海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
長く連れ添った相手との記念日を、事細かに覚えていられる自信はあるでしょうか。うっかり忘れて気まずい思いをした経験がある方も、少なくないかもしれません。
そんな几帳面さと少し重なる「make it a point to」を、『ホワイトカラー』シーズン5第7話の冒頭、記念日のディナーに向かう前にニールにからかわれたピーターが、真顔で持ち出す返し文句から、一緒に見ていきましょう。
「make it a point to」の意味とニュアンス
make it a point to
意味:必ず〜するよう心がける、意識的に〜するようにする
make it a point to doは、動詞pointの「要点・重要事項」という意味を軸にした表現です。あるやるべきことをpoint(重要事項)としてmake(作り上げる)ことで、それを自分の中で欠かさずやることと決めている、というニュアンスが生まれます。
単に「よく〜する」という頻度の高さを表すのではなく、意識的な優先順位づけを伴っている点が特徴です。習慣というよりも、自分の中でルール化した心がけに近い言い回しといえます。日常の小さな約束事から、仕事上の心構えまで、幅広い場面で使われる表現です。
I make it a point to のように主語+動詞の形で使われることが多く、後ろには動詞の原形が続きます。忙しい日々の中でもあえて欠かさないようにしていること、たとえば連絡を欠かさない、時間を守る、感謝を言葉にする、といった具体的な行動と結びつけて使われる場面が多く見られます。
【ここがポイント!】
- 「make it a point to」の核は、要点(point)を自分の中に立てて必ず守るイメージ
- 単なる習慣ではなく、意識して優先している行動を表す表現
- 「〜することにしている」と訳すと自然に馴染むのがコツ
『ホワイトカラー』S05E07のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
記念日のディナーに向かう前、これから行くレストランの料理を聞いたニールが、ピーターの食べっぷりをからかい気味にいじると、ピーターは大真面目な調子で、記念日は欠かさず覚えるようにしていると言い返します。誕生日や結婚記念日はもちろん、愛犬を迎えた日まで挙げていくピーターの返答に注目です。
Peter: Red sauce, wine in straw bottles.
(赤いソースに、麦わら瓶のワイン。)Neal: Napkin tucked into your collar?
(ナプキンを襟に挟んでたりして?)Peter: I’m making it a point to remember all the anniversaries. Birthdays, weddings, the day we brought Satchmo home from the breeders.
(俺は記念日は全部覚えるようにしてるんだ。誕生日も、結婚記念日も、サッチモをブリーダーから迎えた日もな。)Neal: I imagined a stork delivery.
(コウノトリが届けたのかと思ってたよ。)White Collar Season5 Episode7 (Quantico Closure)
シーン解説と心理考察
からかうようなニールの一言に対して、ピーターは軽口で流すのではなく、記念日を欠かさず覚えていると生真面目に言い返します。誕生日や結婚記念日だけでなく、愛犬サッチモを迎えた日まで挙げていく几帳面さに、堅実な捜査官としての一面がそのまま日常生活にも表れています。
ニールの「コウノトリが届けたのかと思ってたよ」という返しは、ペットを迎えた日まで律儀に記念日として数えるピーターの生真面目さを、気の置けない相手として軽やかにいなす余裕として響きます。長い付き合いの相棒同士で交わされる軽妙なやり取りには、互いの人となりを知り尽くした距離感がにじんでいます。真剣な物言いと軽い茶化しが交互に重なる会話のテンポそのものが、二人の間柄の気安さを物語っています。
仕事では冷静沈着なピーターが、プライベートな記念日の話になると数え上げるように並べ立てる姿には、公私で表情を切り替える人物像の幅広さが表れています。愛犬を迎えた日まで挙げるという細やかさは、家族という単位を大切にする価値観がそのまま行動に落とし込まれている証でもあります。
『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ
「point」という言葉を、頭の中に立てる一本の杭のようなものだとイメージしてみましょう。数えきれないほどの選択肢がある中で、「これだけは絶対に外さない」と決めた事柄にだけ杭を打ち込み、そこに意識を向け続ける。それがmake it a point toの持つ感覚です。
ピーターが誕生日から愛犬を迎えた日まで、次々と記念日を挙げていった場面を思い出すと、単なる暗記ではなく「大切だと決めたことを外さない」という意志の強さが、このフレーズの芯にあることが実感しやすくなります。杭を一本ずつ増やしていくように、大切な事柄を積み重ねていくイメージを添えると、忘れずに覚えておきたい表現として記憶に残りやすくなります。
例文で覚える「make it a point to」
日常の心がけから仕事の場面まで、make it a point toを、3つの例文で確認していきましょう。
I make it a point to call my parents every Sunday.
(私は毎週日曜日に両親に電話するようにしている。)
家族との習慣を語る日常会話の場面です。everyという頻度を表す語と組み合わせることで、決まりごとにしている様子がより伝わります。
She makes it a point to arrive early for every meeting.
(彼女はどの会議にも必ず早めに到着するようにしている。)
職場での心がけを紹介するビジネスの場面です。信頼を積み重ねる行動の一つとして自然に使えます。
A: Do you always check your email before bed?
B: No, but I make it a point to read at least one page every night.
(A:寝る前にいつもメールを確認するの?)
(B:いや、でも毎晩少なくとも1ページは本を読むようにしているよ。)
自分の習慣を紹介するカジュアルな会話です。beforeやeveryといった語との相性の良さも感じ取れます。
あわせて覚えたい関連表現
make a habit of -ing
(〜を習慣にする)
make it a point toが「意識して優先する」ことに重点を置くのに対し、make a habit ofは結果として習慣化している状態そのものを指します。
take care to do
(〜するよう気をつける)
take careは注意深さ・慎重さに重点があるのに対し、make it a point toは優先順位の高さと意志の強さに重点がある点が異なります。
see to it that
(〜するように取り計らう)
see to it thatは他者や状況の管理を含意し、make it a point toよりも義務的・実務的なニュアンスを帯びる表現です。誰かに任せず自分の責任で確実に実行させる、という監督者的な立場でよく使われます。
Note|似ているようで違う、「意識して続ける」3つの言い方
英語には、「意識して何かを続ける」というニュアンスを表す表現がいくつも存在します。make it a point to、make a habit of、take care toは、どれも日本語にすると似た訳になりがちですが、内側にある力点は少しずつ異なります。
make it a point toは、数ある選択肢の中から「これだけは」と優先順位を自分の中で確定させる行為に焦点があります。一方でmake a habit ofは、意図の有無よりも「結果として繰り返されている状態」そのものに重心が置かれ、take care toはむしろ注意力・慎重さの発動に近い表現です。この違いは、それぞれの語が持つ核となる単語、point(要点)、habit(習慣)、care(注意)に表れています。
ピーターが記念日を挙げていく場面で使われたmake it a point toも、単なる習慣ではなく「意識して優先している」という強い意志を伴っていたからこそ、几帳面な人物像がより鮮明に伝わってきました。仮にこれがmake a habit ofであれば、ただ日課として続けている印象にとどまり、ピーターの生真面目さまでは伝わりにくかったかもしれません。
三つの表現を並べてみると、英語がひとつの行動を語るときに、意志の強さ・結果としての習慣・注意深さという異なる角度から光を当てていることが見えてきます。似ているようで、力点はそれぞれ違うのです。
まとめ|「意識して優先する」という強さ
make it a point toは、単なる習慣ではなく、数ある選択肢の中から「これだけは外さない」と自分の中で決めた事柄を表す表現です。
記念日を一つずつ挙げていくピーターの姿からも分かるように、意識して優先していることを言葉にすると、その几帳面さや誠実さがそのまま相手に伝わります。日常の小さな約束事から仕事上の心がけまで、幅広い場面で使い勝手のよい言い回しです。
数ある選択肢の中で何を優先するかを言葉にする瞬間は、相手との関係を丁寧に扱う姿勢そのものを映し出します。
意識して大切にしていることを言葉で示したい場面で、表現の引き出しに加えてみてください。


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