「what it takes」の意味と使い方|『モダンファミリー』S04E16で学ぶ英会話

「what it takes」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

誰かにその役をこなす素質が本当にあるのか、ふと考えてしまう瞬間があります。

そんな場面で使う「what it takes」を、『モダンファミリー』シーズン4第16話の中盤、赤ちゃんのジョーの頭に付けたウィッグが取れなくなった騒動を振り返るキャメロンの、大げさな一言から、一緒に見ていきましょう。

目次

「what it takes」の意味とニュアンス

what it takes
意味:(あることに)必要な資質・力、それをやり遂げるだけのもの

what it takes は、「それが要するもの」という直訳のとおり、何かを達成するのに必要な資質・能力・努力を、ひとかたまりの名詞として言う表現です。takes は「〜を必要とする」という意味の動詞で、It takes courage to speak up.(声を上げるには勇気が要る)の it takes と同じ形です。この「必要とされるもの」を what で受けて名詞のかたまりにしたのが what it takes です。

have what it takes to do の形にすると、「〜する素質・力がある」という意味になります。否定形の don’t have what it takes は「その力がない」、疑問形の Do you have what it takes? は「その力はあるのか」を問う言い方です。does を挟んだ She does have what it takes. は、「本当に持っている」と強める言い方になります。

to 不定詞で目標を続けるのが基本の型で、to be a model のように、何に必要かを後ろで示します。文脈から目標が明らかなときは、He has what it takes. のように to 以下を省くこともできます。

what it takes の中身は、文脈によって変わります。「才能」を指すこともあれば、「勇気」や「時間」、「努力」のような、達成に欠かせない条件を指すこともあります。そのため、前後の話から何を必要としている場面なのかを読み取るのがコツです。また、have を使わずに、Do you know what it takes to raise a child?(子どもを育てるのに何が必要か分かる?)のように、動詞 know の目的語として「必要なもの」を尋ねる形でも使えます。

【ここがポイント!】

  • 「what it takes」の核は、「それをやり遂げるのに必要なもの」を名詞のかたまりで言う点
  • have を付けた have what it takes の形なら、「素質がある、力がある」という意味になる
  • to 不定詞で「何に必要か」を続けるのが基本の型

『モダンファミリー』S04E16のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

赤ちゃんのジョーの頭に付けたウィッグが、実際の髪にくっついて取れなくなり、深刻な空気が流れる場面です。「これはすごくまずい」という言葉に謝る声が続き、そのあとキャメロンが、こうなると分かっていたはずだと原因を振り返ります。キャメロンの最後の一言に出てくる what it takes に注目です。

— This is very, very bad.
(これはすごく、すごくまずいよ。)

Lily: Sorry. I was trying to help.
(ごめんなさい。手伝おうとしたの。)

— Okay.
(分かった。)

Cameron: Well, I should’ve seen this coming. I replaced her with somebody younger, and she sabotaged Joe’s shoot out of sheer jealousy. Maybe she does have what it takes to be a model.
(ああ、こうなるって分かってたはずなのに。あの子をもっと若い子に替えたら、嫉妬のあまりジョーの撮影を台無しにしたんだ。モデルになれるだけの素質は、本当にあるのかもしれないな。)

Modern Family Season4 Episode16 (Bad Hair Day)

シーン解説と心理考察

冒頭の「This is very, very bad.」は、事態の深刻さを2度の very で強調した一言です。続く「Sorry. I was trying to help.」は、手伝おうとしたという言い分を添えた謝罪の言葉で、悪気はなかったという説明が伝わってきます。「Okay.」という短い相づちを挟んで、キャメロンの振り返りへと話が移ります。

キャメロンは続けて、「Well, I should’ve seen this coming.」と、自分に予見できたはずだと認めます。原因として挙げるのは、リリーをもっと若い子に替えたこと、そして嫉妬のあまり、ジョーの撮影を台無しにされたという流れです。責任の一端を自分の判断にも置きながら、起きたことを整理していく言い方です。

最後の「Maybe she does have what it takes to be a model.」は、嫉妬から撮影を台無しにするほどの振る舞いを、モデルになれる素質に結びつけてみせる一言です。does を挟んだ強調と maybe の組み合わせが、断言を避けながら評価だけは言い切る、大げさな調子を生んでいます。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

「it(それ)が takes(要求する)もの」と分解して、入場ゲートを思い浮かべてみましょう。ゲートの前には「通るために必要なもの」を示す札が立っていて、それを持っているかどうかが確かめられます。持っていれば have what it takes、持っていなければ don’t have what it takes です。

キャメロンの一言に重ねると、「モデルというゲートを通るのに必要なもの」を持っているのかもしれない、と認める形になります。does を挟んだ強調で、その可能性を言い切る調子が出ています。ジョーの頭のウィッグの騒動と一緒に、ゲートの札のイメージを思い出すと、what it takes の「必要なもの」という感覚が残ります。札に書かれた中身が「才能」でも「努力」でも、通るために必要なものを一言で指せるのが、このかたまりの便利なところです。

例文で覚える「what it takes」

素質や力の有無を語る what it takes を、自分の限界を話す場面、人を評価する場面、友人を応援する場面の3つで確認していきましょう。

I don’t think I have what it takes to run a marathon.
(自分にはマラソンを走りきる力はないと思う。)
自分の限界を語る場面です。don’t think を添えると、断言を避けたやわらかい言い方になります。

She has what it takes to lead this team.
(彼女にはこのチームを率いる力があるよ。)
昇進の候補者を評価する場面です。to 以下で「何に必要か」が具体的になり、評価の中身が伝わります。

A: Do you think he’ll make the team?
B: Definitely. He has what it takes.
(A:彼はチームに入れると思う?)
(B:間違いないよ。それだけの力があるから。)
友人の挑戦を応援する会話です。to 以下を省いても、目標が話の流れで分かるときはそのまま通じます。

あわせて覚えたい関連表現

have the right stuff
(必要な資質を備えている)
have what it takes とほぼ同じ意味で、くだけた言い方です。the right stuff は「適した資質」を指す名詞のかたまりです。

be cut out for
(〜に向いている)
その仕事や役割に向いているという適性を表す表現で、be cut out to be a model のように to 不定詞も続けられます。have what it takes は、必要な資質や力があるという、能力・素質の有無に焦点があります。

do whatever it takes
(何としてもやる、必要なことは何でもする)
whatever it takes は「必要なことは何でも」という決意の表現です。what it takes の「必要なもの」が、「どんなものでも」に広がった形です。

Note|have と do whatever で変わる「what it takes」

what it takes の前に何が来るかで、意味は大きく変わります。have と do whatever を比べてみます。

have what it takes は、必要な資質を「持っている」という状態を表し、素質や力量の評価に使います。do whatever it takes は、必要なことなら「何でもする」という決意を表し、行動の宣言に使います。whatever は「どんなものでも」という意味で、what it takes(必要なもの)の範囲を広げる働きをします。たとえば She has what it takes to lead this team. は、彼女にはチームを率いる力があるという評価です。I’ll do whatever it takes to finish this project. は、必要なことは何でもやってこのプロジェクトを終わらせるという意思表示になります。前者は「持っているかどうか」、後者は「どこまでやるか」を語る点が違います。疑問形の Do you have what it takes? は、力があるかどうかを相手に問う言い方です。

キャメロンの Maybe she does have what it takes to be a model. は、前者の評価の形で、モデルとしての素質を持っているかどうかを語っています。

動詞が have か do かで、評価の言葉にも決意の言葉にもなります。何を「持っているか」を語りたいのか、どこまで「やるか」を語りたいのかを、話す前に決めておくと選びやすくなります。

まとめ|「必要なもの」を持っているかを語る一言

what it takes は、何かをやり遂げるのに必要な資質や力を、ひとかたまりで言い表す表現です。have を付けて have what it takes to do とすれば、素質や力があるという評価になります。

自分の限界を語るとき、人の適性を評価するとき、友人の挑戦を応援するとき。to 不定詞で何に必要かを続けると、評価の中身がはっきり伝わります。相手の素質を認める言葉としても、自分の力を控えめに語る言葉としても使える、応用のきく形です。

ジョーの頭のウィッグの騒動を振り返りながら、モデルになれる素質を大げさに認めたキャメロンの一言には、言葉の使い方次第で場の空気が変わる面白さがありました。次に誰かの素質を語りたくなったときの一言として、表現の引き出しに加えてみてください。

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