行く。)Mary: Really?
(本当に?)George Sr.: Yeah, really.
(ああ、本当だ。)Meemaw: What about this being a great opportunity for him?
(あの子にとってすごいチャンスだって話はどうなったのよ?)— Y’all want me to go or not?
(行ってほしいのか、ほしくないのか?)Mary: Yes! Go!
(ええ! 行って!)Meemaw: Yes, and hurry up!
(そうよ、急いで!)Young Sheldon Season1 Episode10(An Eagle Feather, a String Bean, and an Eskimo)
What about ~? は「〜はどうなったの?」と、前に出た話を持ち出して問い返す言い方です。何度も出た a great opportunity が問い返しの材料として戻り、答えは Yes! Go! という短い命令文でした。
まとめ|賛否と迷いを伝える三つの言い方
Shouldn’t we ~? で話し合いを求め、All I am saying is that ~ と a great opportunity で賛成の理由を示し、I’m still not sure that ~ で迷いを打ち明ける。一つの決断をめぐって、家族それぞれの立場が言い回しに表れている回です。
次回も『ヤングシェルドン』の会話を観ながら、英語表現を一緒に拾っていきましょう。


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