海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は大人気法医学サスペンス『BONES』シーズン4の第8話から、日常会話からビジネスシーンまで幅広く活躍する超重要フレーズ「when it comes to ~」をピックアップします。
使いこなせると一気にネイティブらしい自然な英語になる表現ですので、しっかりマスターしていきましょう。
実際にそのシーンを見てみよう!
ジェファソニアン研究所のインターンであるデイジーに対し、心理学者のスイーツが厳しい現実を突きつけるシーンです。
空気を読まない彼女の言動が、職場でどのような評価を受けているのかをストレートに伝えています。
Sweets: You’re toast here. Nobody wants to work with you.
(君はここではお払い箱だ。誰も君と働きたがらない。)
Daisy: Why?
(どうして?)
Sweets: You know why, Daisy. There are some things that you have to work on when it comes to interpersonal relations.
(理由はわかっているはずだ、デイジー。対人関係のこととなると、君には改善すべき点があるからね。)
Daisy: Does anybody like me?
(私のこと、好きな人はいる?)
Sweets: No, I’m afraid not.
(いや、残念ながらいないね。)
Bones Season4 Episode8 (The Skull in the Sculpture)
シーン解説と心理考察
「誰も君と働きたがらない」という絶望的な宣告をした直後、スイーツは精神科医としての見事な話術を見せています。
ここで彼が「君は性格が悪い」と人格を全否定するのではなく、「対人関係のこととなると」と特定の分野に限定して問題を指摘している点に注目してください。
このように話題に枠を設けることで、彼女の法人類学者としての優秀な才能までは否定せず、相手が受け入れやすいようにクッションを挟む知的な配慮が感じられます。
事実を冷酷に突きつけながらも、どこか相手へのリスペクトを残すスイーツならではの絶妙な言葉選びですね。
フレーズの意味とニュアンス
when it comes to ~
意味:〜のこととなると、〜に関しては、〜という点では
ある特定の話題や分野に焦点を絞り、「他のことはさておき、その話題について言えば」と強調する際に使われるポピュラーな表現です。
直訳すると「状況(it)が〜にやって来る時」となります。話題の流れが、ある特定のテーマ(~)に到達した(comes to)時には、という情景を思い浮かべるとニュアンスが掴みやすいでしょう。
話題の方向性をパッと切り替えたり、得意なことや苦手なことを際立たせたりする際に、会話の潤滑油として非常に便利な役割を果たしてくれますよ。
【ここがポイント!】
ネイティブがこの表現を使う時のコアイメージは「スポットライトの切り替え」と「感情のスイッチ」です。
単なる「about(〜について)」が事実をフラットに述べるのに対し、「when it comes to ~」を使うと、「他のことはともかく、そのことに関しては特別に」という話し手の強い熱量や、呆れといった感情の起伏が込められます。
普段と違う一面が引き出される「ギャップ」を表現する際に重宝するフレーズです。
実際に使ってみよう!
日常のギャップからビジネスシーンまで、様々なトピックで使える例文を3つご紹介します。
When it comes to money, he is completely unreliable.
(お金のこととなると、彼は全く信用できません。)
普段はいい人だけど、金銭面という特定のトピックにスポットライトが当たった途端にルーズになる、という対比のニュアンスを含ませることができます。
My boss is usually strict, but when it comes to his dog, he becomes a big softie.
(私の上司は普段は厳しいのですが、愛犬のこととなると、別人のように甘くなります。)
ある条件が揃った瞬間に特別な感情のスイッチが入るような、微笑ましいギャップを表現するのにもぴったりです。
I am confident in reading English, but when it comes to speaking, my mind goes blank.
(英語を読むことには自信があるのですが、話すこととなると、頭が真っ白になってしまいます。)
ここで絶対に注意していただきたいのが文法的な落とし穴です。「to」の後ろは動詞の原形ではなく、「名詞」または「動名詞(〜ing)」が来ます。「speak」ではなく「speaking」になる点に気をつけてくださいね。
BONES流・覚え方のコツ
真っ暗な舞台の上に、デイジーの能力を示す「知識」「情熱」「対人関係」という様々な看板が並んでいるのを想像してみてください。
普段は「知識」の看板が輝いていますが、スイーツがこの言葉を発した瞬間、「対人関係」という看板にだけピカッと強烈なスポットライトが当たり、そこに隠れていた問題点が浮き彫りになる映像です。
特定の話題に光を当てる「スポットライト効果」として記憶すると、実践でスッと口から出やすくなりますよ。
似た表現・関連表現
似た意味を持つ表現を3つご紹介します。文脈によるニュアンスの違いを確認してみましょう。
regarding
(意味:〜に関しては、〜について)
aboutよりもフォーマルな表現で、ビジネスメールや公式な文書でよく使われます。「when it comes to」のような感情のスイッチや強調のニュアンスはなく、客観的に「〜の件ですが」と話題を提示する際に適しています。
as for
(意味:〜について言えば、〜はというと)
文頭で使われることが多く、これまで話していた内容から別の対象へと話題を切り替える際に便利な表現です。「私はこう思う。彼について言えば(As for him)…」のように、対比を明確にしたい時によく登場します。
in terms of
(意味:〜の観点から言うと、〜の点では)
物事を評価したり分析したりする際に、どの基準や尺度から見ているのかを明確にするための知的な表現です。「費用対効果の観点から言うと(in terms of cost-effectiveness)」など、ビジネスや議論の場面で重宝されます。
深掘り知識:なぜ「to」の後ろは動詞の原形ではなく「ing」なのか?
英語学習者が「when it comes to ~」を使う際に、最も陥りやすい文法的な罠が「toの後ろに動詞の原形を置いてしまう」というミスです。
これは、私たちが「to不定詞(to+動詞の原形)」というルールに慣れすぎているために起こる錯覚です。
このフレーズにおける「to」は、不定詞のtoではなく、「方向」や「到達点」を表す「前置詞のto」です。前置詞の後ろには必ず名詞(または動名詞)が来なければならないという鉄則があります。
「go to school」の「school」が名詞であるのと同じように、「話題が〜という場所(到達点)に向かってくる」と解釈すると分かりやすいでしょう。
ネイティブの感覚では、この「to」は物理的な矢印(→)のイメージを持っています。話題という漠然とした「it」が、特定のテーマという的(まと)に向かって「comes(向かってくる)」し、最終的に「to(〜へ到達する)」という動きを描いています。
そのため、到達点である的(まと)は、具体的な「モノ(名詞)」や「コト(動名詞)」として存在していなければなりません。「speak(話す)」という動作そのものではなく、「speaking(話すこと)」というパッケージ化された名詞の形にする必要があるのです。
「toを見ると無意識に動詞の原形を繋げたくなる」という方は、ぜひこの「矢印のto(前置詞)」のコアイメージを意識してみてください。
これを知っておくことで、「look forward to ~ing(〜を楽しみにする)」や「be used to ~ing(〜に慣れている)」といった、他の紛らわしい重要表現も芋づる式にマスターすることができますよ。
まとめ|話題のスポットライトを自在に操ろう!
今回は『BONES』のワンシーンから、話題を特定し強調する便利フレーズ「when it comes to ~」を紹介しました。
日常会話からビジネス、さらには各種英語試験のスピーキングテストなどでも、自分の意見を論理的に展開する際に非常に役立つ表現です。
「toの後ろは名詞かing」という文法ルールと、「特別なスイッチが入る」という感情のニュアンスをセットで覚えて、ぜひ明日からの英会話で積極的に使ってみてくださいね。


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