「flag someone down」の意味と使い方|『メンタリスト』S03E18で学ぶ英会話

「flag someone down」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

夜道で車の脇に立った人が、こちらに向かって大きく手を振っている。故障だろうか、何かあったのだろうか。思わず速度をゆるめてしまいそうになる場面です。

そんなときに使われる「flag someone down」を、『メンタリスト』シーズン3第18話の序盤、遺体の搬送中に襲撃を受けた検死官スタイナーが、その経緯をCBIのオフィスで説明するシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「flag someone down」の意味とニュアンス

flag someone down
意味:手を振って合図し、車や人を停める

flag は名詞では旗ですが、動詞では人の注意を引くために目立つ合図を送ることを表します。flag down になると、その合図によって人や車両を止める、という意味になります。

この表現の中心にあるのは、合図して相手を止めるという行為です。路上でタクシーを捕まえる場面、通りかかった車に助けを求める場面、歩いている人を呼び止める場面のほか、警察官などが車両を止める文脈にも使われます。相手に選択権があることまでは語義に含まれません。

目的語の位置には注意が必要です。名詞が入るときは flag down a taxi と flag a taxi down のどちらも成立しますが、代名詞になると flag it down のように必ず間にはさみます。

なお、pull over は車を路肩へ寄せて止める動作や、その指示を表します。flag down は停止させるための合図に焦点があり、二つの表現の違いを「強制か任意か」だけで分けることはできません。

【ここがポイント!】

  • 目立つ合図を送り、人や車両を止めるのが中心義
  • 停めるのはタクシー・通行車・歩いている人など、動いている相手全般
  • 代名詞が目的語のときは flag it down の語順に固定されるのが使うときのコツ

『メンタリスト』S03E18のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

殺人現場から遺体を運んでいた検死局のバンが、道中で二人組に襲われ、遺体を奪われてしまいます。額に傷を負ったまま戻ってきた検死官スタイナーが、リズボンたちに襲撃の経緯を説明する場面です。故障車を装った手口が、まさにこの表現で語られます。

Steiner: The pickup was… pulled over. There were two men, apparently working on the engine. They flagged us down, for help, we thought, and then they pulled out guns.
(ピックアップトラックが路肩に停まっていた。二人の男がエンジンをいじっているようだった。彼らが手を振ってこちらを停めたんだ。助けを求めているのかと思ったよ。そうしたら銃を抜いた)

Lisbon: Can you describe them?
(人相は説明できますか)

Steiner: They were both white, a little under 6 feet, I think. I can’t really say much more. They wore hooded s– jackets and sunglasses.
(二人とも白人で、身長は6フィート弱だったと思う。それ以上はなんとも言えない。フードつきの上着とサングラスをつけていた)

The Mentalist Season3 Episode18(The Red Mile)

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シーン解説と心理考察

スタイナーは検死官として、事実を順に並べることに慣れた人物です。トラックの位置、男たちの人数、身長、服装と、報告は淡々と進みます。感情を交えずに状況を再現しようとする話し方から、この人物の職業的な習性が伝わってきます。

ただしその中に一箇所だけ、事実ではないものが混じります。for help, we thought(助けを求めているのかと思った)という挿入句です。当時そう判断した、という補足にすぎませんが、ここだけは自分の内側を語っています。善意で停まった結果が銃口だった、という順番を、彼自身がなぞり直しているように見える一言です。

この直後、スタイナーは遺体を守れなかったことを自分の失敗として口にします。彼にとって遺体は職責そのものであり、奪われたことは仕事を失うのに等しい。淡々とした報告口調の下に、その重さがすでに沈んでいるのが見どころです。

『メンタリスト』流・覚え方のコツ

路上でタクシーに向かって大きく手を挙げる光景を思い浮かべてください。旗そのものがなくても、相手の注意を引く目立つ合図を送る点が flag の働きです。

down のほうは、下に降ろす動きではありません。走行から減速、そして停止へ向かう流れが、この一語に収まっています。sit down や calm down と同じで、動いていたものが落ち着く方向を示す down です。

そして劇中の場面を重ねてみてください。夜道でボンネットを開けた男が腕を振り、検死局のバンが減速して停まる。あの数秒間が、この表現の意味そのものになっています。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「flag someone down」

対象が車でも人でも、合図して足を止めさせる場面なら幅広く使えます。3つの例文で、その広がりを見ていきましょう。

I couldn’t find a taxi stand, so I just flagged one down on the street.
(タクシー乗り場が見つからなかったので、通りで手を挙げて停めました)
旅行先での移動手段を人に説明する場面です。タクシーを捕まえる話題では最も出番の多い形で、そのまま使い回せます。

Our car broke down on the highway, and we had to flag down a passing truck.
(高速道路で車が故障して、通りかかったトラックを手を振って停めるしかなかった)
旅先のトラブルを後から報告する場面です。目的語が長くなるときは flag down + 名詞の語順が自然になります。

A: The shuttle doesn’t stop here automatically, right?
B: No. If you see it coming, just flag it down.
(A:シャトルってここでは自動では停まらないんですよね?)
(B:ええ。来るのが見えたら、手を振って停めてください)
送迎バスの乗り方を案内される場面です。代名詞が目的語になると flag it down の語順に固定される点が、会話の中で自然に確認できます。

あわせて覚えたい関連表現

hail a taxi
(タクシーを呼び止める)
声や手で呼びかけて注意を引く行為を指し、タクシーを捕まえる文脈では定型になっています。flag down が「走っているものを停める」動作に焦点があるのに対し、こちらは呼びかける側の行為に重心があります。

wave someone down
(手を振って停める)
flag down と近い意味で、手を振る動作を明示する言い方です。flag down は合図の方法を限定せず、wave down は手を振る動作に焦点を置きます。

pull someone over
(車を路肩に寄せさせる)
車を路肩へ寄せて止める動作や、その指示を表します。flag down が停止させる合図に焦点を置くのに対し、pull over は車の停止位置や動作に焦点を置きます。

Note|flag が動詞になるとき

flag は旗を意味する名詞ですが、この表現では動詞として使われています。ここで表されるのは旗という物そのものではなく、目立つ合図を送って注意を引く動作です。

実際の旗を振る場合だけでなく、手や身ぶりで同じ働きをする場合にも flag は使えます。そのため flag down a taxi では、旗を持っていなくても、運転手に見えるよう手を挙げて止める動作を表せます。

down は句動詞の一部として「合図して止める」というまとまりを作ります。個々の語から語源を推測するより、flag someone down を一つの動作として覚えるほうが、辞書の中心義から外れません。

劇中では、故障を装った男たちが検死局のバンへ合図を送り、停止させています。助けを求めるように見えたのは場面の事情であり、表現自体が相手の善意や任意の判断まで示すわけではありません。

「何で合図したか」よりも、「合図によって相手を止めたか」に焦点を置く表現です。

まとめ|検死官が語った、あの数秒間

「flag someone down」は、目立つ合図を送り、人や車両を止める表現です。相手が任意に応じることは語義の必須条件ではなく、警察などが停止させる文脈にも使えます。

タクシーを捕まえる、故障で助けを求める、廊下で同僚を呼び止める。停める相手が車であっても人であっても、この一語で足を止めてもらう場面が伝わります。旅先で使う機会がとくに多い表現です。

夜道で振られた腕と、減速して停まるバン。あの数秒間を思い出しながら、表現の引き出しに加えてみてください。

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