「pull the plug」の意味と使い方|『ホワイトカラー』S01E12で学ぶ英会話

「pull the plug」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

楽しみにしていた計画が、思いがけない鶴の一声で急に中止に追い込まれてしまう。そんな理不尽さを味わったことはないでしょうか。

そんな場面で使われるpull the plugを、『ホワイトカラー』シーズン1第12話の終盤、上司の一存でニールたちの作戦が打ち切られそうになる場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「pull the plug」の意味とニュアンス

pull the plug
意味:計画や活動を中止する、電源を切る

pull the plugは、文字通りには「コンセントを抜く」という動作を表しますが、日常会話では計画やプロジェクト、資金援助などを打ち切ることを指す比喩表現として使われます。機械の電源を物理的に落とす動作が、「それまで動いていた何かを止める」という意味へと自然に広がった言い回しです。主語には決定権を持つ立場の人物が立つことが多く、現場の意向とは関係なく一方的に下される判断というニュアンスを伴います。ビジネスの場面では、資金が尽きたプロジェクトの打ち切りや、うまくいかなくなった契約の解消を指して使われることが多く、上司や経営陣が現場の努力とは無関係に決断を下す、やや突き放した響きが漂います。医療の文脈で使われる場合は、延命治療の中止という重い意味合いを持つこともあり、使う場面によって温度感が変わる表現でもあります。

【ここがポイント!】

  • 核は「コンセントを抜く」動作から生まれた、物事を強制的に止めるイメージ
  • 決定権を持つ側が一方的に下す判断というニュアンスを帯びやすい表現
  • ビジネスの打ち切りから医療の重い決断まで、文脈で温度感が変わるのがコツ

『ホワイトカラー』S01E12のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

贋作のワインボトルを使ってライバルのケラーを追い詰める作戦を進めていたニールとモジーのもとに、FBI捜査官のピーターが思いがけない知らせを携えてやって来ます。上司ヒューズの判断で、オークション会場にボトルを持ち込む計画そのものが打ち切られそうになる場面です。

Peter: It’s Hughes. He pulled the plug.
(ヒューズだよ。奴が、この作戦を中止にしたんだ。)

White Collar Season1 Episode12 (Bottlenecked)

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シーン解説と心理考察

自ら手を尽くして進めてきた作戦が、現場を知らない上司の一存であっさりと打ち切られようとする瞬間の理不尽さが、この短いセリフに凝縮されています。ピーターの声には、決定を覆せなかった悔しさと、それでも組織の指示には従わざるを得ない立場のもどかしさがにじんでいます。「ヒューズだ」と名指しで告げる言い方には、自分の意思ではなくあくまで組織の決定であることを強調しようとする響きが感じられます。この一言を受けたニールが食い下がり、ケラーを取り逃がせば殺人の罪すら見逃すことになると訴える展開につながっていくことからも、ピーターの中で規則と現場の信念がせめぎ合っていた様子が伝わってきます。組織の論理と個人の正義感がぶつかり合う、緊張感の漂う場面です。

『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ

pull the plugを覚えるときは、動いている機械のコンセントを、誰かの手が無造作にすっと引き抜く場面をイメージしてみましょう。それまで元気に稼働していたものが、一瞬で静まり返る様子です。ヒューズの一存で作戦の電源が落とされてしまったように、現場の努力とは関係なく、上の判断ひとつで物事がぱたりと止まってしまう感覚とこの表現は重なります。コンセントを抜くという単純な動作のイメージを持っておくと、プロジェクトの打ち切りを告げる場面でも、資金援助の停止を伝える場面でも、迷わず手が伸びる表現になります。

例文で覚える「pull the plug」

pull the plugは、ビジネスの打ち切りから個人的な計画の中止まで、幅広い場面で使われる表現です。3つの例文でその使い方を見ていきましょう。

The company decided to pull the plug on the project after months of delays.
(数か月の遅れが続いた末に、会社はそのプロジェクトを打ち切ることを決めた。)
経営判断でプロジェクトが中止される、ビジネスの典型的な場面です。現場の努力とは関係なく決定が下される様子が伝わります。

I was so disappointed when they pulled the plug on the show after one season.
(たった1シーズンで番組が打ち切られたときは、本当にがっかりした。)
楽しみにしていたテレビ番組が終了してしまう、感情のこもった場面です。

A: Are we still doing the road trip this weekend?
B: No, I had to pull the plug on it. Something came up at work.
(A:今週末のドライブ旅行、まだやる?)
(B:いや、それは中止にしなきゃいけなくなった。仕事で急用ができて。)
個人的な予定を自分の判断で取りやめる、日常会話の場面です。

あわせて覚えたい関連表現

call it off
(それを中止する、取りやめる)
pull the plugが決定権を持つ側の一方的な判断というニュアンスを帯びやすいのに対し、こちらは中止の理由や立場を問わない、より中立的で幅広く使える表現です。

back out
(手を引く、約束を取り消す)
pull the plugが計画や活動そのものを止めることを指すのに対し、こちらは自分が関わっていた約束や取り決めから身を引くことに焦点があり、主語が自分自身の関与を降りる場面でよく使われます。

shut down
(閉鎖する、停止させる)
pull the plugが比喩的な打ち切りを表すのに対し、こちらは工場や店舗、システムなど、より具体的な対象が完全に稼働を止める場面で使われることが多い表現です。

Note|「pull the plug」が電源コードから飛び出した理由

ヒューズの一言で作戦が止められてしまうこの場面のpull the plugですが、この表現がどのように今の意味を獲得していったのかを振り返ると、電気製品にまつわる素朴な成り立ちが見えてきます。

pull the plugという言い回しは、文字通り電気製品のコンセント(プラグ)を壁の差込口から引き抜く動作を指す言葉として使われ始めたとされています。家電製品が普及し始めた20世紀初頭、動いている機械を止める最も手っ取り早い方法は、物理的にプラグを抜くことでした。この具体的な動作のイメージが、しだいに「それまで進行していた物事を強制的に止める」という比喩へと広がっていったと考えられています。とりわけ英語圏では、1970年代以降、延命治療を続けるかどうかが社会的な議論になった際に、人工呼吸器のプラグを抜くという行為と結びつけて語られる場面が増え、この表現の重みが一段と増したという指摘もあります。そこから、プロジェクトの中止や資金援助の打ち切りなど、ビジネスの場面にも意味が広がっていったとされています。

ピーターが口にした「ヒューズが中止にした」という一言も、まさにこの「動いているものを、外部の判断で強制的に止める」という原義そのものです。現場では順調に進んでいた作戦が、上の一存というスイッチひとつで静止してしまう様子は、コンセントを抜かれた機械のイメージとぴたりと重なります。

小さな動作から生まれた言葉に、思いがけない重みが宿っています。

まとめ|ヒューズの一言に立たされた、ピーターの葛藤

pull the plugは、動いている物事を外部の判断で強制的に止めることを表す表現です。ビジネスの現場でプロジェクトが打ち切られる場面から、個人的な計画を取りやめる日常会話まで、幅広く使える言い回しでもあります。もともとはコンセントを抜くという素朴な動作から生まれ、命に関わる重い決断にも使われるようになった成り立ちを知ると、上司の一存で作戦が止められる場面の重みも、より立体的に感じられてきます。誰かの判断ひとつで物事が止まってしまう理不尽さに直面したときには、この表現を会話のレパートリーに加えてみてください。

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