海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
理由はうまく言えないけれど、「なんかこれ、ちょっと気味が悪いな」と落ち着かない気分になること、ありますよね。
そんな「気味悪がらせる」「ドン引きさせる」を表す「weird someone out」を、シットコム『ビッグバン★セオリー』シーズン3第10話の中盤、バーナデットがハワードの本心を探ろうとする場面から、一緒に見ていきましょう。
「weird someone out」の意味とニュアンス
weird someone out
意味:〜を気味悪がらせる、ドン引きさせる、落ち着かない気分にさせる
weird someone out は、相手を「なんだか変で、居心地が悪い」気持ちにさせることを表す、くだけた口語表現です。「不快にさせる」というより、「ぞわっとする」「据わりが悪い」といった、もやっとした違和感を相手に引き起こす感覚です。
おもしろいのは、形容詞の weird(奇妙な)がそのまま動詞として使われている点。weird me out、weirds everyone out のように、between に someone を挟んで使います。It weirds me out that 〜 のように、that 節で「何が気味悪いのか」を続けることもできます。
かなりカジュアルな表現なので、フォーマルな場よりは、友人同士の会話や日常のひとことで活躍します。
【ここがポイント!】
- 形容詞 weird がそのまま動詞になった口語表現
- 「不快」より「ぞわっとする違和感」を相手に与える一言
- weird + 人 + out の語順で、人を真ん中に挟むのがコツ
『ビッグバン★セオリー』S03E10のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
レナードがバーナデットを実験の見学に誘った件で、ハワードがやきもちを焼いています。寝室でバーナデットが、レナードから聞いた話を引き合いに、ハワードの本心をそっと探ります。
Bernadette: He says if I go see his experiment tomorrow it might weird you out.
(明日彼の実験を見に行ったら、あなたが嫌な気持ちになるかもって、彼が言ってたの。)Howard: Really? He said that?
(本当? あいつがそんなことを?)Bernadette: You’re not jealous of Leonard, are you?
(レナードに妬いてるんじゃないでしょうね?)The Big Bang Theory Season3 Episode10(The Gorilla Experiment)
シーン解説と心理考察
バーナデットは、レナードの「見学するとハワードが落ち着かない気分になるかも」という言葉をそのまま引用し、それを足がかりにハワードの嫉妬を探ります。weird you out という相手の言葉を借りることで、自分が責めているのではなく、あくまで事実確認をしている体裁を保っているのが巧みなところです。
可愛らしい口調のまま核心に切り込むのは、バーナデットの得意技。ここでも穏やかに「妬いてるんじゃないでしょうね?」と尋ね、見栄っ張りなハワードを追い詰めていきます。このあとハワードが強がって空回りする展開への、静かな布石になっています。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
weird(奇妙な)に out を付けて、「相手を奇妙な気分の方へ押し出す」と捉えると、意味がすっとつながります。freak someone out(パニックにさせる)、creep someone out(ぞっとさせる)と同じ、「形容詞・動詞 + 人 + out」の仲間です。
バーナデットがレナードの言葉を借りて、ハワードの本心を突く場面と結びつけてみてください。「相手を居心地の悪い気分へと追い出す」イメージで覚えると、この表現がぐっと身近になります。
例文で覚える「weird someone out」
実際の会話でどう使うのか、3つの場面で見てみましょう。
That mannequin in the corner totally weirds me out.
(隅にあるあのマネキン、めちゃくちゃ気味が悪いんだけど。)
不気味なものを見たときの、ごく日常的な一言です。weird me out が最もよく使われる形です。
It weirded me out that he already knew my name.
(彼がもう私の名前を知っていて、ちょっとぞっとした。)
理由のはっきりしない不気味さを感じたときに使えます。It weirds 〜 out that … の形で、何が気味悪いのかを続けられます。
A: Why are you staring at me like that?
B: Sorry, didn’t mean to weird you out.
(A:なんでそんなふうにじっと見てるの?)
(B:ごめん、引かせるつもりはなかったんだ。)
自分の振る舞いが相手を落ち着かなくさせたと気づいて、フォローする会話例です。didn’t mean to を前に置くと、やわらかい謝りになります。
あわせて覚えたい関連表現
creep someone out
(〜をぞっとさせる、ゾワッとさせる)
creep out は「不気味・気味が悪い」に特化した表現です。weird out はもう少し広く、「変で落ち着かない」全般の違和感をカバーします。
freak someone out
(〜をパニックにさせる、動転させる)
freak out は驚きや動揺の度合いが強く、相手を取り乱させるイメージです。weird out はもっと軽い、じわっとした違和感に向いています。
put someone off
(〜を引かせる、嫌な気にさせる)
put off は「興味や好意をそぐ」方向の表現です。weird out が「不気味さ・違和感」を与えるのに対し、put off は「気持ちを冷めさせる」点で違いがあります。
Note|形容詞が動詞に変わる英語の身軽さ
weird someone out という言い回しを見て、「weird って形容詞では?」と引っかかった方もいるかもしれません。実はここに、英語ならではの身軽さがあらわれています。
weird out は、形容詞 weird から派生した、比較的新しい口語の動詞用法とされています。英語には、もともと形容詞や名詞だった語を、文法上の手続きなしにそのまま動詞として使ってしまう習性があり、これは英語学では「動詞化(verbing)」などと呼ばれます。たとえば、名詞だった google が「ググる」という動詞になったり、名詞の text が「メッセージを送る」という動詞になったりするのと同じ流れです。weird もこの波に乗って、「相手を weird な気分にさせる」という動詞へと転じ、そこに「外へ押し出す」感覚の out が付いて、weird someone out という句動詞ができあがったと考えられます。形容詞をいきなり動詞に仕立て、さらに前置詞副詞を添えて意味を微調整する——この柔軟さこそ、口語英語が次々と新しい表現を生み出していく原動力のひとつです。
劇中でバーナデットが使う weird you out も、辞書的にかしこまった表現ではなく、こうして日常から自然に生まれてきた、生活感のある一言です。
品詞の壁を軽々と越える——その身軽さが、英語の口語表現の面白さと言えます。
まとめ|バーナデットの探りから学ぶこと
weird someone out は、相手を「なんだか変で落ち着かない」気分にさせる、口語ならではの一言です。「不快」とまではいかない、もやっとした違和感を言い表すのに重宝します。
freak out や creep out といった仲間とあわせて押さえておくと、違和感の強さや種類に応じて、ぴったりの一言を選べるようになります。会話にぐっとリアルな手触りが加わります。
バーナデットがハワードにそっと探りを入れた場面を思い出しながら、weird someone out を表現の引き出しに加えてみてください。


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