「take the high road」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S12E21で学ぶ英会話

「take the high road」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

対立する相手を出し抜くチャンスがあっても、あえて正々堂々とした道を選ぶ、そんな場面がドラマにはよくあります。

そんな選択を表す「take the high road」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン12第21話の中盤、盗用の証拠を使うべきかどうかを巡ってハワードとバーナデット夫婦が言い合う場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「take the high road」の意味とニュアンス

take the high road
意味:道義的に正しい態度を選ぶ、高潔な道を選ぶ

take the high roadは、たとえ不正な手段や近道が使える状況でも、あえて誠実で道徳的に正しい選択をすることを表す慣用句です。high roadは比喩的に「高潔な道」を指し、対義的にlow road(卑劣な手段)という表現も存在します。

対立や競争の場面で、相手を貶めたり不正な手段を使ったりせず、あえて誠実な対応を選ぶ状況で使われることが多い表現です。ビジネス上のトラブル、政治的な討論、友人や家族との対立など、勝つための近道が見えている中で、それでも正攻法を選ぶという場面設定と相性が良く、選んだ本人の人柄や信念を印象づける言葉としても機能します。動詞はtakeが一般的です。

【ここがポイント!】

  • lowではなくhigh(高い)道を選ぶという、上下のイメージがそのまま比喩になっている
  • 不正な近道が使える状況であることが前提にある、対比が効いた表現
  • 相手を貶めない選択を評価する時にも、自分への戒めとして使う時にも便利

『ビッグバン★セオリー』S12E21のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

シェルドンとエイミーの盗用疑惑への対応方針を巡って、友人たちの間で意見が割れる場面です。証拠を使ってでも勝つべきだと考えるバーナデットに対し、ハワードがどんな考えを返すのか、注目してみましょう。

Bernadette: I’m just saying, Sheldon and Amy deserve to win, and sometimes that means doing what you got to do.
(私はただ、シェルドンとエイミーには勝つ資格があるって言いたいだけ。時にはやるべきことをやるしかない時もあるでしょ。)

Howard: Don’t you think it’s better to take the high road?
(でも、正々堂々とした道を選ぶほうがいいと思わないか?)

Bernadette: Yeah, and instead of guns, armies should carry candy canes that shoot wishes.
(ええ、それに軍隊は銃の代わりに、願いを撃つキャンディケインを持つべきよね。)

Howard: So what’s the worst thing you’ve ever done to get something you wanted?
(じゃあ、欲しいものを手に入れるために、これまでで一番ひどいことをしたのは何なんだ?)

Bernadette: I’m not gonna tell you that.
(それは言わないわよ。)

Howard: Oh, come on. I’ll tell you mine.
(おいおい、教えてくれよ。俺のは教えるからさ。)

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シーン解説と心理考察

バーナデットが「私はただ、シェルドンとエイミーには勝つ資格があるって言いたいだけ。時にはやるべきことをやるしかない時もあるでしょ」と、不正の証拠を使ってでも勝つべきだという立場を示すと、ハワードは「でも、正々堂々とした道を選ぶほうがいいと思わないか?」と穏健な意見を返します。しかしバーナデットは間を置かず「軍隊は銃の代わりに、願いを撃つキャンディケインを持つべきよね」と皮肉交じりに茶化してしまい、深刻な倫理的議論があっという間にコメディへと転じていく様子が表れています。

さらにハワードが「欲しいものを手に入れるために、これまでで一番ひどいことをしたのは何なんだ?」と話題を変えると、バーナデットは「それは言わないわよ」とはぐらかし、ハワードは「教えてくれよ。俺のは教えるからさ」と食い下がります。倫理について語り合っていたはずが、いつの間にか互いの過去の悪事を打ち明け合う遊びへと脱線していく、この夫婦らしい会話の流れが軽妙に描かれた場面です。深刻な議論の芯をすぐに見失ってしまうところにも、この二人らしい呼吸の合い方が表れています。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

低くて近道だが荒れた道(low road)ではなく、あえて高いところにある正しい道(high road)を歩んでいくイメージを思い浮かべてみましょう。遠回りでも誠実な道を選ぶ姿勢が、take the high roadという表現の核心です。

ハワードが「正々堂々とした道を選ぶほうがいいと思わないか?」と口にしたのも、目の前に近道が見えている状況だからこそ意味を持つ一言でした。近道の存在とセットで思い出すことで、この表現が持つ対比のニュアンスがより鮮明に記憶に残るはずです。

例文で覚える「take the high road」

不正な近道よりも誠実な選択を表すtake the high roadを、3つの例文で確認していきましょう。

Even though he was criticized unfairly, he decided to take the high road and stay silent.
(不当に批判されたが、彼は正々堂々とした道を選び、沈黙を守ることにした。)
批判に対して誠実な対応を選ぶ場面です。stay silentのような具体的な行動を添えると、選んだ道の中身が伝わりやすくなります。

She could have exposed his secret, but she chose to take the high road instead.
(彼女は彼の秘密を暴露することもできたが、代わりに正々堂々とした道を選んだ。)
相手を追い詰めずに済ませる選択をする場面です。could haveで「できたのにしなかった」という対比を示すと、選択の重みが伝わります。

A: They spread rumors about our company.
B: We should still take the high road and respond professionally.
(A:あの会社は私たちについて噂を広めているぞ。)
(B:それでも私たちは正攻法で、プロらしく対応するべきだ。)
ビジネス上のトラブルに冷静に対処する会話です。professionallyのような副詞を添えると、対応の姿勢がより具体的に伝わります。

あわせて覚えたい関連表現

do the right thing
(正しいことをする)
take the high roadが対立や競争の中であえて誠実な選択をするという文脈に限定されるのに対し、do the right thingは一般的で幅広い状況に使える表現です。

rise above it
((挑発や中傷に)動じず気高く振る舞う)
take the high roadが誠実な手段を選ぶこと全般を指すのに対し、rise above itは相手の挑発に乗らない姿勢そのものに焦点があります。

play fair
(公正に振る舞う、フェアプレーをする)
take the high roadが道徳的な高潔さという抽象的な価値観に重点を置くのに対し、play fairはルールや規則の遵守そのものに重点があります。

Note|対立の中での誠実な対応が評価される英語圏の価値観

take the high roadという表現は、政治家のスピーチやビジネスの記者会見など、公の場での立ち振る舞いを語る文脈でもよく登場します。

選挙戦で相手候補への中傷合戦が続く中、あえてネガティブキャンペーンに乗らずに政策を語り続けた候補者がtook the high roadと評されたり、企業のトップが競合他社の不祥事に言及せず自社の取り組みだけを語る姿勢が同じ言葉で称賛されたりする場面は珍しくありません。背景には、対立する相手を貶めることで得られる短期的な優位よりも、誠実さを貫いた姿勢そのものが長期的な信頼につながる、という価値観があります。low roadという対義語がセットで存在していることも、この表現の性質をよく表しています。近道や卑劣な手段が実際に存在し、それを選ばなかったという事実があってはじめて成立する評価だからこそ、high roadという言葉には単なる「良い行い」以上の重みが込められています。誰も見ていない場面であえてこの道を選んだ時にこそ、この表現の説得力が最も強く発揮されます。

劇中でハワードが「正々堂々とした道を選ぶほうがいいと思わないか?」と提案したのも、盗用の証拠という近道が目の前にある中で、あえてそれを使わない選択を促す一言でした。政治やビジネスの場面と同じ構図がこの夫婦の会話にも重なっている点は、興味深いところです。

近道の誘惑があってこそ、高潔さの価値が際立ちます。

まとめ|近道が見えているからこそ、選ぶ意味がある

take the high roadは、不正な近道が使える状況でも、あえて誠実で道徳的に正しい選択をすることを表す表現です。

政治やビジネスの場面から夫婦の議論まで、対立の中で自分の姿勢を貫く場面に使える一言として、会話に自然に溶け込みます。近道が見えている状況ほど、この一言の重みが増していきます。

不正の証拠を巡って意見が割れながらも、すぐに軽口へと脱線していったハワードとバーナデットのやり取りには、深刻な議論さえも笑いに変えてしまう、この夫婦らしい空気が漂っていました。

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