海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『ビッグバン★セオリー』シーズン3第10話「The Gorilla Experiment」は、レナードの仕事を理解したいペニーが、シェルドンに物理学の基礎をこっそり教わる回です。この回の英語の面白さは、物理を理解したいという好奇心と、理解されることを避けたい自尊心が、教える側と教わる側の立場を何度も入れ替えるところにあります。同じ回では、ハワードが新しい恋人バーナデットを仲間に紹介する場面から、レナードへの嫉妬をこじらせていく様子も並行して描かれ、学べる表現の幅を広げています。
あらすじ(ネタバレなし)
この回で描かれるのは、恋人レナードの仕事を理解しようと、ペニーがシェルドンに物理学のいろはをひそかに教わり始める顛末です。同時に、ハワードの新しい恋人バーナデットが友人の輪に加わり、食事の席や実験室でのやり取りをきっかけに、ハワードの態度がぎくしゃくしていく様子も描かれます。ここでは結末や核心の展開には触れず、基礎から教える手順、理解度の確認に関わる会話の場面を中心に整理します。『ビッグバン★セオリー』S03E10の英語は、研究記録を装った独り言と、友人同士の遠慮のないやり取りが交互に現れる点が特徴です。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. taken aback
面食らう、不意を突かれて驚く。
Sheldon: For example, I’m sure he’d be delightfully taken aback if you cleaned your apartment.
(例えば、君が部屋を片付けたら、彼はきっと嬉しい驚きで面食らうと思うよ。)
物理を教えてほしいと打ち明けたペニーに対し、シェルドンが労力のかからない代案を持ち出す場面です。「部屋を片付けるだけでも十分驚かれる」という遠回しな言い方には、面倒な頼み事を引き受けたくないシェルドンの本音がにじんでいます。
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2. a piece of work
厄介な奴、一筋縄ではいかない人物、たいした玉。
Howard: You really are a piece of work.
(お前は本当にとんでもない奴だな。)
レナードが自分の実験を見に来るようバーナデットを誘ったことを知り、ハワードが非難する場面です。プロムクイーンのペニーに続いて、装飾委員長のバーナデットまで手を出す気かという皮肉が込められており、身に覚えのないレナードは直後に「何の話だ」と困惑して聞き返しています。
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3. ignorance is bliss
知らぬが仏、無知は幸福。
Sheldon: Apparently, ignorance is bliss.
(どうやら、知らぬが仏のようだね。)
物理指導の第一回、研究記録を装った独り言でペニーの様子を実況するシェルドンが、彼女の呑気な表情を見て漏らす一言です。これから始まる授業の大変さを本人がまだ理解していないと、研究対象を観察するような口ぶりで評しているところに、教師役を楽しみ始めているシェルドンの一面が表れています。
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4. weird someone out
〜を気味悪がらせる、ドン引きさせる、落ち着かない気分にさせる。
Bernadette: He says if I go see his experiment tomorrow it might weird you out.
(彼が言うには、明日私が実験を見に行ったら、あなたが気味悪がるかもしれないって。)
ハワードが自分に何か言ったのではないかと勘ぐったバーナデットが、レナードから聞いた話を確認する場面です。レナードの実験を見に行くことがハワードを不快にさせるかもしれないと聞かされた、というこの一言をきっかけに、ハワードの嫉妬がバーナデットにも見え始めます。
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5. come off as
〜という印象を与える、〜のように見える。
Howard: I don’t know, something that doesn’t make me come off as a petty, jealous douche.
(さあな、器の小さい嫉妬深い嫌な奴に見えないような何かだよ。)
バーナデットとのベッドの中を邪魔された腹いせにレナードへ文句を言うハワードが、本音では気にしているはずの見え方をこう表現する場面です。狭量な嫉妬深い男に見えたくない、と口では言いながらも、その言い方自体が事態をさらにこじらせていることに本人は気づいていません。
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6. the more, the merrier
多ければ多いほど楽しい。
Leonard: The more, the merrier.
(多ければ多いほど楽しいよ。)
ハワードが新しい恋人バーナデットを夕食に誘ったと聞き、レナードが気さくに歓迎する一言です。深い意味のない社交辞令のはずが、直後にシェルドンが「多いことと楽しいことは同じではない」と屁理屈でかみつくきっかけになってしまいます。
7. street cred
(その筋での)信用・ハク。
Bernadette: I don’t have Howard’s street cred.
(私には、ハワードほどの信用がないの。)
初めて仲間たちに紹介されたバーナデットが、ハワード流のくだけた挨拶を真似するよう促され、やんわり断る場面です。仲間内の言葉遣いにまだ馴染めていない新参者らしい遠慮が、この一言に表れています。
8. lights up
(顔・表情が)ぱっと明るくなる。
Bernadette: Me neither, but he just lights up when I laugh.
(私もそうなんだけど、私が笑うと彼はぱっと表情が明るくなるの。)
ハワードの冗談を全然面白いと思わないと打ち明けたバーナデットに、ペニーが「それなら手放さないで」と返す場面です。面白くない冗談に笑う理由を、ハワード自身の反応の変化に求めるこの説明から、笑いの中身よりも相手の喜ぶ顔を優先するバーナデットの気配りが伝わります。
9. been meaning to
ずっと〜しようと思っていた。
Bernadette: I’ve been meaning to go over there.
(前からそこへ行こうと思っていたの。)
ペニーの靴をきっかけに、靴屋の話題で盛り上がるバーナデットの一言です。物理や研究とは無関係な、女性同士のたわいない会話が続くこの場面は、直後にハワードが「女性同士で話させてやれ」とシェルドンをたしなめる流れにつながっていきます。
10. play innocent
しらばっくれる/とぼける。
Howard: Don’t play innocent with me.
(僕の前でしらばっくれるなよ。)
実験室にバーナデットを誘った件で問い詰めても、レナードが本当に心当たりのない様子を見せたことに、ハワードがなおも食い下がる場面です。自分こそ実験器具を使って女性を口説く名人だと自負するハワードだけに、レナードの反応をとぼけているだけだと決めつけています。
このエピソードの英語学習ポイント
ペニーが物理を学ぼうとする場面では、質問する側と教える側の立場が変わります。シェルドンは専門語を正確に扱おうとしますが、ペニーはそれを自分の言葉へ置き換えようとします。
説明が難しくなるほど、相手に確認する短い表現が重要になります。理解したふりをするのか、分からないと伝えるのか、教える側の説明を止めるのかによって、同じ質問の響きが変わります。
専門語彙をすべて暗記する必要はありません。主語、動詞、比較や程度を示す短い語を先に拾い、ペニーの反応がどこで変わったかを追うと、説明の構造と人物の自尊心が同時に見えてきます。同じ回で並行して描かれるハワードの嫉妬の場面は、物理指導の場面とは対照的に、遠回しな言い方より直接的な非難が先に立つ会話が中心で、二つの筋を聞き比べると言葉の選び方の違いがよく分かります。
10個のフレーズは、物理指導の場面と、ハワードの嫉妬が絡む場面という二つの筋に分かれて登場します。taken abackからplay innocentまでを単語の一覧として扱わず、どちらの筋のどんな場面で出てきた一言かを思い出しながら並べ直してみてください。教わる側の素朴な好奇心と、教える側が時折見せる意地の張り合いが、同じ会話の中で立場を入れ替えながら現れる様子を追うと、句動詞ひとつが力関係のサインになっていることに気づきます。研究記録めいた独り言と、友人同士の遠慮のない非難とでは声の張り方がまるで違うので、その違いも合わせて聞き直すと理解が深まります。
キャラクター別|英語の特徴
バーナデット|新参者らしい遠慮と気配りで距離を詰める
引用の「Bernadette: He says if I go see his experiment tomorrow it might weird you out.」は、ハワードの態度がおかしいと感じたバーナデットが、レナードから聞いた話をそのまま確かめる一言です。仲間内のくだけた挨拶を勧められても「まだそこまでの信用はない」と遠慮する場面や、面白くない冗談にも笑うのはハワードの表情が明るくなるからだと説明する場面まで含めて見ると、新しく加わった輪の中で、相手の反応を確かめながら少しずつ距離を詰めていくバーナデットの話し方が見えてきます。
ハワード|身に覚えのない嫉妬を理屈で押し通す
引用の「Howard: You really are a piece of work.」は、レナードが自分の恋人を実験室に誘ったと勘違いしたハワードが、非難する一言です。身に覚えのないレナードが困惑しても「とぼけるな」と決めつけ、後になって自分の行動を「嫉妬深い男に見られたくないだけだ」と正当化しようとするなど、事実確認より先に理屈を積み上げて相手を追い詰める話し方が、この回のハワードには一貫して表れています。
シェルドン|面倒な頼み事を軽い皮肉でかわす
引用の「Sheldon: For example, I’m sure he’d be delightfully taken aback if you cleaned your apartment.」は、物理を教えてほしいと頼まれたシェルドンが、労力のかからない代案を持ち出す一言です。研究記録を装った独り言でペニーの様子を観察対象のように評する場面もあり、頼み事を正面から断るのではなく、皮肉や代案、記録めいた実況を挟むことで、自分のペースを保とうとする話し方が特徴です。
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