海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は、会話の切り出しや重要なポイントを伝える時にネイティブが頻繁に使う、とても便利な前置きフレーズをご紹介します。
実際にそのシーンを見てみよう!
逃亡生活を送っていたブレナンの兄・ラスが、家族のために戻ってきたところを逮捕されてしまう切ない場面です。
移送される直前、彼を捕らえたブースが、ラスの目をまっすぐに見つめながら、家族を二度と裏切らないよう最後の強い忠告を与えます。
Booth: Okay here’s the thing, Russ. Alright? You run again? You disappoint that woman and her kids and you break your sister’s heart, I will-
(いいか、ここからが重要だ、ラス。わかったか?また逃げて、あの女性や子供たちを失望させ、妹の心を傷つけるような真似をしたら、俺は…)Russ: Do something, terrible. I got it.
(とんでもないことをする。わかってるよ。)Booth: Yeah, I hope you do. (to the marshals) All yours boys.
(ああ、わかってくれているといいが。あとは頼む。)
BONES Season3 Episode8 (The Knight on the Grid)
シーン解説と心理考察
厳しい言葉を投げかけるブースですが、これは単なるFBI捜査官としての脅しではなく、ブレナンやラスの家族を想うからこその不器用な優しさですね。
ラス自身に事の重大さを悟らせるため、あえて結論を言わずに言葉を濁しています。
ここで使われた今回のフレーズは、相手の意識を自分にグッと集中させるスイッチのような役割を果たしていますよ。
フレーズの意味とニュアンス
here’s the thing
意味:実はね、ここからが重要なんだけど、問題はね
直訳すると「ここにその物(事)がある」となります。
英語において「the thing」は単なる「物」だけでなく、「言葉にしなくてもお互いに認識すべき、あの重要な事柄」という抽象的かつ絶対的なニュアンスを持っています。
そのため、会話の中でポンと「the thing」を持ち出すことで、「今から一番言いたい本題を話すよ」と相手の注意を促すクッション言葉として機能するのです。
言いにくい事実を打ち明ける時や、意見を切り出す時など、日常からビジネスまで幅広く活躍します。
【ここがポイント!】
ネイティブが感じるコアイメージは「焦点の提示」です。
ごちゃごちゃした状況や前置きを一度リセットし、「要するにこういうことだ」と一つの確固たる事実を目の前に置くような勢いがあります。
ポジティブな内容にも使えますが、少しトーンを落として深刻さを伝えたり、相手に真剣に聞いてほしい時に使われることが多い表現ですね。
実際に使ってみよう!
I really want to go to the party, but here’s the thing. I have a huge project due tomorrow.
(本当にパーティーに行きたいんだけど、実はね。明日締め切りの大きなプロジェクトがあるんだ。)
断りを入れる際の定番フレーズです。フレーズの直後に一呼吸(ポーズ)置くことで、申し訳なさそうなニュアンスがよりリアルに伝わりますよ。
Here’s the thing. We don’t have enough budget to launch the campaign this month.
(ここからが重要なんですが。今月キャンペーンを打ち出すための十分な予算がありません。)
会議などで、直面している問題点や核心をズバッと指摘する際に使えます。少し重みのある響きになるので、参加者の視線を集めることができます。
I like this apartment. Here’s the thing, though. The rent is a bit too high for me.
(このアパート気に入ったよ。ただ問題があってね。家賃が私には少し高すぎるんだ。)
thoughを文末につけることで、「だけどね」という逆接のニュアンスを柔らかく伝えられます。日常会話でとても自然に聞こえるテクニックですね。
『BONES』流・覚え方のコツ
今回のブースのように、相手の目を真っ直ぐに見つめて「Okay, here’s the thing.」と真剣な表情で切り出す姿をイメージしてみてください。
手のひらを上に向けて、相手の前に目に見えない「重要な事実の箱(the thing)」を差し出すようなジェスチャーをつけると、より感覚が掴みやすくなりますよ。
似た表現・関連表現
The point is
(要するに、肝心な点は)
議論の結論や、一番主張したいポイントを端的に述べる表現です。今回のフレーズよりも論理的で客観的な響きがあり、ビジネスの場で好まれます。
To tell you the truth
(実を言うと、正直に言うと)
隠していたことや、本当の気持ちを打ち明ける時に使います。相手に歩み寄るような、少し個人的でプライベートなニュアンスが含まれます。
The catch is
(ただし問題があって、落とし穴は)
一見良さそうな話の裏にある、隠れた条件やデメリットを指摘するフレーズです。何かおいしい話を持ちかけられた時の返しとしてよく使われますね。
深掘り知識:会話の主導権を握る「クッション言葉」の魔法
英語は結論から話す言語だとよく言われますが、ネイティブもいきなり核心を突くのは角が立つと感じることがあります。
そんな時に大活躍するのが、今回のようなフレーズ(フィラーやディスコースマーカーとも呼ばれます)です。
これらを会話の冒頭に挟むことで、聞く側に心の準備をさせるだけでなく、話す側も次に言うべき言葉をまとめる数秒の猶予を得ることができます。
スムーズな英会話のテンポを作るためには、難しい単語を覚えるよりも、こうした「間を繋ぐ表現」を使いこなすことが、流暢さへの一番の近道だったりするんですよ。
まとめ|前置きフレーズで会話をスムーズに!
今回は相手の注意を惹きつける便利な前置き表現を深掘りしました。
映画やドラマを見ていると、驚くほど頻繁に登場することに気づくはずです。
次に誰かに大切なことを伝える時は、ぜひ少しもったいぶって使ってみてくださいね。
それでは、次回のドラマdeエイゴもお楽しみに!


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