海外ドラマを使って英語表現を学ぶ「ドラマdeエイゴ」へようこそ。
『メンタリスト』シーズン1エピソード19では、映画の資金提供者が殺害された事件をきっかけに、CBIの捜査官たちがハリウッドの撮影現場に足を踏み入れます。今回は現場で交わされる「closed set」「take ten」「on page」という言い回しを手がかりに、撮影現場を支える仕組みと号令の英語を眺めていきます。
普段は目にすることのない現場だからこそ、そこで使われる言葉には独特の緊張感と手際の良さがにじみます。その言い回しに触れていきます。
「closed set」に見る、部外者を締め出す撮影現場のルール
殺害された資金提供者フェリックス・ハンソンについて監督ギャブリエル・ファニングに話を聞こうと、捜査官たちは撮影現場に向かいます。しかし現場に着くなり、撮影現場のスタッフたちの掛け合い(話者は特定されない)に行く手を阻まれます。
This is a closed set. What’s it mean?
(「ここはクローズドセットだ。それがどういう意味か分かるか?」)Closed set. I know what it means, but they’re from the CBI.
(「クローズドセットだ、意味くらい分かってる。でも彼らはCBIの人間だ。」)I don’t care if they’re from a faraway galaxy.
(「たとえ遠い銀河から来た連中だろうと知ったことじゃない。」)This is a closed set, okay? No gawkers, no fans.
(「ここはクローズドセットなんだ、いいか? 野次馬もファンも立ち入り禁止だ。」)The Mentalist Season1 Episode19 (A Dozen Red Roses)
closed set は、撮影中のセットを関係者以外立入禁止にする運用を指す言い回しです。作品や制作会社によって運用の細かさは異なりますが、俳優やスタッフが集中して撮影に臨めるように、部外者の出入りを制限する仕組みとして使われる場面が多い表現です。gawker は「じろじろ見る人、野次馬」を意味する語で、動詞 gawk(じろじろ見る)から来ています。CBIの人間だと告げても引き下がらないスタッフの様子から、closed set という言葉がどれほど強い拘束力を持って使われているかが伝わってきます。
同じ closed set という言葉が繰り返し使われている点も見どころです。相手が誰であれ同じ理由で押し通すその一本調子な言い方には、現場のルールを守ることを何より優先するスタッフの立場が表れています。
「on page」に見る、演出指導の号令の英語
現場では監督ギャブリエルが、俳優たちに向けて次々と指示を飛ばす様子も見られます。リハーサルの合間には take ten(10分ほど休憩を取ろう、という意味の号令)と声をかける場面もあり、これも撮影現場でよく使われる言い方のひとつです。撮影を前にした場面では、こんな言葉もかけています。
Gabriel: Listen, I was thinking before we roll, why don’t we just run through the whole thing from the top for fun, okay?
Don’t worry about being on page too much. Just use your instincts, and let’s see what happens, okay?
(「聞いてくれ、本番の前に思ったんだが、一度気楽に頭から通してみないか? 台本通りにやろうとしすぎなくていい。自分の勘を信じて、どうなるか見てみよう。」)The Mentalist Season1 Episode19 (A Dozen Red Roses)
run through 〜 from the top は「〜を頭から通す」という意味で、リハーサルの場面でよく使われる言い方です。on page は「台本に書かれている通りに」という意味の言い回しで、”don’t worry about being on page too much” は「台本通りにやろうとしすぎなくていい」、つまり脚本の言葉に縛られすぎず自分の演技を持ち込んでいい、という演出上のアドバイスになっています。instinct(直感、勘)という語とあわせて使われることで、俳優の自主性を引き出そうとする監督の姿勢が伝わってきます。
closed set、take ten、on page。撮影現場ならではのこうした号令や指示の言葉は、現場や作品ごとに細かな違いはあるものの、映画制作という共同作業を短い言葉で束ねていく仕組みとして興味深いものです。
まとめ|撮影現場を支える号令の英語
closed set、gawker、take ten、run through from the top、on page。撮影現場という特殊な空間で交わされるこれらの言葉を並べてみると、限られた時間の中で大勢のスタッフと俳優が動く現場を、号令ひとつで束ねていく仕組みが見えてきます。
撮影現場という非日常の空間で交わされる言葉づかいは、これからも『メンタリスト』を観る楽しみのひとつになっていきます。
同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、撮影現場の英語がより立体的に見えてきます。
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