海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン1 第4話に登場する、シェルドンが職を失った場面をめぐる英語表現です。同じ「クビになった」という出来事でも、レナードへの報告での率直な言い方と、ペニーとの会話で見せる婉曲な言い回しには、はっきりとした温度差があります。
「解雇」を表す一言がどれだけ幅を持っているか、シェルドンの言葉の選び方から見ていきます。
「fired」——まっすぐな解雇の言い方
上司に呼び出された直後、シェルドンは開口一番、レナードにこう切り出します。
Sheldon: I can’t believe he fired me.
(彼が僕を解雇したなんて、信じられない。)TBBT Season1 Episode4 (The Luminous Fish Effect)
fired は「解雇された」を表す、もっとも直接的な動詞です。get fired という形でもよく使われ、事情を飾らずにそのまま述べる響きがあります。動揺がまだ抜けきらない状態で、シェルドンが婉曲な言い方を選ばず fired という一語をそのまま口にしているのが見どころです。
ところがこの直後の場面から、シェルドン自身の言葉選びは少しずつ変わっていきます。
「sabbatical」と「get canned」——同じ出来事、違う呼び方
翌日、買い出しに向かう車の中で、ペニーがシェルドンにこう尋ねます。
Penny: How come you didn’t go into work today.
(どうして今日は仕事に行かなかったの?)Sheldon: I’m taking a sabbatical, because I won’t kow-tow to mediocre minds.
(僕は長期休暇を取っているんだ。凡庸な頭脳にへつらうつもりはないからね。)Penny: So you got canned, huh?
(つまり、クビになったってことね?)Sheldon: Theoretical physicists do not get canned. But yeah.
(理論物理学者はクビになんてならない。……でも、まあそうだ。)TBBT Season1 Episode4 (The Luminous Fish Effect)
sabbatical は本来、大学教員などが研究のために取る正式な長期休暇を指す学術用語です。実質は解雇されているのに、シェルドンはこの言葉を持ち出して事態を格上げして語ろうとしています。対するペニーの got canned は、クビになったことをくだけた調子で表す口語表現です。同じ出来事を指しながら、片方は学術的な体裁を保とうとし、もう片方はあっさり本音を言い当てる、その落差が見どころです。最後にシェルドンが But yeah. とだけ付け加えて認めているところにも、本音がのぞきます。
| 表現 | ニュアンス |
|---|---|
| get fired | 解雇された(直接的) |
| take a sabbatical | 長期休暇を取る(本来は正式な学術用語、婉曲な言い換え) |
| get canned | クビになる(くだけた口語) |
「get your job back」——仕事を取り戻す定番表現
物語の終盤、母メアリーはシェルドンに向かって、仕事に戻るよう言い聞かせます。
Mrs Cooper: Because you’re going to go down to your office, you’re going to apologize to your boss, and get your job back.
(あなたはこれからオフィスに行って、上司に謝って、仕事を取り戻すのよ。)TBBT Season1 Episode4 (The Luminous Fish Effect)
get your job back は「(辞めた、あるいは失った)仕事を取り戻す」という意味の定番表現です。解雇された後の状況を語るときによく使われ、謝罪や交渉とセットで登場することの多い言い回しでもあります。母メアリーの短い一言の中に、謝罪と仕事復帰という二つの行動がまとめて詰め込まれている点も特徴的です。
まとめ|「クビ」にもいろいろな言い方がある
fired というまっすぐな一言から、sabbatical という格上げした言い換え、get canned というくだけた表現、そして get your job back という定番フレーズまで、同じ「解雇」という出来事にもさまざまな温度の言い方があることが分かります。状況をどう語るかで、相手に伝わる印象が変わってくる好例です。
次回も『ビッグバン★セオリー』のキャラクターたちと一緒に、言葉の選び方を追いかけていきましょう。
このエピソードで交わされる会話は、フレーズ記事やエピソードまとめでもあわせて紹介しています。
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