海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『BONES』S02E08から、常識や事実に真っ向から対立する上級表現「fly in the face of」を深掘りしますね。
実際にそのシーンを見てみよう!
ジェファソニアン研究所で、被害者ビリーの遺体の損傷具合を分析するホッジンズたち。
公認の格闘技のルールと、実際の遺体が語る凄惨なダメージが全く噛み合わないことに気づく推理シーンです。
Hodgins: Completely sanctioned. They do wear some protective gear, which would fly in the face of our girl’s injuries, though.
(完全に公認の試合だ。防具も着用するから、被害者の女性の負傷状態とは真っ向から矛盾することになるけどね。)Booth: That is, unless it was underground.
(つまり、地下格闘技じゃなければの話だな。)
BONES Season2 Episode8 (The Woman in the Sand)
シーン解説と心理考察
「公認の格闘技なら防具をつけるはずだ。しかし、この遺体のボロボロの骨折具合はどうだ?」という、科学者ホッジンズの鋭い視点が光るシーンです。
データや物証を何よりも重んじる彼にとって、「ルール上の建前」と「目の前にある骨という動かぬ事実」が激しく衝突している状況は絶対に見過ごせません。
この明らかな矛盾を指摘されたことで、ブースも即座に「公式試合ではなく、ルール無用の地下格闘技だ」と真相にたどり着きます。
科学の客観性と、捜査官の直感が美しく交差する知的なやり取りですね。
フレーズの意味とニュアンス
fly in the face of
意味:〜に真っ向から反する、〜と完全に矛盾する、〜を公然と無視する
鳥や虫が「顔に向かって直接飛んでくる」という鬱陶しくも避けがたい状況から派生したイディオムです。
常識、予想、確立されたルールや忠告に対して、ある事象や行動が「露骨に、そして挑戦的に逆らっている」様子を表現します。
【ここがポイント!】
この表現の核心は「無視できないほどの明らかな対立と違和感」です。
単に「違っている(be different)」という静かな状態ではなく、信じられてきたセオリーや常識の顔面に向かって、事実や非常識な行動が猛スピードで突っ込んでくるような、非常にダイナミックで衝撃的なニュアンスを持っています。
相手の無茶な行動や、論理的な矛盾をピシャリと指摘する際に大活躍する表現ですよ。
実際に使ってみよう!
His decision to quit his stable job flies in the face of common sense.
(安定した仕事を辞めるという彼の決断は、常識に真っ向から反している。)
[解説] 誰もが驚くような突飛な行動や、世間のセオリーから大きく外れた決断を表現する際に最適です。
Eating three burgers flies in the face of his doctor’s advice.
(ハンバーガーを3つも食べるなんて、医者の忠告を完全に無視しているわ。)
[解説] 日常生活で「言われたことと全然違うじゃない!」と呆れるような場面でも使えます。忠告の顔面にジャンクフードが飛んでいくような、コミカルな矛盾を伝えられますよ。
The new data flies in the face of everything we believed.
(その新しいデータは、私たちが信じてきたすべてと完全に矛盾している。)
[解説] ビジネスや学術的な場で、これまでの定説を覆すような衝撃的な事実が発覚した時の驚きを表現できます。
『BONES』流・覚え方のコツ
ホッジンズの目の前にある「粉々に砕けた被害者の骨(事実)」に羽が生えて、「公認試合のルールブック」の顔面に向かって猛スピードで飛んでいき(fly in the face of)、バチーン!と激突して粉砕する映像をイメージしてみてください。
この「事実とルールの激しい物理的衝突」を思い浮かべれば、このフレーズが持つ強烈な矛盾のニュアンスが、英語のまま感覚として定着するはずですよ。
似た表現・関連表現
go against
(意味:〜に逆らう、〜に反する)
最も一般的な表現です。It goes against the rules.(それはルール違反だ)のように使いますが、fly in the face of が持つ「顔面にぶつかるような強烈な衝撃や挑戦的な態度」までは含まれない、フラットな表現です。
run counter to
(意味:〜に逆行する、〜に反する)
川の流れに逆らうように、方針や期待とは逆の方向へ進んでいくイメージです。fly in the face of よりも少し冷静で、ビジネス文書やニュースなどで好まれる知的な表現ですよ。
defy
(意味:〜に堂々と反抗する、〜を拒む)
権威や常識に対して、自らの意志で真っ向から立ち向かう強い姿勢を表す動詞です。defy common sense(常識を覆す)という形でよく使われ、意図的な反抗心が含まれる点が特徴ですね。
深掘り知識:顔面を狙う英語のイディオム
英語において「face(顔)」は、単なる身体の一部ではなく「その人のプライドや威厳、正面切っての対立」を象徴する重要なパーツです。
そのため、今回の fly in the face of のように、顔に何かをぶつける表現は「最大の侮辱や挑戦」を意味することがよくあります。
例えば、slap in the face(顔を平手打ちする=ひどい侮辱、裏切り)や、laugh in someone’s face(人の顔を見て笑う=面と向かってあざ笑う)などです。
日本語の「顔に泥を塗る」にも似ていますが、英語の方がより直接的で物理的な衝撃を伴う表現が多いのが面白いところですね。
ネイティブが「face」を使ったイディオムを口にする時は、そこに少なからず感情的な衝突や衝撃が含まれていることを意識してみましょう。
まとめ|常識を打ち破る、パンチの効いた上級表現
いかがでしたか?
今回は、強い矛盾や対立を表す「fly in the face of(真っ向から反する、完全に矛盾する)」を解説しました。
単なる「反対」を超えて、相手に「こんなにおかしいじゃないか!」と衝撃を与えられる、表現力豊かな上級フレーズです。
理不尽なルールや明らかな矛盾に出くわした時は、ぜひ知的にこのフレーズを使いこなしてみてくださいね。


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