海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン5 第9話に登場する、「デートではない」という建前をめぐるやりとりです。ペニーに映画へ誘われたレナードが戸惑いつつ出かけることになり、二人の間で交わされる「これはデートではない」という宣言が、場面を変えながら繰り返されていく様子が描かれています。
きっぱりとした否定から、とっさに出てしまう同じ建前まで、順番に見ていきます。
誘いに戸惑いながら、きっぱりと否定される場面
ロビーで、ペニーは一人で映画を観に行くつもりだと話し、レナードを誘います。付き合っていた頃と違う今の関係に戸惑うレナードに対して、ペニーは間髪を入れずに返します。
Leonard: You know, we haven’t spent time alone together since we broke up.
(ほら、僕たち、別れてから二人きりで過ごしたことなかったよね。)Penny: Oh, it’s not a date, Leonard. It’s just a man and a woman hanging out.
(デートじゃないの、レナード。ただの男と女が一緒に過ごしてるだけよ。)Leonard: Sounds like most of my dates.
(それ、僕のデートのほとんどと同じ感じだけどな。)TBBT Season5 Episode9 (The Ornithophobia Diffusion)
it’s not a date は、関係性を短く定義し直す言い切り方です。ペニーはためらいを見せる隙を与えず、It’s just a man and a woman hanging out. という言い方でその場を仕切り直しています。続くレナードの Sounds like most of my dates. は、自分の恋愛経験をさりげなく卑下しながら切り返す一言で、深刻になりすぎない軽さが伝わってきます。
会計時にも、他人の前でも、繰り返される同じ建前
バーで映画の感想を語り合っていた二人は、レナードがフライドポテトを頼むところで軽く言い合いになります。ペニーが断ったはずなのに横から食べてしまうと指摘したうえで、レナードは改めて尋ねます。
Leonard: Exactly. But this is not a date. So I ask again, would you like anything?
(そのとおり。でもこれはデートじゃない。だからもう一度聞くけど、何か欲しい?)TBBT Season5 Episode9 (The Ornithophobia Diffusion)
this is not a date は、ロビーでのペニーの言葉をそのままなぞるように、レナード自身の口から繰り返される建前です。So I ask again という言い方で、一度断られた申し出をあらためて仕切り直している様子がうかがえます。
その後、隣に座っていた見知らぬ男性に「デートの邪魔をして悪いね」と声をかけられたペニーは、思わず早口で否定します。
Penny: Oh, no, no. This isn’t a date, no. Right?
(ううん、違う違う。これはデートじゃないの、うん。よね?)Leonard: Uh, right.
(あ、ああ、そうだね。)TBBT Season5 Episode9 (The Ornithophobia Diffusion)
This isn’t a date, no. Right? は、否定の言葉を重ねながら最後に Right? と相手の同意を求める言い方です。畳みかけるような no, no の繰り返しと、確認を求める尻上がりの一言に、建前がわずかに揺らいでいる気配が読み取れます。
まとめ|「デートじゃない」は、繰り返すほど輪郭が揺れていく
it’s not a date、Sounds like most of my dates.、this is not a date、This isn’t a date, no. Right?。関係性を定義し直す言い切りから、とっさに出てしまう同じ建前まで、場面を変えて繰り返される否定の言い方を見てきました。きっぱりした宣言ほど、繰り返されるうちに言葉の据わりが変わっていく様子が伝わってきます。
次回も『ビッグバン★セオリー』の会話とともに、英語表現の型を見ていきましょう。
同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語がより立体的に見えてきます。


コメント