「not」を重ねてやわらげる英語表現|『BONES』S02E05で学ぶ英会話

『BONES』コラム: 「not」を重ねてやわらげる英語表現|『BONES』S02E05で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『BONES』シーズン2、第5話「The Truth in the Lye」を取り上げます。今回はブースとブレナンの間に流れる気まずさと、それをやり過ごすために交わされる言い回しに焦点を当てます。テーマは、not を重ねることで否定をやわらげる英語表現です。

はっきり否定せず、少しぼかしながら本音を隠す。そんな会話のかわし方を、実際のセリフから見ていきましょう。

目次

it’s not like ~ で予防線を張る否定

シーズン開始早々、ブースは元恋人のリベッカと一夜を共にしてしまいます。その気まずさをやり過ごすために口にするのが、it’s not like ~ という言い回しです。

it’s not like ~ を直訳すると「〜のようではない」ですが、実際の会話では「〜だというわけではない」と、相手からの反論を先回りして否定する予防線として使われます。「悪いことをしているわけじゃない」と、自分にも相手にも言い聞かせるようなニュアンスが伝わってきます。

BOOTH: You know what? You’re right. But, I mean… it’s not like we’re doing anything wrong. I mean, you and Drew are-
(そうだよな、その通りだ。でも、その、別に悪いことをしてるわけじゃない。だって、お前とドリューは―)

BONES Season2 Episode5 (The Truth in the Lye)

同じ夜の会話では、ブースがもう一度 it’s not like ~ を使い、「こんなことは二度と起きない」と念を押す場面があります。似た構文を繰り返すことで、言葉を重ねながら自分を納得させようとしている様子が読み取れます。

not not / not that で否定を二重・三重に重ねる

研究所のエンジェレーター前でも、ふたりの様子がおかしいことにアンジェラが気づきます。「あなたたちが黙っているなんて珍しい」と指摘されたブレナンとブースが返すのが、not を二重・三重に重ねる否定です。

ANGELA: This is usually where I type and you talk. You two are never not talking.
(いつもならここで私がタイプして、あなたたちが話しているのに。ふたりが黙っているなんて、珍しいわね。)

BRENNAN: Well, we’re not not talking.
(別に、話していないわけじゃないわ。)

BOOTH: Or maybe we’re not not…not.
(というか、話していないわけじゃないわけじゃない…わけじゃない、かな。)

BONES Season2 Episode5 (The Truth in the Lye)

we’re not not talking は、not を二回重ねることで「話していないわけではない=話している」と遠回しに肯定する構文です。ブースがさらに not を足して we’re not not…not と続けるくだりは、否定を重ねすぎて意味が崩れていくコメディ要素になっています。

似た構造は、物語の後半でブレナンが口にする not that ~ にも表れています。it’s not a good time と切り出したあとに続ける Not that my powers of discernment have ever been particularly sharp… という一言は、「察しがいいわけではないが」と前置きしながら自分の見解を述べる、自己弁護的な否定の使い方です。

表現 直訳 実際のニュアンス
it’s not like ~ 〜のようではない 〜というわけではない(予防線)
not not ~ 〜しないわけではない 実質「している」と遠回しに肯定
not that ~ 〜というわけではないが 前置きしながら意見を述べる

いずれも直接的な言い切りを避け、not を重ねることで角を立てずに本音をぼかす働きをしていると言えます。

まとめ|否定を重ねて本音をぼかす英語

it’s not like ~、not not ~、not that ~ という3つの言い回しは、いずれも直接的な否定や主張を避けながら、遠回しに気持ちを伝える点で共通しています。はっきり言い切りたくない場面で、こうした言い回しが会話の緩衝材になっている様子が見どころです。

次回も『BONES』の会話から、英語表現の幅を広げていきましょう。

このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。


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