海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『BONES -骨は語る-』シーズン12第1話では、かつてブレナンに指示される側だったザックが、同じ理路整然とした話し方のまま指示する側へ回る一方、ブレナンは新しい協力者との間で、自分がかつてザックに向けていたのと同じ師弟の言葉を繰り返します。立場の入れ替わりが、言葉づかいの型を通して見えてくる回です。
あらすじ(ネタバレなし)
『BONES -骨は語る-』シーズン12第1話は、前話でブレナンが何者かに連れ去られた直後から始まります。ブース、アンジェラ、ホッジンズら仲間たちが行方を追う中で浮かび上がるのは、かつて研究所で働いていたザック・アディの存在です。ブレナンは無事に発見されるものの、事件の背後にある人物の意図や、これまで続いてきた連続殺人事件との関わりについては、なお多くの謎が残されたままとなります。結末には触れませんが、『BONES -骨は語る-』S12E01は、最終シーズンの幕開けとして、過去の関係が現在の言葉づかいにどう影響するかを見せる回になっています。捜査の場面では専門用語が続き、人間関係の場面では短い口語が交わされるという構成そのものは変わりませんが、その両方に、かつての師弟関係の記憶が形を変えて混ざり込んでいる点が、このエピソードならではの読みどころです。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. the shoe is on the other foot
立場が逆転すること。
Zack: Today, the shoe is on the other foot.
(「今日は、立場が逆だ。」)
かつて指示される側だったザックが、今は自分が主導権を握っていることをブレナンに告げる場面。直前で「いつも自分に指示していた側の君に」と前置きしたうえでこの一言を添えており、立場の逆転を宣言する形になっている。
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2. don’t even go there
その話はやめること、そこには触れないこと。
Hodgins: Truth serum? Come on, Wendell, don’t even go there.
(「自白剤だって?おいおい、ウェンデル、その話はよせよ。」)
ザックの行動について疑いを深めかけたウェンデルを、ホッジンズがやんわり制止する場面。相手の推測をそれ以上具体的に否定せず、話題ごと押しとどめる言い方になっている。
3. to tell the truth
実を言うと、という前置き。
Dr. Roshan: To tell the truth, we don’t know how long he’s been coming and going.
(「実を言うと、彼がどれくらいの期間出入りしていたのか、私たちには分かっていません。」)
施設長ロシャン博士が、ザックの外出をどれほど把握できていなかったかを認める場面。認めたくない事実の前にto tell the truthを置くことで、正直さを強調する言い方になっている。
4. a fit of rage
怒りの発作、かっとなった状態。
Dr. Roshan: He threw himself into a fit of rage, and that’s when he self-injured.
(「彼は怒りの発作に襲われ、そのときに自分を傷つけてしまったのです。」)
ザックの心理状態の変化について、ロシャン博士が説明を続ける場面。fit of rageという表現は、感情の高まりを一時的な発作として捉える言い方になっている。
5. a necessary evil
必要悪。
Zack: The escape and kidnapping were necessary evils. I knew her life was in danger.
(「脱走と誘拐は必要悪だった。彼女の命が危険にさらされていると分かっていたんだ。」)
自身の行動を問い詰められたザックが、それが避けられない選択だったと主張する場面。necessary evilという矛盾を含んだ言葉を使うことで、悪いと分かっていて選んだという立場を表している。
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6. keep oneself abreast of
〜の最新情報を把握しておくこと。
Zack: But, yes, I’ve been keeping myself abreast of what they’ve been doing on a day-to-day basis.
(「ああ、認めるよ。彼らが日々何をしているか、ずっと把握し続けてきた。」)
施設を抜け出しては旧友たちの様子を監視していたことを、ザックが淡々と認める場面。Butで一度受け止めてからyesと認める語順に、隠していたことをあっさり明かす落ち着きが表れている。
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7. extra set of eyes
別の視点、もう一人分の目。
Brennan: Mr. Bray, i-if you would, I could use an extra set of eyes.
(「ブレイさん、もしよければ、もう一人分の目を貸してほしいの。」)
証拠の見落としを防ぐため、ブレナンが新しい協力者ブレイに検証への協力を頼む場面。if you wouldという控えめな依頼の形が、まだ関係の浅い相手への配慮を示している。
8. you’re breaking up
(電話などで)声が途切れていること。
Brennan: Booth, I can’t hear you. You’re breaking up.
(「ブース、聞こえない。声が途切れてる。」)
現場からブースに電話をかけたブレナンが、通話状態の悪さを伝える場面。危険を告げようとする相手の声より先に、通信の不具合という事実を報告する言い方になっている。
9. a slim chance
わずかな見込み。
Zack: The truth is, you only have a slim chance, less than one percent, that you will regain mobility.
(「実を言うと、可動性が戻る見込みは、わずか1パーセント未満しかない。」)
麻痺からの回復治療について、数値を添えて厳しい現実を伝える場面。感情を交えず割合という形で見込みを示す言い方に、この人物らしい距離の取り方が表れている。
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10. side by side
並んで、肩を並べて。
Karen: It’s been too long since we have worked side by side.
(「あなたと一緒に仕事をするのは、ずいぶん久しぶりね。」)
かつての同僚カレンが、久しぶりにブレナンと一緒に仕事ができることを喜ぶ場面。too longという言葉に、離れていた時間の長さへの感慨がにじんでいる。
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このエピソードの英語学習ポイント
この回では、ザックがブレナンに向かってToday, the shoe is on the other foot.と告げます。かつて指示される側だったという前提を自分から言葉にしたうえで、その関係が今は逆転していると宣言する言い方です。同じ場面のあとでも、But, yes, I’ve been keeping myself abreast of what they’ve been doing on a day-to-day basis.のように、監視という行為を認めるときの口調は変わらず落ち着いていて、権力の向きが変わっても話し方の型そのものは変わらないという一貫性が、この一連の発言に表れています。
一方、ブレナンは新しい協力者ブレイに対してMr. Bray, i-if you would, I could use an extra set of eyes.と依頼します。if you wouldという控えめな言い回しは、まだ関係の浅い相手への配慮を示すと同時に、かつて自分がザックに向けていたであろう指導者としての立場を、別の相手との間で改めて演じ直している構図にもなっています。
危険が迫る場面での言葉の選び方にも違いが表れます。ブースはListen, Bones, do me a favor. Just get out of the basement right now.と短い命令形で切迫感を伝えますが、電話の相手であるブレナンはBooth, I can’t hear you. You’re breaking up.と、危険そのものより先に通信状態の不具合を報告します。感情を先に出すか、状況の報告を先に出すか、という違いが、二人の話し方の対照をそのまま表しています。
この回で交わされる短いやり取りには、依頼の形をした文がいくつも登場します。ザックの申し出、ブレナンのブレイへの依頼、いずれも表面上は丁寧な形を取っていますが、誰が誰に対して発しているかによって、その依頼が持つ重みはまったく違って聞こえます。同じ構文でも、話す相手との力関係次第で響き方が変わるという点は、字幕だけでは追いにくい部分なので、音声とあわせて確認する価値があります。
音声で聞くときは、ザックの発言とブレナンの発言、どちらも似た調子の落ち着きを保っている点に注目してください。誰が指示する側で誰が指示される側かという関係が入れ替わっても、この回の登場人物たちがどんな口調でその関係を語るかを比べると、立場の変化は言葉の型にそのまま表れています。あわせて、ブースの短い命令形がどのタイミングで長い説明に変わるかも聞き分けてみてください。緊急度が高い場面ほど文が短くなるという傾向が、この回全体を貫いています。
キャラクター別|英語の特徴
ザック・アディ|同じ理路整然とした調子で立場の逆転を告げる
研究所を離れていた間も、ザックの話し方は以前と変わらず理路整然としています。かつての師にあたるブレナンへ向けた発言でも、感情を高ぶらせることなく、事実を述べるような調子を保ちます。
Zack: Today, the shoe is on the other foot.
(「今日は、立場が逆だ。」)
the shoe is on the other footという慣用句を使って関係の逆転を宣言する一方、監視行為を認める場面でも同じ落ち着きを崩しません。
Zack: But, yes, I’ve been keeping myself abreast of what they’ve been doing on a day-to-day basis.
(「ああ、認めるよ。彼らが日々何をしているか、ずっと把握し続けてきた。」)
Butでいったん受け止めてからyesと認める語順には、隠していた行動を悪びれずに明かす態度が表れています。同じ調子は、ホッジンズの治療結果を伝える場面でも続きます。
Zack: The truth is, you only have a slim chance, less than one percent, that you will regain mobility.
(「実を言うと、可動性が戻る見込みは、わずか1パーセント未満しかない。」)
権力の逆転を告げるときも、隠していた行動を認めるときも、厳しい数値を突きつけるときも、文の作り方が変わらないという一貫性が、この人物の話し方の核になっています。動詞や形容詞に感情の強弱を乗せず、事実を並べる順番だけで内容の重みを調整するという癖は、かつて研究員として鍛えられた語り口をそのまま持ち越したものだと考えると、この人物の変化と不変の両方が同時に見えてきます。
ブレナン|依頼と警告を同じ調子で処理する
新しい協力者ブレイに証拠の確認を頼む場面で、ブレナンはかつて自分がザックに向けていたのと同じ形の依頼を口にします。
Brennan: Mr. Bray, i-if you would, I could use an extra set of eyes.
(「ブレイさん、もしよければ、もう一人分の目を貸してほしいの。」)
if you wouldという控えめな言い回しは、まだ関係の浅い相手への配慮を示すと同時に、指導者としての立場を新しい相手との間で演じ直していることも表しています。電話の通信が不安定になった場面でも、この抑えた調子は変わりません。
Brennan: Booth, I can’t hear you. You’re breaking up.
(「ブース、聞こえない。声が途切れてる。」)
危険を知らせようとする相手の言葉より先に、通信状態という事実を報告する言い方には、感情より状況の把握を優先する話し方の癖が表れています。ブレイへの依頼とブースへの応答、この二つの場面に共通しているのは、相手が誰であっても状況を整理してから言葉にするという順序で、指導者としての立場だけでなく、この人物自身の思考の運び方そのものが表れている部分でもあります。
ブース|短い命令形に心配を込める
ブースの言葉には、ブレナンの身を案じるほどに装飾が消え、短い命令形だけが残るという傾向があります。
Booth: Listen, Bones, do me a favor. Just get out of the basement right now.
(「聞いてくれ、ボーンズ。頼むから、今すぐ地下室から出るんだ。」)
Just get out of the basement right now.という短い一文には、状況を説明する余裕よりも先に行動を促したいという焦りが表れています。相手の反応がかみ合わないと感じた場面でも、同じ直接的な言い方が続きます。
Booth: Will you listen to me for once?
(「一度くらい、俺の話を聞いてくれないか?」)
for onceという一語に、これまで何度も聞き入れてもらえなかったという積み重ねがにじんでおり、短い言葉の中に感情の蓄積が表れる話し方になっています。ザックやブレナンが状況を整理してから話すのに対し、ブースはまず相手を動かす言葉を先に出し、説明はそのあとに続ける傾向があります。同じ緊迫した場面を前にしても、情報を先に置くか、行動の要求を先に置くかという順番の違いに、三人それぞれの危機への向き合い方が表れています。


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