海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン3 第2話に登場する、議論の白黒をつける場面の英語表現です。ウルヴァリンの設定をめぐる言い争いから、コオロギの正体をめぐる長い論争を経て、専門家の判定でようやく決着がつくまでの一連のやりとりが描かれています。理屈で押し通そうとするシェルドンと、それに食い下がるハワードの応酬が見どころです。
断定的な指摘から、潔く負けを認める一言まで見ていきます。
相手の間違いを指摘し、一部だけ認める言い方
コミックショップで、ハワードはシェルドンの雑学に真っ向から異議を唱えます。
Howard: Sheldon, you’re wrong. Wolverine was not born with bone claws.
(シェルドン、それは違うぞ。ウルヴァリンは骨の爪を持って生まれたわけじゃない。)Sheldon: Howard, you know me to be a very smart man. Don’t you think if I were wrong, I’d know it?
(ハワード、僕がとても賢い男だということは知っているだろう。もし僕が間違っているなら、自分で気づくと思わないか?)TBBT Season3 Episode2 (The Jiminy Conjecture)
you’re wrong は、遠回しな言い方をせず、相手の主張を真っ向から否定する断定的な指摘です。対するシェルドンの Don’t you think if I were wrong, I’d know it? は、否定疑問文の形を取りながら、実質的には「僕が間違っているはずがない」と言い切る反語の言い方です。相手に問いかける形を借りて、自分の自信を強調しています。
このやり取りの後、話題はコオロギの正体をめぐる論争に移ります。ハワードは前回の議論を持ち出しつつ、こう切り出します。
Howard: Okay, you were right about Wolverine and bone claws, but you’re wrong about the cricket.
(いいだろう、ウルヴァリンの骨の爪については君が正しかった。でもクリケットについては間違ってるぞ。)TBBT Season3 Episode2 (The Jiminy Conjecture)
you were right about ○○, but you’re wrong about ○○ は、一方の議論では相手の正しさを認めつつ、別の議論では自分の主張を譲らないという言い方です。全面的な白旗ではなく、部分的な譲歩にとどめて反撃の余地を残しているのが特徴です。
投げやりな相槌と、決着で潔く負けを認める言い方
コオロギの正体をめぐる論争はなかなか決着せず、ハワードは苛立ちを隠せなくなっていきます。
Howard: Yeah, fine, whatever. The point is, you’re wrong again.
(ああ、はいはい、何でもいいさ。要するに、また君が間違ってるってことだ。)Sheldon: We haven’t established that I’m wrong once.
(僕が一度でも間違っていたとは、まだ証明されていないぞ。)TBBT Season3 Episode2 (The Jiminy Conjecture)
Yeah, fine, whatever. は、これ以上議論するのが面倒になったときに漏れる、投げやりな相槌です。一方シェルドンの We haven’t established that … once. は、establish(証明する、確定させる)という単語を使って、まだ結論が出ていないと強気に切り返す言い方です。
結局、二人は昆虫学の専門家に判定を仰ぐことになります。専門家がコオロギの正体を言い当てた瞬間、シェルドンはこう応じます。
Sheldon: Well, apparently, I was wrong. Congratulations.
(なるほど、どうやら僕が間違っていたようだ。おめでとう。)TBBT Season3 Episode2 (The Jiminy Conjecture)
Well, apparently, I was wrong. は、apparently(どうやら)という一語を添えることで、感情を交えず淡々と負けを認める言い方です。続く Congratulations. は、勝った相手を短く称える一言で、皮肉のニュアンスを残しながらも、議論に決着をつける締めくくりとして機能しています。
まとめ|議論の決着にも、負けを認める一言にも型がある
you’re wrong、Don’t you think if I were wrong, I’d know it?、you were right about ○○, but you’re wrong about ○○、We haven’t established that … once.、Well, apparently, I was wrong. Congratulations.。指摘から反論、部分的な譲歩を経て決着に至るまでの一連の言い回しを見てきました。相手を言い負かす表現も、最後に潔く負けを認める一言も、実際の会話でそのまま使える型です。
次回も『ビッグバン★セオリー』の会話を通して、英語表現の型を見ていきましょう。
コオロギの正体をめぐる賭けの成り行きは、別のコラム記事でも取り上げています。


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