海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン2 第10話に登場する、シェルドンが「ルームメイト協定」の条項発効を宣言する場面の英語表現です。レナードとステファニーの関係がなし崩しに同棲へと進んだのを受けて、シェルドンは就寝前のレナードを呼び止め、緊急会議を招集します。日常の一場面のはずが、まるで契約書を読み上げるような堅い言葉が次々と飛び出す様子を見ていきます。
条文番号を挙げて会議を招集する言い方から、条項が「発効する」までの流れを追っていきます。
条文番号を挙げて、仰々しく会議を招集する言い方
就寝前のアパートの部屋、シェルドンはレナードを呼び止め、ルームメイト協定を持ち出します。
Sheldon: Under Article One, Section Three of our Roommate Agreement, I’m calling an emergency meeting.
(我々のルームメイト協定第1条第3項に基づき、僕は緊急会議を招集する。)TBBT Season2 Episode10 (The Vartabedian Conundrum)
Under Article One, Section Three of our Roommate Agreement は、契約書の条文番号をそのまま読み上げるような切り出し方です。友人同士の会話に “Article” (条)や “Section” (項)といった法律文書の語彙を持ち込むことで、単なる相談ではなく正式な議事であるという体裁を整えています。
一連の形式張ったやりとりの締めくくりとして、シェルドンは条項の発効そのものを宣言します。
Sheldon: Now, to review the following provisions are hereby activated.
(では確認しよう、以下の条項がこれをもって発効する。)TBBT Season2 Episode10 (The Vartabedian Conundrum)
hereby は「これにより」「ここに」を意味する、契約書や宣誓書で使われる古めかしい正式表現です。日常会話では滅多に登場しない語を、ルームメイト同士の取り決めにわざわざ使うところに、この場面のおかしみがあります。activated も本来はシステムや機能の「起動」に使う語で、人間関係の変化を表すには不釣り合いなほど大げさな選び方と言えます。
「shall be deemed」「rider」に見る、定義文と追加条項の語彙
条項の中身として、シェルドンは同棲の定義そのものを持ち出します。
Sheldon: A girlfriend shall be deemed quote living with un-quote Leonard when she has stayed over for A, ten consecutive nights
(彼女はA、10泊連続で泊まった場合、レナードと「同棲している」とみなされる)TBBT Season2 Episode10 (The Vartabedian Conundrum)
shall be deemed は「〜とみなされるものとする」という、契約書の定義条項で使われる決まり文句です。カジュアルに言えば “counts as living together” で済む内容を、わざわざ場合分けした定義文の形にしているのが見どころです。この直前でシェルドンは、合意済みの「同棲」条項(rider)が2人の同棲を受けて発効したことにも触れています。rider は契約書本体に追加される特約条項を指す語で、ここでも法律文書の語彙が転用されています。
条項への同意手続きとして持ち出されるのが、頭文字でのサインです。
Sheldon: You initialed it. See? L.H., L.H., L.H.
(君はここにサインしている。ほら、見ろ。L.H.、L.H.、L.H.と。)Leonard: Wait, I only initialed it because I never thought it would happen! I initialed another clause naming you my sidekick in case I get superpowers.
(待ってくれ、そんなこと起こるはずがないと思ったから頭文字でサインしただけだ! 僕だって、もし超能力を手に入れたら君を相棒にするという条項に頭文字でサインしたぞ。)TBBT Season2 Episode10 (The Vartabedian Conundrum)
initial は動詞で「頭文字でサインする」という意味です。正式な契約書で各ページに署名代わりの頭文字を書き込む手続きが、ルームメイト同士の取り決めにそのまま持ち込まれています。反論しようとしたレナード自身も、別の条項に頭文字でサインしていたと切り返され、契約書ごっこから抜け出せない様子が伝わってきます。
まとめ|日常会話に紛れ込む、契約書調の語彙
Article、Section、hereby activated、shall be deemed、rider、initial。正式な契約書の語彙が、ルームメイト同士の取り決めという日常の場面に次々と持ち込まれる様子が印象的です。堅い言葉を大げさに使うことで、ちょっとした滑稽さが生まれる型と言えます。
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