「take something up with someone」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S12E24で学ぶ英会話

「take something up with someone」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

規則やルールに納得がいかない時、「それは自分ではなく決めた側に言ってほしい」と思ったことはありませんか。

そんな時に使える「take something up with someone」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン12第24話の後半、シェルドンがレナードに祝福の言葉を伝える場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「take something up with someone」の意味とニュアンス

take something up with someone
意味:(問題や不満を)人に持ちかける、直訴する

take upは「(議題として)取り上げる」という意味の句動詞で、”take it up with someone”の形で「その件について相手に直接掛け合う、文句を言う」という意味になります。責任や不満の矛先を、それを扱うべき特定の相手・対象に向ける時に使われる表現です。

自分の裁量が及ばない事柄について尋ねられた時に、担当すべき相手を示して話を振る場面でよく使われます。会社の方針に不満がある時に上司へ直談判する、規則に納得できない時に担当部署へ問い合わせる、といったやり取りの中で頻繁に登場する言い回しです。

似た形にbring something up with someoneがありますが、take upのほうが「議題として取り上げて掛け合う」という積極的な行動のニュアンスが強く、単に話題として持ち出すだけのbring upよりも一歩踏み込んだ響きを持ちます。

【ここがポイント!】

  • 「take something up with someone」の核は、問題を扱うべき相手へ直接持っていくイメージ
  • 不満や疑問の矛先を特定の相手に向ける、やや実務的な響きを持つ表現
  • 自分の裁量外であることを示したい時に使うのがコツ

『ビッグバン★セオリー』S12E24のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

現地の料理の話題で盛り上がるペニーとレナードのそばで、エイミーがシェルドンに発言を促す場面です。友人の妊娠を知らされたシェルドンが、時間を置いて自分なりの言葉を返す流れに注目です。

Leonard: What?
(何?)

Amy: Sheldon has something he’d like to say.
(シェルドンが言いたいことがあるそうよ。)

Sheldon: I’m sorry I didn’t react appropriately. You and Penny are bringing new life into the world. Congratulations. I can’t wait to meet it.
(適切に反応できなくてすまなかった。君とペニーはこの世界に新しい命を迎えようとしている。おめでとう。会うのが待ちきれないよ。)

Leonard: “It”?
(「それ」?)

Sheldon: That’s a gender-neutral pronoun. If you’re offended, take it up with the English language.
(それは性別に中立な代名詞だ。気に障ったなら、英語そのものに文句を言ってくれ。)

The Big Bang Theory Season12 Episode24 (The Stockholm Syndrome)

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シーン解説と心理考察

エイミーに水を向けられたシェルドンは「適切に反応できなくてすまなかった」と切り出し、レナードとペニーの新しい家族について「おめでとう。会うのが待ちきれないよ」と素直に祝福の言葉を口にします。友人の知らせに向き合いきれなかったシェルドンが、時間を置いて自分なりに言葉を用意し、きちんと謝って祝う姿には彼なりの誠実さが表れています。すぐには適切に反応できなかったところにも、感情の処理に時間がかかる彼らしい反応が見て取れます。

ところがレナードが「それ(It)」という代名詞に引っかかって聞き返すと、シェルドンは悪びれもせず「英語そのものに文句を言ってくれ」と切り返します。せっかくの祝福の言葉のすぐ後に理屈っぽい言い訳を挟み込むところに、感情よりも正確さを優先してしまうシェルドンらしい癖が会話の温度を変えており、素直な祝福と屁理屈が同居する場面になっています。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

問題を「上(up)」に持ち上げて、それを扱うべき相手のところへ「持って行く(take)」イメージを持ちましょう。文句や疑問を、しかるべき相手に直接ぶつける様子を表す表現です。

シェルドンが「英語そのものに文句を言ってくれ」と返したこの場面も、自分ではなく責任を持つべき対象へ話を振る、まさにtake it up withの構造そのものでした。誰かに矛先を向けたい場面に出会ったら、この「持って行く」イメージを思い出してみると言葉がすっと出てきます。自分のところで話を止めず、責任を持つ相手へ渡すという一連の動きが、このフレーズの本質です。

例文で覚える「take something up with someone」

自分の裁量外であることを示す場面で活躍するtake something up with someoneを、3つの例文で確認していきましょう。

If you have a complaint about the schedule, take it up with the manager.
(スケジュールに不満があるなら、マネージャーに直接言ってください。)
職場で不満の伝え先を案内する場面です。自分では決められない事柄であることを、角を立てずに伝えられる一言です。

I don’t make the rules– take it up with HR.
(私がルールを決めているわけじゃないので、人事部に言ってください。)
自分の裁量外であることを伝えるビジネスの場面です。

A: Why is the price so high? B: Take it up with the airline, not me.
(A:なんでこんなに高いの? B:航空会社に言ってよ、僕にじゃなくて。)
責任の所在を明確にする会話です。not meを添えることで、自分は無関係だという立場がはっきり伝わります。

あわせて覚えたい関連表現

bring something up with someone
(〜を人に話題として出す)
bring upはより中立的に「話題にする」ニュアンスで、take up withほど苦情や異議の色合いは強くありません。

raise a concern with someone
(懸念を人に伝える)
raise a concernはよりフォーマルな響きを持ち、ビジネス文書などでも使われる表現です。

complain to someone about something
(人に〜について文句を言う)
complain toはより直接的に不満であることを示しますが、take it up withはやや婉曲的・実務的な響きがあります。

Note|英語の代名詞itが持つ、性別を特定しない便利さと戸惑い

英語には、he/she のように性別を特定する代名詞のほかに、性別を明示しない代名詞としてitやtheyが使われる場面があります。今回のシーンでシェルドンが持ち出したitも、まさにこの性別を特定しない代名詞のひとつです。

itは本来、物や概念を指す代名詞として使われますが、生まれてくる子供のようにまだ性別が分からない、あるいは性別を明示する必要がない存在を指す時にも使われることがあります。近年の英語では、性自認を尊重する目的でtheyを単数の代名詞として使う動きも広がっており、性別を特定しない言葉遣いへの関心は以前より高まっています。ただしitを人に対して使うと、物扱いされているように聞こえて相手を戸惑わせることもあり、使う場面には注意が必要とされています。まだ生まれていない存在を指す会話では、あえてitを使うことで感情を交えず淡々と事実を述べる効果を狙う場合もあります。

同じ「性別を特定しない」という目的でも、theyが人としての扱いを保ったまま使われるのに対し、itは対象をやや突き放して眺めるような響きを帯びやすいという違いがあります。この温度差こそが、聞き手によっては違和感の種になる部分です。

レナードが「”それ”?」と聞き返した場面は、まさにこのitの使い方に戸惑いを覚えた瞬間だったといえます。文法的には間違っていなくても、相手にどう響くかを意識することの大切さが、このやり取りから見えてきます。シェルドンが即座に「文句なら英語そのものに言ってくれ」と切り返したのも、正しさを盾にして相手の戸惑いを受け流すシェルドンらしい対応です。

同じ代名詞ひとつでも、選び方次第で会話の印象は変わってきます。

まとめ|責任の矛先をはっきり示す一言

take something up with someoneは、問題や不満を扱うべき相手へ直接持っていくことを表す表現です。

自分の裁量が及ばない事柄について尋ねられた時、責任の所在をはっきり示す実務的な言い回しとして、職場でも日常でも幅広く使えます。誰かに責められる筋合いのないことで矢面に立たされそうになった時、この一言があると気持ちよく話を切り替えられます。

友人の新しい家族を素直に祝福しながらも、代名詞の正確さにこだわらずにはいられないシェルドンの様子は、感情と論理の両方を大事にする彼らしい一面を映し出していました。矛先をはっきり示したい場面に出会ったら、この表現を会話のレパートリーに加えてみてください。

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