海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は、あふれる情報や他人の意見に対する自分のスタンスを知的に表現できる大人のフレーズ、「put stock in」を深掘りしていきましょう。
情報社会を生きる私たちにとって、知っておくととても実用的な表現ですよ。
実際にそのシーンを見てみよう!
連続殺人犯エップスの心理状態について、ブースとブレナンが議論しているシーンです。
FBIのプロファイラーが提示した「エップスは母親に依存していた」という心理分析に対し、物理的な証拠のみを重んじるブレナンが持論を展開します。
Booth: His FBI profiler believes he was emotionally attached to her…
(FBIのプロファイラーは、彼が母親に感情的に依存していたと考えているんだ…)Brennan: But a lot of people have bad mothers and they don’t grow up to be serial killers, which is why I don’t put much stock in psychology.
(でも、ひどい母親を持っても連続殺人鬼にならない人はたくさんいるわ。だから私は心理学をあまり信用していないの。)Booth: Listen, Bones, I don’t care how you explain it, alright?
(聞いてくれボーンズ、君がどう説明しようと構わないんだ、いいか?)
BONES Season2 Episode12 (The Man in the Cell)
シーン解説と心理考察
FBIのプロファイリング(心理分析)を利用してエップスを追い詰めようとするブースに対し、ブレナンは「環境が必ずしも犯罪者を作るわけではない」と真っ向から反論します。
彼女は法人類学者として、推測が混じる心理学ではなく、目に見える絶対的な事実である「骨(物理的証拠)」にのみ価値を置いています。
その徹底した理系気質と、実証しきれない学問に対する冷ややかなスタンスが、「I don’t put much stock in psychology」というセリフに凝縮されていますね。
異なる価値観を持つ二人が、それぞれの専門分野から事件にアプローチしようとする、『BONES』ならではの知的な対立が光る会話です。
フレーズの意味とニュアンス
put stock in
意味:〜を信用する、〜に価値を置く、〜を重視する
「stock」には「株、株式」や「蓄え」という意味があります。
ある企業に将来性や価値があると感じればその「株を買う(投資する)」ように、ある考え方や情報に対して「価値を見出して投資する=信用を置く、重視する」という意味へと派生したイディオムです。
【ここがポイント!】
ネイティブはこのフレーズを、単に「信じる」という意味ではなく、「それに自分の時間や信頼を投資するだけの論理的な価値があるか」という冷静な判断基準として使います。
日常会話やビジネスシーンでは、ブレナンのように「not put much stock in(あまり信用していない、重きを置いていない)」と否定形にして、不確かな情報や意見をシャットアウトする際によく用いられます。
実際に使ってみよう!
ビジネスでの冷静な判断や、情報に対する大人のスタンスを示す例文をチェックしていきましょう。
I don’t put much stock in anonymous online reviews.
(匿名のネット上のレビューはあまり信用していません。)
根拠が曖昧な情報や噂話に対して、自分の価値基準をしっかり持って距離を置いていることを伝える定番の表現です。
The CEO puts a lot of stock in customer feedback when developing new products.
(CEOは新製品を開発する際、顧客からのフィードバックを非常に重視しています。)
肯定形で使うと、「〜を高く評価している、〜に重きを置いている」というビジネスの価値観や方針を、的確かつ論理的に伝えることができます。
It’s risky to put too much stock in his early promises.
(彼の初期の約束を信用しすぎるのは危険です。)
データや確証が十分に揃っていない段階で、安易に信頼(投資)してしまうことへの警鐘を鳴らす場面でも活躍します。
BONES流・覚え方のコツ
目に見えない心理学の分析に対して、ブレナンが「そんな不確かなものに自分の信頼を投資する(stockを買う)価値はないわ」とバッサリ切り捨てる冷徹な表情をイメージしてみましょう。
「stock=株=価値を見極めて投資するもの」という繋がりを頭に描くのがおすすめです。
「信用する」という日本語訳の裏にある、ネイティブ特有の「シビアで論理的な価値判断の感覚」がスッと腑に落ちるはずですよ。
似た表現・関連表現
trust
(〜を信頼する、信用する)
最も一般的な表現ですが、put stock in が「情報やデータへの価値判断」に重きを置くのに対し、trust は「その人や物事に対する人間的・感情的な信頼」というニュアンスが強くなります。
buy into
(〜を信じ込む、〜という考えを受け入れる)
ある特定の考え方や計画に賛同し、それを「買う(受け入れる)」という意味合いです。少し懐疑的なニュアンスを含み、「I don’t buy into that theory.(その理論は信じない)」と否定形でよく使われます。
take something with a grain of salt
(〜を話半分に聞く、鵜呑みにしない)
古代ローマの逸話から、「情報に少し疑いの塩を振りかけて受け取る=完全に信用しない」という意味を持つ有名なイディオムです。put stock in の否定形と非常に似た状況で使えます。
深掘り知識:ネイティブが使い分ける「trust」と「put stock in」の境界線
英語学習をしていると、「信じる」と言いたい時に trust や believe を使いがちですが、ネイティブは文脈によって「put stock in」と明確に使い分けています。
例えば、長年の友人に大事な仕事を任せる時は「I trust you.(あなたを信頼している)」と言いますよね。ここには感情的な絆や無条件の信用が含まれます。
しかし、新しいビジネスプランやネットのニュース記事に対しては、感情ではなく「論理的に投資する価値があるか」を計算します。
そのため、「I put a lot of stock in this plan.(この計画は非常に価値があると思う)」や「I don’t put much stock in that article.(あの記事は信用に足らない)」という表現を選びます。
「心で信じる(trust)」か、「頭で評価する(put stock in)」か。
この境界線を意識できるようになると、表現の説得力が格段にアップし、英語のニュースや洋書を読む際も筆者の意図をより深く汲み取れるようになりますよ。
まとめ|情報を見極める大人の英語表現
今回は『BONES』シーズン2第12話から、「put stock in」の意味と使い方をご紹介しました。
情報が溢れる現代だからこそ、「私はこれに重きを置く」「あの情報は信用に足らない」と自分のスタンスを英語で明確に示せるようになると、コミュニケーションの質が大きく変わります。
ぜひ日々の会話に取り入れて、論理的な表現力を磨いてみてくださいね。


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