「beggars can’t be choosers」の意味と使い方|『ホワイトカラー』S05E02で学ぶ英会話

「beggars can't be choosers」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

無茶な注文を出しておきながら、いざ用意されたものには文句をつけたくなる、そんな身勝手な瞬間が、ドラマにはときどきあります。

そんな場面にふさわしい「beggars can’t be choosers」を、『ホワイトカラー』シーズン5第2話の中盤、モジーの偽装工作の準備中に、自分で出した要望に難色を示すモジーへニールが切り返す場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「beggars can’t be choosers」の意味とニュアンス

beggars can’t be choosers
意味:選り好みできる立場ではない

beggars can’t be choosersは、ことわざとして定着した表現で、「与えられるものに頼る立場の者は、その内容について文句を言ったり選んだりする権利がない」という意味を持ちます。

直訳すると「物乞いをする者は選ぶ者にはなれない」となり、何かを頼む側・受け取る側が不満を言おうとしたときに、相手や自分自身をたしなめる形で使われます。無償や好意で受け取ったものに贅沢な注文をつけることの矛盾を、皮肉を交えずにさらりと指摘できる便利な言い回しです。深刻な説教ではなく、あくまで軽い一言として交わされる点が、このことわざが会話に馴染みやすい理由でもあります。

提示された条件が理想的でなくても受け入れざるを得ない状況や、限られた選択肢のなかで妥協しなければならない場面で幅広く使われます。自分自身に言い聞かせる場合にも、相手を軽くたしなめる場合にも使える、汎用性の高いことわざです。

【ここがポイント!】

  • 「beggars can’t be choosers」の核は、与えられる立場の者は選べないという構図
  • 頼む側・受け取る側の贅沢な注文をたしなめる、ことわざとしての響き
  • 自分自身にも相手にも使える、軽い皮肉のニュアンスを含む表現

『ホワイトカラー』S05E02のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

モジーの偽装工作の準備を進めるなか、用意された発火用の材料に難色を示すモジーに、ニールが以前の要望を持ち出して切り返します。自分で出した注文を盾に取られたモジーがどう応じるかに注目です。

Mozzie: Seriously? Gasoline and styrofoam? Don’t you think homemade napalm is a bit vulgar for Teddy’s final au revoir?
(本気か? ガソリンと発泡スチロールで? 手製のナパームなんて、テディの最後のお別れにはいささか下品だと思わないか?)

Neal: You said you wanted a loud boom, Moz. Beggars can’t be choosers.
(モズ、大きな爆発音がいいって言ったのは君だろう。選り好みできる立場じゃない。)

Mozzie: Oh, common misconception. If you had spent any significant time beggaring…
(ああ、よくある誤解だな。もし君が本格的に物乞いをした経験があれば……)

Neal: Really?
(本当に?)

Mozzie: Fine.
(分かったよ。)

White Collar Season5 Episode2 (Out of the Frying Pan)

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シーン解説と心理考察

モジーは、用意された発火用の材料を「テディの最後のお別れにしては下品だ」と難色を示します。おふざけの多いモジーらしく、こんな重大な準備の最中でも美意識を優先しようとするあたりに、彼のこだわりの強さが見えてきます。

これに対してニールは「大きな爆発音がいいと言ったのは君だ、選り好みできる立場じゃない」と、モジー自身の要望を逆手に取って軽くいなします。相手の言い分を逆用して切り返す、この軽妙な話術にはニールらしい余裕がにじみます。モジーはなおも屁理屈をこねようとしますが、ニールの「本当に?」という一言に、最終的には「分かったよ」とあっさり折れます。

軽口を叩き合いながらも互いの提案を受け入れる、この短いやり取りには、長年の相棒同士だからこそ成り立つ気安さが表れています。深刻になりがちな偽装工作の準備を、こうした軽妙な掛け合いで和らげている点も見どころです。

『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ

beggars can’t be choosersを覚えるコツは、道端で物乞いをしている人が、差し出された食べ物の種類に文句を言えない場面を思い浮かべることです。与えられる立場の者は選べない、というシンプルな構図です。

材料について文句を言おうとしたモジーが、自分の要望を理由に選ぶ権利はないと言い返されたように、求める側は選べないという構図をドラマのやり取りごと覚えておくと、妥協が必要な場面でとっさに口から出てきます。自分で条件を出しておきながら文句をつける、その矛盾ごと覚えておくと忘れにくくなります。

例文で覚える「beggars can’t be choosers」

物件探しから中古品まで、beggars can’t be choosersを、3つの例文で確認していきましょう。

I know the apartment isn’t perfect, but beggars can’t be choosers.
(このアパートが完璧じゃないのは分かってるけど、贅沢は言えないよ。)
妥協して物件や条件を受け入れる日常会話の場面です。悪いことを承知のうえで受け入れる姿勢が伝わります。

We only had one job offer, so beggars can’t be choosers.
(内定は一つしかなかったから、選り好みできる立場じゃなかった。)
限られた選択肢のなかで決断するビジネスの場面です。soの後ろに理由を続けることで、選択の余地のなさを説明できます。

A: This laptop is kind of slow.
B: Well, it was free, so beggars can’t be choosers.
(A:このノートパソコン、ちょっと動作が遅いね。)
(B:まあ、タダでもらったんだから贅沢は言えないよ。)
無償で手に入れたものに不満を言わない場面での会話です。freeという理由が添えられることで、ことわざの説得力が増しています。

あわせて覚えたい関連表現

take it or leave it
(受け入れるか、やめるか)
beggars can’t be choosersが「立場上文句を言えない」ことわざであるのに対し、take it or leave itは提示した側が「これ以上の交渉には応じない」という強い断定を表します。

you can’t have everything
(何もかも思い通りにはいかない)
beggars can’t be choosersより一般的な状況で使え、「与えられる立場」という文脈を必ずしも含意しない表現です。

settle for less
(妥協して少ないもので満足する)
beggars can’t be choosersがことわざとして状況全体を説明するのに対し、settle for lessは妥協するという行為そのものを動詞句で表します。

Note|beggars can’t be choosers / take it or leave it / settle for lessの使い分け

「選べない・妥協する」ことを表す英語表現はいくつかありますが、誰の立場から状況を語っているかに違いがあります。

beggars can’t be choosersは、受け取る側・頼む側の立場をことわざの形でたしなめる表現です。物乞いという極端な比喩を使うことで、「与えられるだけありがたいと思え」という含みを、深刻になりすぎずに伝えられます。一方take it or leave itは、提示する側が主導権を握り、「この条件で嫌なら結構」と突き放すニュアンスを持つ表現です。settle for lessは、どちらの立場でもなく、妥協するという行為そのものを淡々と描写する動詞句にすぎません。

モジーが材料への不満を漏らした場面でbeggars can’t be choosersが選ばれたのは、モジー自身が要望を出した側でありながら、その要望どおりに用意されたものへ文句を言おうとしたという矛盾があったからです。take it or leave itのような突き放す響きではなく、ことわざならではの軽い皮肉として機能している点が、この場面での選ばれ方の妙です。ニールがこの一言でモジーの矛盾をやんわりと指摘した点にも、二人の気安い関係性が表れています。

誰が誰に対して何を言っているのかを意識すると、beggars can’t be choosers・take it or leave it・settle for lessの使い分けがすっきり整理できます。特にbeggars can’t be choosersは、頼む側自身の口から漏れることも多く、自嘲めいた響きを帯びやすい点も特徴です。会話の相手に向けても、自分自身に向けても使える柔軟さが、このことわざの息の長さを支えています。

まとめ|与えられる側は選べない、という開き直り

beggars can’t be choosersは、与えられる立場の者は選べないということわざです。頼む側・受け取る側の贅沢な注文を、深刻になりすぎずにたしなめる一言として使えます。

限られた選択肢のなかで妥協するときも、無償で手に入れたものに文句をこらえるときも、この一言があれば状況を軽く受け流せます。

自分で出した要望を盾に取られて言い返せなくなったモジーの姿を思い出せば、この一言がただの我慢ではなく、軽いユーモアを添えて場を収める言い回しだと実感できます。贅沢を言いたくなった場面でさらりと使える、そんな表現です。

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