「raise flags」の意味と使い方|『ホワイトカラー』S02E05で学ぶ英会話

「raise flags」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

周囲に怪しまれないよう、あえて目立たない振る舞いを心がけた経験はありませんか。

そんな場面と表裏一体の「raise flags」を、『ホワイトカラー』シーズン2第5話の序盤、保険調査員のサラが持ち込んだ盗難債券の事件で、容疑者の人物像をピーターが語る場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「raise flags」の意味とニュアンス

raise flags
意味:疑いを招く、警戒信号を出す

raise flags は、raise(掲げる、上げる)と flags(複数の旗)を組み合わせた表現で、ある行動や事実が周囲に警戒心を抱かせてしまうことを表します。flag はもともと「旗」を意味し、旗を掲げて人に何かを知らせる合図として使われてきた歴史を持つ単語です。

この表現の面白いところは、多くの場合、旗を立てる本人ではなく、その行動を見た第三者の側に「警戒」という反応が生まれる点にあります。つまり raise flags は、行為者の意図とは無関係に、結果として疑いの目を向けられてしまう状況を描写する表現です。逆に「怪しまれないように」という文脈で使われることも多く、犯罪や不正の兆候を扱う場面と特に相性の良い言い回しになっています。似た意味を持つ raise a red flag という単数形の言い方もありますが、raise flags の方が日常会話やニュース記事で使われる頻度は高めです。特に without raising flags のように否定の形で使うと、「怪しまれずに済む」という安心のニュアンスをうまく表せます。

【ここがポイント!】

  • 「raise flags」の核は、本人の意図と無関係に周囲の警戒心を呼び起こしてしまうイメージ
  • 疑われる側だけでなく、疑われないように立ち回る場面でもよく使われる
  • 主語には人だけでなく行動・取引・書類なども置ける、応用範囲の広い一言

『ホワイトカラー』S02E05のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

保険調査員のサラが5年ぶりにピーターとニールの前に現れ、輸送中に強奪された1億ドル相当の日本の民間発行の無記名債券を巡る事件で手を組むことになった場面です。ニールが成功報酬について尋ねると、サラが事件の見立てを語り、ピーターが容疑者の人物像を補足することで、その肩書きがどう調査の壁になっているかが見えてきます。

Neal: And if you recover them?
(それで、もし回収できたら?)

Sara: 2%. The truck was hijacked in transport, and I think the bonds are somewhere here in New York.
(2%よ。運搬中のトラックがハイジャックされて、債券はこのニューヨークのどこかにあると思ってる。)

Peter: She believes Edgar Halbridge is involved. Big international real-estate guy. He can move them without raising flags.
(彼女は、エドガー・ハルブリッジが関与していると見ている。大手の国際的な不動産業者だ。奴なら怪しまれずに債券を動かせる。)

Sara: Yes, he can.
(ええ、できるでしょうね。)

White Collar Season2 Episode5 (Unfinished Business)

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シーン解説と心理考察

保険会社の調査員として現れたサラは、成功報酬に興味を示すニールに対して「2%」と即答し、盗難債券がまだニューヨーク市内にあるという自身の見立てを淡々と語ります。数字と場所を先に示すことで、感情論ではなく実務ベースで事件を捉える人物像が伝わってきます。5年という空白の期間を感じさせない、この開口一番のやり取りからも、サラが仕事に徹する姿勢を崩さない人物であることがうかがえます。

そこにピーターが割って入り、容疑者エドガー・ハルブリッジの情報を補足します。国際的な不動産業者という肩書きがあれば、資金や物品を動かしても周囲から不審の目を向けられにくい、という指摘です。表向きの信用がそのまま隠れ蓑になってしまう構図が、短い一言に凝縮されています。サラの「Yes, he can.」という簡潔な同意には、調査対象の手口をすでに見抜いている自信がにじみます。報酬への関心(ニール)、現場の見立て(サラ)、容疑者情報の補足(ピーター)という三者三様の役割分担が、テンポよく積み重なる場面です。

『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ

船や砦で、危険を知らせるために次々と旗が掲げられていく光景を思い浮かべてみましょう。raise(掲げる)+ flags(複数の旗)という組み合わせは、あちこちに警戒の合図が立っていくイメージにそのままつながります。複数形になっているのは、ひとつの出来事だけでなく、いくつもの小さな違和感が積み重なって疑いにつながる場合が多いからだと考えると覚えやすくなります。

劇中のハルブリッジのように、「表向きは怪しくない」肩書きを持つ人物ほど、旗を立てさせずに行動できてしまう、という皮肉な使われ方をしている点も印象的です。旗が立つかどうかは、その振る舞いが周囲にどう映るかで決まる。そんな視点を添えておくと、このフレーズの持つ独特の距離感がつかみやすくなります。

例文で覚える「raise flags」

日常のお金のやり取りから職場の様子まで、raise flags を3つの例文で確認していきましょう。

Making several large cash withdrawals in a short period can raise flags at the bank.
(短期間に何度も高額の現金を引き出すと、銀行で怪しまれることがある。)
銀行や会計の場面で不審に思われる行動を説明する例です。金融機関という、この表現が最も自然に登場する舞台のひとつです。

His sudden change in behavior raised flags among his coworkers.
(彼の突然の態度の変化は、同僚たちの間で不審に思われた。)
職場で誰かの様子がおかしいと気づく場面です。行動の変化そのものが警戒のきっかけになる典型例です。

A: Did the bank contact you about anything unusual?
B: Yeah, one of my transfers raised flags, so they put a temporary hold on it.
(A:銀行から何か変なことで連絡あった?)
(B:うん、送金のひとつが引っかかったみたいで、一時的に止められたよ。)
日常会話の中で、自分の取引が疑われた経緯を説明する場面です。

あわせて覚えたい関連表現

arouse suspicion
(疑いを引き起こす)
raise flags とほぼ同じ場面で使える表現ですが、こちらは「疑念そのものを生じさせる」という結果に焦点があり、raise flags よりもやや硬い響きを持ちます。

something feels off
(何かがおかしい、違和感がある)
raise flags が具体的な行動や事実を主語にするのに対し、こちらは状況全体に対する漠然とした違和感を表すカジュアルな言い回しです。

put someone on alert
(誰かを警戒態勢にさせる)
raise flags が「結果として警戒される」という受動的な状況を描くのに対し、put someone on alert は誰かが意図的に相手を警戒させる、より能動的な表現です。

状況に応じてこれらの表現を使い分けられると、「怪しまれる」というニュアンスの微妙な違いを的確に伝えられるようになります。

Note|「怪しまれる」を表す英語表現の温度差

「怪しまれる」を表す英語表現には、raise flags のほかにも arouse suspicion、something feels off、put someone on alert などいくつもの選択肢があり、どれを選ぶかで文の視点がかなり変わってきます。

raise flags は、行動や事実そのものが主語になり、それを見た第三者の側に警戒心が芽生えるという構図を持つのが特徴です。一方 arouse suspicion は、より直接的に「疑念を引き起こす」という結果を述べる硬めの表現で、報告書やニュース記事などフォーマルな文脈にもなじみます。something feels off はさらに主観的で、具体的な根拠がなくても「なんとなく引っかかる」という感覚だけを伝えられる、日常会話向きの言い回しです。put someone on alert になると、今度は警戒させる側が能動的に動く構図に変わり、raise flags とは主語の立場が逆転します。

劇中でピーターが使った raise flags は、ハルブリッジという人物の「肩書き」という事実そのものが、周囲の警戒を招くはずの要素であることを示す一言でした。同じ「怪しまれる」でも、何が主語になり、誰の視点で語られているかによって、選ぶべき表現は変わってきます。

視点の違いを意識して使い分けられると、状況説明の解像度がぐっと上がる。raise flags は、その使い分けの入り口にちょうどよい表現です。

まとめ|「怪しまれない」ことの裏にある皮肉

raise flags は、行動や事実そのものが周囲の警戒心を呼び起こしてしまうことを表す表現です。旗が次々と立っていくイメージを覚えておけば、「怪しまれる」「怪しまれないように立ち回る」という両方の場面で自然に使いこなせます。

不審に思われたくない場面でも、逆に何かがおかしいと気づいた場面でも、この一言があれば状況を簡潔に説明できます。

国際的な不動産業者という表向きの信用を隠れ蓑にしていたハルブリッジの姿には、肩書きや立場そのものが警戒を遠ざける道具になり得るという、捜査劇らしい皮肉が表れています。信用と疑念が紙一重で入れ替わる、そんな緊張感を静かに伝える一場面でした。

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