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『メンタリスト』シーズン2第19話は、殺害された検事補の自宅で現場検証が始まる回です。今回の記事では、なぜ警察官や判事、検事が被害者になった事件には特に力を入れて捜査するのか、という話題から始まる捜査官同士のやり取りに注目し、「not on my account」と「nothing wrong with」という言い回しから、仕返しをめぐる軽口の英語を読み解きます。
真面目な説明が軽口に変わっていく、その言葉の運びを見ていきます。
「it’s a deterrent」と「it’s revenge」―建前と本音の言い換え
現場検証にあたるリズボンとジェーンの間で、身内が被害者になった事件になぜ特に力を入れるのか、という話題が持ち上がります。リズボンはこう説明します。
Lisbon: We do. It’s a deterrent.
(「そうしてる。抑止力だからよ。」)The Mentalist Season2 Episode19 (Blood Money)
deterrentは「抑止力」という意味の名詞で、動詞deter(思いとどまらせる)から派生した語です。警官や判事、検事を手にかけても逃げられないというメッセージを送る、という理屈をリズボンは丁寧に説明します。ところがジェーンは、その説明をこう茶化します。
Jane: It’s not a deterrent. It’s revenge, really.
(「それは抑止力なんかじゃない。要は復讐だよ、実際のところ。」)The Mentalist Season2 Episode19 (Blood Money)
deterrent(抑止力)という理屈立った言葉と、revenge(復讐)というむき出しの本音を並べることで、建前と本音の言い換えが際立ちます。文末に添えられたreallyは「実際のところ」というニュアンスの強調で、遠回しな説明をあっさり切って捨てる響きを持たせています。理屈っぽい説明を軽口でひっくり返す、ジェーンらしい切り返しです。
「not on my account」と「nothing wrong with」―仕返しを肯定する軽口
リズボンの説明にジェーンが茶々を入れ、身近な例を挙げながら「復讐は生産的にもなり得る」と続けます。その場に居合わせたヴァン・ペルトが、次のように軽く受け流します。
Van Pelt: Not on my account. It’s fine.
(「別に私のことは気にしないで。大丈夫だから。」)The Mentalist Season2 Episode19 (Blood Money)
not on my accountは「私のことは気にせず」「私のせいで(遠慮/心配)しないで」という意味の言い回しです。on one’s accountは「~のために」「~のせいで」という意味の成句で、それをnotで打ち消すことで、相手の遠慮や配慮をやんわり断る一言になります。これを受けてジェーンは、話をこう締めくくります。
Jane: See? Fine. My point—there is nothing wrong with revenge.
(「ほら、大丈夫だってさ。俺が言いたいのは、復讐の何が悪いんだ、ってことだよ。」)The Mentalist Season2 Episode19 (Blood Money)
there is nothing wrong with ~は「~の何が悪いのか」「~は別に問題ない」と、ある行動や考え方を正面から擁護するときの定番構文です。there is nothing wrong with itのように単独でも使える形で、相手の非難や遠慮を退けて自分の立場を主張する場面で幅広く使われます。抑止力という建前から始まったやり取りが、最後は復讐を堂々と肯定する軽口に着地するところに、この場面ならではのユーモアがあります。
まとめ|建前を茶化し、軽く受け流す会話の呼吸
deterrentとrevengeの言い換え、not on my accountという控えめな断り、そしてnothing wrong withという開き直りの一言。三つの表現をたどると、真面目な説明が軽口に変わっていく会話の呼吸が見えてきます。
『メンタリスト』の捜査官同士のやり取りからは、こうした軽口の応酬もこれからも見えてきます。
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