海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『CHUCK』シーズン3 第1話に登場する、本音を打ち明ける切り出し方と、それを拒む言い方です。任務から外れることになったチャックがサラに本心を伝えようとする場面と、エピソードの終盤で改めて向き合う場面という、対になった二つの会話が描かれています。
同じ相手に向けた告白と、それに対する二通りの返し方を、順番に見ていきます。
儀礼的な別れの挨拶から、本音を打ち明ける切り出し方
モーガンが席を外したあと、サラはチャックにきちんとした別れの挨拶をしようと声をかけます。
Chuck: It’s been a pleasure working with you, Agent Walker.
(一緒に仕事ができて光栄でした、ウォーカー捜査官。)Sarah: You, too, Agent Bartowski.
(こちらこそ、バトウスキー捜査官。)CHUCK Season3 Episode1 (Chuck Versus the Pink Slip)
It’s been a pleasure working with you. は、仕事上の関係が終わる際に交わされる定型句です。ここでチャックとサラがあえて Agent Walker、Agent Bartowski と姓と役職で呼び合っているところに注目です。名前で呼び合ってきた二人が、最後だけよそよそしい業務上の呼び方に戻っているところに、距離を置こうとする空気が見えてきます。
しかしチャックはここで終わらせません。
Chuck: Please, Sarah, let me get this off my chest. Okay, at least I can live knowing that I told you everything about how I felt. You owe me that.
(お願いだ、サラ、これだけは言わせてほしい。せめて、自分の気持ちを全部伝えたって思って生きていきたいんだ。それくらいは聞いてくれてもいいだろ。)CHUCK Season3 Episode1 (Chuck Versus the Pink Slip)
let me get this off my chest は、胸の内にしまっていたことを打ち明けたいときの定番の切り出し方です。Please で下手に出ながらも、let me という許可を求める形で意志をはっきり通そうとしています。続く you owe me that は「それくらいの義理はあるはずだ」という主張で、下手に出る言い方から一転、応じる義務を求める強い一言に切り替わっているのが見どころです。
拒絶の言葉と、感情を抑える忠告の言い方
エピソードの終盤、チャックは改めてサラに向き合い、自分がスパイを志した理由を語ろうとします。話の途中でサラは静かにそれを止めます。
Sarah: Stop. I acted impulsively. And it’s a mistake I don’t usually make. And it won’t happen again.
(やめて。私は衝動的に動いてしまった。普段の私なら、しない過ちよ。二度と繰り返さない。)CHUCK Season3 Episode1 (Chuck Versus the Pink Slip)
acted impulsively は、後先を考えずに行動してしまったことを認める言い方です。サラはこの一言で自分の行動を事実として振り返り、続けて it’s a mistake I don’t usually make(普段の自分ならしない過ち)と付け加えることで、それが例外的な出来事だったと位置づけています。it won’t happen again(二度と繰り返さない)という短い言い切りで締めることで、これ以上の議論を受け付けない姿勢を示している一言です。
チャックがなおも食い下がろうとすると、サラはさらに一言を重ねます。
Sarah: You’re a spy now, Chuck. You have to keep your feelings to yourself.
(あなたはもうスパイなのよ、チャック。感情は自分の内側にしまっておかなきゃ。)CHUCK Season3 Episode1 (Chuck Versus the Pink Slip)
keep your feelings to yourself は、感情を表に出さず自分の内に留めておくことを求める忠告の言い方です。have to という強い義務の形を使うことで、単なる助言ではなく、立場上そうすべきだという言い方になっているのが特徴です。You’re a spy now という前置きが、この忠告の根拠を示しており、チャックの打ち明け話に対する答えが、感情ではなく立場に基づいた言葉で返されている場面と言えます。
まとめ|打ち明ける言い方と、拒む言い方
let me get this off my chestで胸の内を切り出す言い方から、acted impulsivelyやkeep your feelings to yourselfで距離を置く言い方まで見てきました。打ち明ける側と退ける側とで、選ばれる表現の温度がまるで違って見えてきます。
『CHUCK』の登場人物たちが交わす一言一言の温度差を、これからも味わっていきましょう。
同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語がより立体的に感じられます。
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