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自分の過ちのせいで大切な人を危険に晒してしまったとき、償う機会さえあれば、と思う瞬間はありませんか。
そんな場面にぴったりの「make something right」を、『ホワイトカラー』シーズン2第4話の終盤、恋人を巻き込んでしまった男にピーターが協力を持ちかける尋問シーンから、一緒に見ていきましょう。
「make something right」の意味とニュアンス
make something right
意味:(過ちや状況を)正す、埋め合わせする
make something right は、make(〜にする)と right(正しい、まっすぐな)が組み合わさった表現で、間違ったことをしてしまった後に、それを修正したり償ったりする文脈で使われます。謝罪や埋め合わせの意志を示す際によく用いられる、実用性の高い言い回しです。
過去の過ちを謝罪して償う意志を伝えるときや、トラブルを解決するための対策を提示するときに登場します。something の部分を this や it に置き換えて make this right、make it right とすることも多く、会話の中では代名詞で簡潔に使われる場面がよく見られます。
似た表現の say sorry(謝る)が言葉での謝罪にとどまるのに対し、make something right には、謝罪の先にある具体的な行動、つまり「どう埋め合わせるか」までを含意する点が特徴です。言葉だけでなく、行動で示す姿勢を伝えたいときに選ばれる表現です。
【ここがポイント!】
- 「make something right」の核は、歪んだ状況を正しい状態に戻すイメージ
- 謝罪と行動の両方を含む、償いの意志を示す表現
- this や it に置き換えた make this right、make it right の形でよく使われる
『ホワイトカラー』S02E04のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ジーナの恋人でありながら、実は武器密売人ナバロから金を盗んでいたトミー(偽名サム)が、ついにピーターたちに拘束されます。金の出所を問い詰める静かな尋問から一転、恋人が置かれた危険な状況を突きつけたうえでの申し出に注目です。
Peter: We need to talk.
(話がある。)Tommy: All right.
(分かった。)Peter: Come on. How’d you get your hands on this money?
(来い。この金はどうやって手に入れた?)Tommy: A few nights ago, I did a drop at Sal’s. There were some briefcases.
(数日前、サルの店で受け渡しをしたんだ。ブリーフケースがいくつかあった。)Peter: Navarro has Gina. We don’t know where. He’s threatening to kill her. There’s a way to make this right.
(ナバロがジーナを捕らえている。居場所は分からない。彼女を殺すと脅している。だが、これを正す方法はある。)White Collar Season2 Episode4 (By the Book)
シーン解説と心理考察
ジーナの恋人でありながら、実はナバロから金を盗んでいたトミー(偽名サム)が、ついにピーターたちに拘束されます。「話がある」と静かに切り出すピーターの態度には、これまでの緊迫したやり取りとは違う、抑えた重みが感じられます。
トミーは金の出所について「サルの店で受け渡しをした際、ブリーフケースがあった」と、盗みを認める形で説明します。そこでピーターは「ナバロがジーナを人質に取り、殺すと脅している」という事実を突きつけたうえで、「だが、これを正す方法はある」とトミーに協力を持ちかけます。事務的な尋問から一転、恋人を危険に晒した過ちを償う機会を与える瞬間が印象的です。法執行官としての立場を保ちながらも、更生の糸口を差し出すピーターの姿勢がここに表れています。
トミー自身がこの瞬間まで、自分の窃盗がジーナの命を脅かす事態につながっているとは思いもよらなかった様子も、短いやり取りの中ににじんでいます。軽い気持ちで手を出した盗みが、大切な人を危険に晒す結果を招いたという皮肉が、この場面全体に重みを与えています。
『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ
傾いた額縁をまっすぐに直す動作を思い浮かべてみましょう。make(〜にする)と right(正しい、まっすぐな)という組み合わせそのままに、歪んでしまった状況や関係性を正しい状態に戻すイメージです。
劇中でも、恋人を危険に晒してしまったトミーに対して、ピーターが「これを正す方法はある」と機会を差し伸べる場面が、まさにこのフレーズの意味を体現しています。傾いた額縁が元通りまっすぐになる様子を思い浮かべながら覚えておくと、謝罪や償いの場面でとっさに使えるようになります。
額縁を直す動作は、力任せに引っ張るのではなく、少しずつ角度を調整しながら水平を見極める作業です。make something right という表現にも、勢いだけで解決しようとするのではなく、状況を見極めながら着実に修正していくという、落ち着いた響きが込められています。
例文で覚える「make something right」
謝罪の場面からビジネスの対応まで、make something right が使われる3つの場面を見ていきましょう。
I know I messed up, but I want to make this right.
(自分がやらかしたのは分かってる。でもこれを正したいんだ。)
過ちを謝罪し償う意志を伝える、最も典型的な使い方です。
The company offered a refund to make things right with the customer.
(会社は顧客との関係を正すために返金を申し出た。)
クレーム対応の場面で使われる、ビジネス寄りの言い回しです。謝罪の言葉に具体的な行動が伴っている点が特徴です。
A: If I hurt you, please let me know so I can make it right.
B: I appreciate that. Let’s talk about it later.
(A:もし君を傷つけてしまったなら、教えてほしい。正したいから。)
(B:ありがとう。それについては後で話そう。)
相手との関係を修復したいと伝える、落ち着いた会話です。
あわせて覚えたい関連表現
make amends
(埋め合わせをする、償いをする)
make something right が状況全般を正すニュアンスなのに対し、make amends は人間関係における謝罪・償いにより焦点を当てた表現です。
set things straight
(物事をはっきりさせる、誤解を解く)
make something right が過ちの是正・償いを表すのに対し、set things straight は誤解や混乱した状況を整理し明確にするニュアンスが強く出ます。
right a wrong
(不正・過ちを正す)
make something right よりもややフォーマルで文語的な響きがあり、より深刻な不正・不当な扱いを正すという文脈で使われることが多い表現です。社会的な不正義を語るニュース記事などでもよく見かける言い回しです。
Note|アメリカの企業文化に根づく「make it right」の精神
make it right という言い回しは、個人間の謝罪だけでなく、アメリカの企業のカスタマーサービス文化にも深く根づいた表現として使われています。
商品やサービスに問題があったとき、アメリカの多くの企業は「We’ll make it right.(必ず正しますので)」という言葉で顧客対応を約束します。返金、交換、追加サービスといった具体的な行動を伴うこの一言は、単なる謝罪の言葉以上に、問題解決への責任を引き受けるという姿勢を示すフレーズとして重宝されています。苦情処理のマニュアルや接客研修でも、make it right という表現がしばしば模範例として取り上げられるほど、定着した言い回しです。
劇中でピーターがトミーに向けて使った make this right も、この企業文化に通じる責任の引き受け方と重なります。過ちを裁くだけでなく、その先に「正す方法」を示すことで、相手に更生の機会を与えているという点が共通しています。
日本語の「誠意を見せる」という言い回しが、謝罪の姿勢そのものを重視するのに対し、make it right はあくまで結果として状況がどう改善されたかに重きを置く、より結果志向の考え方だと言えます。この違いは、謝罪の文化が国によって少しずつ異なることを映し出す好例でもあります。
謝罪の言葉だけで終わらせず、具体的な行動とセットで問題を解決する。make it right という表現には、そうした実務的な誠実さが込められています。
まとめ|過ちの先に差し伸べる一言
make something right は、間違ったことをしてしまった後に、それを修正したり償ったりする意志を示す表現です。傾いた額縁をまっすぐに直すイメージを覚えておけば、謝罪の場面でもビジネスの場面でも、自然に使いこなせます。
自分の過ちを謝罪して償いたいときも、トラブルの解決策を提示したいときも、この一言があれば会話の締めくくり方に迷わずに済みます。
恋人を危険に晒してしまったトミーに対し、裁くだけでなく更生の機会を差し伸べたピーターの姿には、法執行官としての厳しさと、人としての公正さが同時に表れていました。事務的な尋問の先に見えたこの一言が、場面全体の印象を静かに変えています。
過ちを認めたその先に、正す道が用意されている。そう伝えるだけで、緊迫した場面の空気が少しやわらぐ様子が見て取れます。


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