海外ドラマを使って英語表現を学ぶ「ドラマdeエイゴ」へようこそ。
『メンタリスト』シーズン1エピソード19では、CBIの捜査官たちが殺害事件の捜査でハリウッドの撮影現場を訪れる場面が描かれます。監督のエージェントを名乗る人物が頑なに取材協力を拒む場面から、「he says jump, you jump」と「out of fear and avarice」という言い回しを起点に、力関係に振り回される心理を語る英語を読み解いていきます。
強い立場の相手に従い続けてしまう構図は、ドラマの中だけの話ではありません。その心理を言い当てる英語の言い回しに触れていきます。
「he says jump, you jump」に見る、服従を生む上下関係の英語
撮影現場を訪れたCBIの捜査官たちは、監督ギャブリエル・ファニングのエージェントを名乗るミッチ・カバノーに行く手を阻まれます。逮捕をちらつかせても引かないミッチに対し、ジェーンはその態度から、ミッチが大切なクライアントを失うことを何より恐れていると見抜き、こう切り出します。
Jane: I understand, Mitch. Gabriel’s one of your top clients. You can’t lose him.
(「わかるよ、ミッチ。ギャブリエルは君にとって大切なトップクライアントの一人だ。彼を失うわけにはいかないんだろう。」)Mitch: Right. No choice, whatever he says.
(「そうだ。彼が何を言おうと、従うしかない。」)Jane: He says “jump,” you jump. Bullied at school, were you?
(「彼が『飛べ』と言えば、君は飛ぶ。学校でいじめられていたんじゃないか?」)The Mentalist Season1 Episode19 (A Dozen Red Roses)
top client は「大口の顧客」「重要な取引先」を指すビジネス表現で、エージェント業のように相手あっての仕事では、この一語に力関係の重さがにじみます。no choice, whatever he says の whatever は「〜が何であれ」と譲歩を表し、相手の言い分を選ぶ余地なく受け入れる姿勢を短く言い切っています。
そして he says “jump,” you jump は、「相手が『飛べ』と言えば飛ぶ」、つまり命じられるままに従ってしまう関係を表す言い回しです。相手の言葉一つで即座に動いてしまう主従関係を端的に言い当てた表現といえます。続く “bullied at school, were you?” の were you? は、相手の反応を引き出すための問いかけで、ジェーンお得意のコールドリーディングの技法がここにも表れています。
「out of fear and avarice」に見る、恐れと欲得が生む英語
ミッチが「いじめられてなどいない」と否定すると、ジェーンはさらに踏み込み、恐れと欲得という言葉でその心理を言い当てます。
Jane: Sure you were. Even after all these years, you lie awake sometimes, thinking of all the ways that you could wreak revenge on your tormentors. And now out of fear and avarice, you let this man Fanning bully you the same way.
(「いや、いじめられていたはずだ。何年経った今でも、時々眠れずに、いじめてきた相手にどう仕返しできるか考えているだろう。そして今は、恐れと欲得のせいで、このファニングという男に同じようにいじめられるがままになっている。」)The Mentalist Season1 Episode19 (A Dozen Red Roses)
lie awake は「目が冴えて眠れないまま横になっている」状態を表す表現で、悩みや後悔が頭から離れない夜の情景を思わせます。wreak revenge on は「〜に仕返しをする」という意味の硬めの言い方で、tormentor(いじめてきた相手、苦しめる者)という語とあわせて使われることで、積年の恨みの重さを表しています。
そして本題の out of fear and avarice は、「恐れと強欲から」という意味の言い回しです。fear(恐れ)はそのまま理解しやすい語ですが、avarice(強欲、貪欲)はやや硬い響きを持つ語で、日常会話よりも人物評や文学的な文脈で使われることが多い単語です。ジェーンはこの一語で、ミッチがギャブリエルに従う理由を、単なる仕事上の義理ではなく、失うことへの恐れと得ることへの欲、その両方だと言い切っています。
投げやりに開き直るミッチの態度と、その場に居合わせた捜査官の反応からは、ジェーンの読み解きがどれほど的を射ていたかが伝わってきます。
まとめ|恐れと欲得が生む服従の英語
「he says jump, you jump」「out of fear and avarice」「wreak revenge on」「tormentor」。これらの言い回しを並べてみると、恐れや欲得によって相手に従い続けてしまう心理が、英語でどのように言い表されているかが見えてきます。力関係を語る語彙として、覚えておきたい表現です。
次回も『メンタリスト』の登場人物たちのやり取りを通して、英語表現を見ていきます。
このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。
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