海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン1 第7話で、ハワード抜きの3人が中華料理店を訪れ、いつもの注文を減らそうとしてウェイターに断られ続ける場面です。「4人前」を「3人前」にするだけの単純な話のはずが、思わぬ押し問答に発展します。
数の合わない注文を巡るやりとりから、アメリカの中華料理店ならではの注文文化を見ていきます。
「4人前」を崩せない注文と、繰り返される断り文句
ハワード抜きで中華料理店を訪れた、シェルドン、レナード、ラージの3人です。シェルドンは、いつもの注文が「4人前」を前提に組まれていることを説明します。
Sheldon: Let me walk you through it, our standard is, the steamed dumpling appetizer, General So’s chicken, beef with broccoli, shrimp with lobster sauce and vegetable lo-main. Do you see the problem?
(順を追って説明しよう。僕たちの標準的な注文は、蒸し餃子の前菜、ゼネラル・ソウズ・チキン、ブロッコリー入り牛肉、伊勢海老ソースのエビ、野菜ロー麺だ。問題が分かるか?)TBBT Season1 Episode7 (The Dumpling Paradox)
3人になった今、この「4人前セット」をどう減らすかで頭を悩ませる一同。レナードが「餃子を3人分にできないか」とウェイターに尋ねると、短い否定形が返ってきます。
Leonard: Can we get an order of dumplings, but with three instead of four.
(餃子を、4個じゃなくて3個の注文にできますか。)Waiter: No substitutions.
(変更はできません。)Leonard: This isn’t a substitution, it’s a reduction.
(これは変更じゃなくて、削減です。)Waiter: Okay, no reductions.
(分かりました、削減もできません。)TBBT Season1 Episode7 (The Dumpling Paradox)
No substitutions. No reductions. という、短い否定形をそのまま繰り返す言い方には、店側の方針を崩さない一貫した姿勢が表れています。レナードが言葉を言い換えて食い下がっても、ウェイターは同じ調子で断りを重ねていきます。このあとも、シェルドンが別の案を出すたびに、店側からは同様の断り文句が返ってくることになります。
アメリカの中華料理店に根付く、セットで注文する習慣
このシーンの背景には、アメリカの中華料理店、特にテイクアウトを中心とする店でよく見られる、品数を人数分そろえてシェアする注文スタイルがあります。前菜やメイン料理を複数種類注文し、食卓の中央に並べて、各自が取り分けて食べる形式です。中華料理店によっては、こうした組み合わせを「Family Meal」や「Combination Dinner」のような名称でメニュー化していることもあり、内容や呼び方、提供の仕方は店舗や地域によって差があります。
シェルドンたちが直面したのは、まさにこの「人数分をそろえる」という前提が崩れた時の混乱です。4人前を前提に組まれた注文は、1人欠けただけで品数のバランスが取れなくなり、単純に1品減らすだけでは済まなくなります。徹底して変更や削減を拒むウェイターの態度からは、こうした注文スタイルが店側にとっても崩したくない決まりごとであることが読み取れます。
品数をそろえて分け合うこの注文スタイルは、大皿を回して食べる中華料理そのものの食べ方とも重なるところがあります。1人分ずつ完結させる注文ではなく、テーブル全体で品数のバランスを取るという発想が、この夜の押し問答の根っこにあると言えます。
まとめ|4人前が崩れた夜に見えた、注文の決まりごと
No substitutions、No reductions。短い否定形の繰り返しから、人数分をきっちりそろえて注文するアメリカの中華料理店の文化が見えてきます。いつもの注文が崩れた時の慌てぶりも、シェアする食文化ならではの光景です。
次回も『ビッグバン★セオリー』の一場面を通して、英語圏の文化に触れていきましょう。
このエピソードで交わされる会話は、フレーズ記事やエピソードまとめでもあわせて紹介しています。
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