海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『ホワイトカラー』シーズン3第13話では、自宅の無線受信機で物騒な会話を耳にしたエリザベスが、ピーターに疑心暗鬼だと思われながらも、新しく越してきた隣人夫婦の正体を独自に探り始めます。確信の持てない疑いを遠回しに扱っていた言い方が、隣人の正体が明らかになる過程で有無を言わさぬ言い切りへと変わっていく一方、捜査を手伝うニールの言葉づかいだけは最後まで婉曲であり続けるところに、この回ならではの面白さがあります。
あらすじ(ネタバレなし)
『ホワイトカラー』シーズン3第13話では、エリザベスが自宅の無線受信機で、何やら犯罪をほのめかす会話を偶然耳にする。ピーターに報告するものの、駆けつけた現場では何も起こらず、彼女はケラー事件の後遺症で疑心暗鬼になっていると思われてしまう。それでも納得できないエリザベスは、モジーやニールを巻き込んで、新しく越してきた隣人ベンとレベッカの身辺を独自に探り始める。夕食会に招かれて素性を探るうち、ベンの仕事や暮らしぶりに違和感を覚えたモジーとニールは、無線で拾った不穏な言葉の正体を少しずつたぐり寄せていく。強盗事件の一報を機に、エリザベスたちの疑いは思いがけない速さで現実の脅威へと変わっていく。『ホワイトカラー』S03E13のあらすじを追うときは、誰の言葉が疑いを軽く見せ、誰の言葉が疑いをまっすぐ言い切っているかに注目すると、この回特有の緊張感が見えてくる。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. be shaken up
動揺している、ショックからまだ立ち直れていないという意味です。
Peter: She’s still shaken up after what happened with Keller.
(彼女はケラーの一件があってから、まだ動揺が抜けていないんだ。)
無線で拾った物騒な会話を追いかけたのに現場では何も起きず、拍子抜けした空気の中でピーターがふと声のトーンを落として妻の心情に触れる場面です。まだ、という一語を挟むことで、事件そのものは過去のことでも心の乱れだけが長引いている状況を、茶化さずに言い添えています。
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2. declare war on
~を目の敵にする、~に対して断固反対の姿勢を取るという意味です。
Elizabeth: He’s declared war on raccoons.
(あの人はアライグマを目の敵にしていてね。)
新しい隣人宅を見張るために訪れたモジーに、エリザベスが近所の変わり者ロビーソン氏を紹介する場面です。大げさな言い回しに込められた軽い皮肉が、深刻な捜査の合間に漂う近所付き合いらしいのどかさを伝えています。
3. on the off chance
もしかしたらの可能性を考えて、念のためという意味です。
Elizabeth: On the off chance that I might be wrong, will you help?
(もし私の勘違いだったとしても、念のため力を貸してくれる?)
ピーターに疑心暗鬼だと思われることを恐れ、一人で抱え込もうとしていたエリザベスが、ニールに協力を頼む場面です。自分が間違っている可能性を先に認めておくことで、断られても角が立たない頼み方になっています。
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4. run-of-the-mill
ありふれた、平凡なという意味です。
Peter: Well, glad to know El’s paranoia is run-of-the-mill.
(それを聞いてほっとしたよ、エルの心配性もありふれたものらしいな。)
現場周辺の聞き込みが空振りに終わったあと、部下たちの家族にもよくある話だと知ったピーターが、妻の心配性をやんわりかばう場面です。自分の妻の名前を出して軽口にすることで、深刻に受け止めすぎない空気を作っています。
5. pay the bills
生活費を稼ぐ、生計を立てるという意味です。
Ben: Running rollers 14 hours a day is a grind, but it pays the bills for now.
(ローラーを一日14時間動かすのは骨が折れるけど、今のところそれで生活費は賄えてるよ。)
新しい隣人ベンとレベッカを招いた夕食会で、当てっこの末にベンが自分の仕事を明かす場面です。誇らしさではなく、生活が成り立っている事実だけを淡々と伝える言い方に、素性を探られている緊張は感じさせません。
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6. cry wolf
嘘の警告をする、空騒ぎするという意味です。
Neal: El wanted to make sure she wasn’t crying wolf.
(エルは自分が空騒ぎしてるわけじゃないって確かめたかったんですよ。)
無線傍受の顛末をピーターに問いただされたニールが、エリザベスを庇うように事情を説明する場面です。誰もが知る慣用句に置き換えて相手の行動を正当化する言い方に、ニールらしい弁の立ち方が表れています。
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7. make a go of it
(関係や事業などを)うまくやっていこうとするという意味です。
Ben: Rebecca and I are trying to make a go of it.
(レベッカと僕は、うまくやっていこうとしているところなんだ。)
皿を返しに訪ねてきたベンが、恋人レベッカとの関係には難しさもあると認めながら、それでも続けていこうとしていると打ち明ける場面です。断定を避けたtryingという言い方に、素性を隠す相手にしては不自然なほど率直な響きがあります。
8. let something slip
うっかり口を滑らせる、秘密を漏らすという意味です。
Neal: So maybe Ben will let something slip if he thinks I’m a criminal.
(だから、ベンは僕を犯罪者だと思えば、うっかり口を滑らせるかもしれない。)
隣人ベンの正体を探るため、自分を犯罪者だと思わせれば口が軽くなるはずだと、ニールが潜入作戦を提案する場面です。相手に本音を漏らさせるための搦め手を、仮定の話として軽く持ちかける組み立てになっています。
9. put down roots
根を下ろす、そこに落ち着いて生活基盤を築くという意味です。
Neal: He’s putting down roots.
(彼は根を下ろそうとしてるんだ。)
逃走した強盗犯たちの今後をピーターと推理する中、家を買った以上は簡単には逃げないはずだと、ニールが分析する場面です。断定的な言い切りに、それまでの遠回しな話し方とは違う手応えが表れています。
10. on a moment’s notice
ほとんど予告なしですぐに、いつでもすぐに、という意味です。
Mozzie: Some of us are prepared to disappear on a moment’s notice.
(私を含め、いつでも姿を消せるよう身構えている人間もいるものでね。)
強盗事件の一報を受けた電話を切った直後、モジーが自身の身軽な生き方をエリザベスに語る場面です。荷物をまとめる暇さえいらないという言い方に、家に執着しないモジーらしい距離の取り方が表れています。
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このエピソードの英語学習ポイント
エリザベスの疑いは、当初から周囲にやんわりと退けられます。聞き込みが空振りに終わったあと、ピーターは部下たちに「I appreciate the diligence, and so does Elizabeth.」と労をねぎらいますが、その直後には「Well, glad to know El’s paranoia is run-of-the-mill.」と続け、妻の心配性を部下の家族の笑い話と並べて片付けてしまいます。自分の妻の名前を出して軽口にすることで、深刻に受け止めすぎない空気を作りながら、run-of-the-millという一語で疑いそのものを特別視しないよう仕向けている点に、家庭内の空気を守ろうとするピーターらしい配慮が表れています。
疑う側に回ったエリザベス自身も、最初から強気だったわけではありません。「I don’t want him to see me as a victim.」というひと言には、心配されること自体を居心地悪く感じている本音がにじみます。だからこそニールに協力を頼む場面でも「On the off chance that I might be wrong, will you help?」と、自分が間違っている可能性を先に認める言い方を選び、断られても角が立たない頼み方にとどめています。被害者に見られたくないという動機と、念のためという控えめな頼み方は、同じ一つの心理から出た表と裏の関係にあります。
無線傍受の顛末をピーターに問いただされたニールも、率直に事実を述べるのではなく「El wanted to make sure she wasn’t crying wolf.」という慣用句を持ち出します。crying wolfという誰もが知る言い回しに置き換えることで、エリザベスの行動を個別の失敗としてではなく、誰にでもあり得る用心深さとして説明し直しているわけです。ここでもやはり、疑いそのものを正面から擁護するのではなく、言葉の選び方で受け止め方を和らげるという、遠回しな手続きが選ばれています。
ところが強盗事件が現実になり、エリザベスが尾行にまで踏み込んだ場面では、言葉づかいが一変します。ピーターに待つよう言われても、彼女は「And the only way I’m gonna feel safe is when Ben and Rebecca are behind bars.」と言い切り、安心できる条件を具体的な結果でしか語らなくなります。念のためという控えめな前置きは消え、疑いを疑いのまま扱う遠慮も消えている。台詞の変化を追いながら見ると、疑いが確信に変わる瞬間を、断定の強さそのもので確かめることができます。
キャラクター別|英語の特徴
ニール|遠回しな言い回しで切り抜ける
隣人宅の物置から鍵開け道具を取り出そうとした場面で、ニールは「I’m not breaking in. I’m reaching in.」とモジーに言い返します。breaking in(不法侵入)という直接的な言葉をreaching in(手を伸ばしているだけ)に置き換えるこの切り返しは、行為そのものは変えずに呼び方だけをずらす、ニールらしい発想の典型です。
同じ姿勢は捜査の場面にも及びます。隣人ベンの正体を探る作戦を思いついた際には、「Good. Then I show up at the parole office as a fellow ex-con struggling to stay on the straight and narrow.」と、自分を架空の元受刑者に仕立てる案を、まるで役柄の説明のように語ってみせます。危うい行為を軽い言い換えでかわす癖と、他人を欺く計画を役になりきって語る癖は根っこで同じ一つの技術であり、事実をそのまま述べず、いったん別の枠組みに置き換えてから差し出す手続きこそが、この回のニールの言葉の一貫した特徴です。
ピーター|捜査官の率直さを家庭にも持ち込む
「Drop your weapons, or I will put you down!」— 強盗犯を追い詰めた場面で、ピーターが突きつけるのは有無を言わさぬ命令形です。条件と結果を一文で結ぶこの組み立てには、迷いのない断定の強さが表れています。
同じ率直さは、危険を妻に伝える場面でも変わりません。「El, these guys unloaded on us with automatic weapons. They are not messing around.」というひと言には、事実を和らげずにそのまま伝える姿勢がうかがえます。容疑者への警告と妻への警告が同じ組み立ての文で語られている点は見過ごせません。相手が誰であっても危険の大きさを言葉の強さで水増しも値引きもしない、それがこの回のピーターの一貫した話し方です。
エリザベス|疑いを抱えながらも、他人任せにしない
疑心暗鬼だと思われることを恐れながらも、エリザベスは他人任せにしない姿勢を崩しません。ニールから夫の立場を頼ってはどうかと持ちかけられても、返す言葉は「Not until I know more.」というきっぱりとした一言でした。
強盗事件が現実になったあとは、この芯の強さがそのまま言葉の強さに変わります。モジーから家を離れてはどうかと水を向けられても、「They’re not scaring me out of my home.」と言い切り、脅されて自宅を明け渡すつもりはないと宣言します。誰かに任せることを拒む初期の姿勢と、脅しに屈しないという終盤の宣言は同じ一本の筋でつながっており、FBI捜査官の妻という立場に頼らず自分の言葉で状況に向き合い続けるところに、このキャラクターの一貫性が表れています。
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