「on a moment’s notice」の意味と使い方|『ホワイトカラー』S03E13で学ぶ英会話

「on a moment's notice」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

呼び鈴が鳴った瞬間には、もう荷物をまとめて動き出せるくらいの身軽さを、当たり前のように保っている人が周りにいる、そんな場面があります。

そんな身軽さにぴったりの「on a moment’s notice」を、『ホワイトカラー』シーズン3第13話の後半、隣人の正体が明らかになったあと、エリザベスとモジーが対照的な反応を見せる場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「on a moment’s notice」の意味とニュアンス

on a moment’s notice
意味:ほとんど予告なしですぐに、いつでもすぐに

notice はここでは「事前の知らせ、予告」を意味し、moment’s notice で「一瞬の予告」、つまりほとんど予告なしという状態を表します。on a moment’s notice で「予告や準備の時間がほとんどなくても、すぐに対応できる」という即応性を強調する表現になります。準備そのものを否定するのではなく、準備にかけられる時間の短さに焦点が当たっている点が特徴です。

このドラマのシーンでは「Some of us are prepared to disappear on a moment’s notice」という形で使われており、所有物への執着のなさと、いつでも身軽に動ける態勢の両方が一言に込められています。

似た表現に at the drop of a hat がありますが、こちらは「ちょっとしたきっかけですぐに行動する」という即応性そのものに焦点があり、on a moment’s notice のような「予告時間の短さ」への着目とは、ややニュアンスが異なります。仕事の依頼や急な呼び出しなど、事前準備がほとんどできない状況を説明する場面で幅広く使われる表現です。日常会話でもビジネスの場面でも、そのまま自然に使える汎用性の高さも特徴です。

【ここがポイント!】

  • 「on a moment’s notice」の核は、予告や準備の時間がほとんどなくても動ける即応性
  • 急な予定変更や呼び出しにも対応できる態勢を説明するときに使われる表現
  • 身軽さや所有物への執着のなさを語る場面とも相性がいい

『ホワイトカラー』S03E13のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

隣人ベンとその相棒がホテルを狙った強盗事件を起こしたことが判明し、ピーターは電話でエリザベスに現場周辺の見張りを頼みます。通話を終えたあとのエリザベスとモジーのやり取りです。緊迫した知らせのあとにもかかわらず、家の中には落ち着いた空気が流れています。

Peter: I have squad cars en route, but I need you to keep an eye on the house.
(パトカーは向かわせてるが、君にはあの家を見張っててほしいんだ。)

Elizabeth: Yeah. Yeah, of course.
(ええ、もちろん。)

Elizabeth: So, should I get you some moving boxes?
(それで、あなたには引っ越し用の段ボールでも用意しておこうか?)

Mozzie: It’s just stuff surrounded by walls, El. Some of us are prepared to disappear on a moment’s notice.
(壁に囲まれた物ってだけさ、エル。僕らの一部はいつでもすぐに姿を消す用意ができてるんだ。)

Elizabeth: Well, not me. They’re not scaring me out of my home.
(私は違うわ。あんな連中に、自分の家を追われるつもりはないもの。)

White Collar Season3 Episode13 (Neighborhood Watch)

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シーン解説と心理考察

素直に見張りを引き受けたエリザベスは、電話を切った直後、隣にいるモジーに「引っ越し用の段ボールでも用意しておこうか」と軽口を叩きます。これは、この話の冒頭でモジーが披露していた独特の危機管理哲学を踏まえたからかいです。

モジーは動じることなく「壁に囲まれた物ってだけさ」と所有物への執着のなさを語り、「いつでもすぐに姿を消す用意ができてる」と自らの流儀を貫きます。一方のエリザベスは「私は違うわ」ときっぱり言い切り、危険な隣人のせいで自分の家を離れるつもりはないという意志を見せます。同じ状況を前にしながら対照的な価値観を持つ二人のテンポの良いやり取りが、この場面の見どころです。軽口から始まったやり取りが、それぞれの生き方の違いをさりげなく浮かび上がらせる展開にもなっています。

『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ

呼び鈴が鳴った瞬間に、すでに荷物をまとめて玄関を飛び出せる人をイメージしてみましょう。moment’s notice は「一瞬の予告」、つまり心の準備をする時間すらほとんどない状態を指し、そんな一瞬の合図だけで動き出せる即応性を表しています。

劇中でもモジーは、まさに”いつでも姿を消せる”覚悟を日常的に持っている人物として描かれていました。身軽さそのものを体現するキャラクターとセットで覚えておくと、記憶に残りやすくなります。玄関先で靴を履いたまま待機しているような、そんな身構えのイメージを添えておくと、フレーズの持つ緊張感まで思い出しやすくなります。

例文で覚える「on a moment’s notice」

on a moment’s notice は、予告や準備の時間がなくてもすぐ対応できることを表す表現です。日常・ビジネス・往復会話の3つの場面で見ていきましょう。

She can pack her bags and leave on a moment’s notice.
(彼女は荷物をまとめて、いつでもすぐに出発できる。)
いつでもすぐ行動できる身軽さを説明する、日常会話の場面です。

The team was ready to respond on a moment’s notice.
(チームはいつでもすぐに対応できる態勢だった。)
緊急時への備えをアピールする、ビジネスの場面です。組織としての即応力を語るときにも、この一言が役立ちます。

A: Sorry for the late notice, can you come in today?
B: No problem, I can be there on a moment’s notice.
(A:急な連絡でごめん、今日来られる?)
(B:大丈夫、いつでもすぐに行けるよ。)
急な依頼に応じる、往復会話形式の例文です。相手を気遣う一言に、軽やかに応じる余裕そのものが伝わってきます。

あわせて覚えたい関連表現

at the drop of a hat
(即座に、何のきっかけもなく)
on a moment’s notice が「予告時間の短さ」に焦点があるのに対し、at the drop of a hat は「ちょっとしたきっかけですぐに行動する」という即応性そのものを強調する、より軽やかな表現です。

out of the blue
(突然、予告なしに)
on a moment’s notice が「短い予告でも対応できる」準備側の視点なのに対し、out of the blue は出来事そのものが前触れなく起きることを表す、起きる側に焦点を当てた表現です。

on standby
(待機状態で)
on a moment’s notice が「すぐに動き出せる」行動の即応性を表すのに対し、on standby は「呼ばれるまで待機している」状態そのものを表す、より静的な表現です。

Note|いつでも動ける身軽さを備える、という発想

荷物を持たず、いつでもすぐに動ける身軽さを良しとする考え方は、危機管理や身の回りの備えという文脈でしばしば語られます。

非常時に最低限の荷物だけを持ってすぐ動けるよう備えておく、という発想は、いつ何が起きてもすぐ対応できるようにしておくという心構えとして広く知られており、特定の文化圏に限らず共通して見られる態度です。モジーの場合、その発想がさらに徹底していて、家や家財道具といった「壁に囲まれた物」への執着そのものを手放すという、身軽さを極端なまでに突き詰めた価値観として描かれています。いつでもすぐに動ける身軽さを保つことは、単なる用心深さを超えて、その人の生き方や価値観そのものを映す指標にもなり得ます。エリザベスが「私は違う」と言い切ったのも、家という場所への愛着を大切にする、また別の価値観の表れでした。

on a moment’s notice という表現は、まさにこの「いつでもすぐ動ける」身軽さを一言で伝える言い回しとして機能しています。準備や荷物の量ではなく、心構えそのものの軽さを語るときに、この一言はぴったりと当てはまります。

身軽であることと、根を張ることは、どちらも一つの生き方です。

まとめ|身軽さと、根を張ること

on a moment’s notice は、予告や準備の時間がなくてもすぐに対応できることを表す表現です。

急な予定変更や呼び出しに応じる場面はもちろん、いつでも動ける身軽さそのものを語る場面でも、この一言が活躍します。

所有物への執着を手放し、いつでも身軽でいようとするモジーと、家への愛着を貫くエリザベス、対照的な二人の姿には、身軽さと根を張ることのどちらもがひとつの生き方であることが示されていたと言えます。どちらの生き方にも、それぞれの理屈と覚悟がある様子が短いやり取りから伝わってきます。表現の引き出しに、この即応性を表す一言を加えてみてください。

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