海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『BONES』シーズン1、第2話のSUV車内では、掛け合いが持ち味のブースとブレナンのやり取りの中で、任務への苛立ちを隠そうとするブースと、その本音をすぐに見抜いてしまうブレナンの応酬が描かれます。
「怒っていない」と口では言いながら、語気にはそれがにじみ出てしまう。そんな感情をそのまま口にしない場面で使われる英語表現を、この掛け合いから見ていきましょう。
繰り返される「I’m not angry」――怒りを否定するブース
車を運転しながら苛立ちを見せるブースに、ブレナンが指摘の言葉を投げかけると、ブースは否定を繰り返します。
Booth: I’m not angry.
(怒ってなんかいないぜ。)Brennan: Yeah, you’re furious.
(いいえ、完全に怒り心頭じゃない。)Booth: I’m not angry. Believe me, you do not want to see me angry. That’s the last thing you want to see.
(怒ってない。マジで言うが、俺が本気で怒った姿なんて誰も見たくないはずだ。それだけは絶対に見たくないもんだぜ。)BONES Season1 Episode2 (The Man in the SUV)
I’m not angryは文字通り「怒っていない」という否定文ですが、繰り返し使われることでかえって本人の苛立ちが浮かび上がってくるのが、このやり取りの面白いところです。英語の感情語には強さの段階があり、furiousはangryよりも強い怒りを表します。ブレナンはブースの言葉をそのまま受け取らず、より強い語を選んで切り返しており、このひとことだけで「その程度の否定では通用しない」という空気が伝わってきます。
the last thing you want to see(一番見たくないもの)は「絶対に避けたい事態」を表す口語表現で、強い忠告や警告のニュアンスを添えるときに使える言い回しです。ドラマの外でも、たとえば取引先へのメールで誤字を残したまま送ってしまうような場面を指して、a typo in a client email is the last thing you want to seeのように応用できます。
怒りを認めない代わりの言い方――This is me accepting reality
苛立ちを否定し続けたブースは、やがて話題を切り替え、こう言います。
Booth: This is me accepting reality.
(これが、俺なりの現実の受け止め方だよ。)BONES Season1 Episode2 (The Man in the SUV)
accept reality(現実を受け入れる)という表現を使うことで、ブースは感情そのものには触れないまま、状況への向き合い方だけを説明しています。怒りを認めない代わりに、行動の理由を説明するという、独特の切り抜け方です。感情の名前を口にせず、状況への対応だけを言葉にするこの型は、会話の中でしばしば見られるものでもあります。
エピソード終盤でも、ブースはNot angry. I’m not.と同じ否定を繰り返しており、この場面の空気が最後まで続いていることがうかがえます。冒頭の否定から終盤の否定まで、感情を認めない態度が一貫している点も、この掛け合いの見どころです。
怒りの強さと、それをかわす言い方を並べると、次のように整理できます。
| 表現 | ニュアンス |
|---|---|
| I’m not angry | 怒りをそのまま否定する言い方 |
| furious | angryよりも強い、激怒に近い怒り |
| accepting reality | 感情には触れず、状況だけを受け止める言い方 |
まとめ|「怒ってない」の奥にあるもの
I’m not angry、furious、the last thing you want to see、accepting realityと、怒りを否定しながらもにじみ出てしまう場面の英語表現を見てきました。
言葉では否定しながら、語気や行動ではそれが表れてしまう。そんな人間らしい矛盾も、BONESの掛け合いを観ながら味わえるところです。
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