「catch up on」の意味と使い方|『モダンファミリー』S05E04で学ぶ英会話

「catch up on」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

週末に片づけようと思っていた用事が、気づけばたまる一方になっていた。そんな状況に心当たりはありませんか。

そんな場面で使える「catch up on」を、『モダンファミリー』シーズン5第4話の前半、家族の予定をめぐってクレアとフィルが言葉を交わす場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「catch up on」の意味とニュアンス

catch up on
意味:(たまっているものを)片づける、遅れを取り戻す

catch up onは、後回しにして遅れが出ている物事に時間をとって手をつけ、遅れを取り戻すことを表す表現です。catch upだけなら「追いつく」という意味の動詞で、遅れていた側が先を行く相手や水準に並ぶ動きを指します。そこにonが加わると、追いつく先が人ではなく、遅れが出ている物事に向きます。

目的語には、たまった用事、メール、睡眠、読書、見逃したドラマなど、時間がなくて手が回らなかったものが入ります。「今の状態」と「本来あるべき状態」のあいだに開いた差を、時間を使って縮めるという発想が根にあります。

もう一つの使い方が、離れていた間の出来事を知って情報の空白を埋める意味です。catch up on the newsのように、知らないままだった出来事を取り戻す場面でも同じ形を使います。どちらの場合も、放っておいた分をまとめて取り返すという含みが共通しています。

【ここがポイント!】

  • 「catch up on」の核は、たまった分を時間をかけて取り戻すイメージ
  • onのあとには、たまった用事や睡眠、近況など「遅れが出ているもの」が入る表現
  • 人に追いつくときはwith、遅れているものを片づけるときはon、という前置詞の違いがコツ

『モダンファミリー』S05E04のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ルークの試合に親が行かない案を出したクレアが、フィルに理由を聞かれて、自分の母の話から今の仕事の忙しさへと話を進めていく場面です。週末に取り戻したいものを口にする一言に注目です。

Claire: Why not? Missing one tournament doesn’t make us bad parents. My mom never went to any of my stuff. I’m fine.
(どうしていけないの? 試合を1回休んだくらいで、悪い親になんてならないわよ。うちの母は、私の行事には一度も来なかったわ。それでも私は平気よ。)

Phil: Why didn’t she go to any of your stuff?
(どうしてお母さんは、君の行事に一度も行かなかったの?)

Claire: Because she was an incredibly competitive woman who didn’t like to see me do very well at anything, but I think it’s pretty clear who won. I’m working now, you know, and I really need my weekends back to — to catch up on errands.
(だって母は、ものすごく負けず嫌いな人で、私が何かをうまくやるのが気に入らなかったのよ。でも、どっちが勝ったかはもうはっきりしてると思うけど。私は今は働いてるでしょ。週末を取り戻して、たまってる用事を片づけたいのよ。)

Phil: I don’t know. It just feels wrong.
(どうかなあ。なんだか、よくない気がするんだ。)

Modern Family Season5 Episode4 (Farm Strong)

シーン解説と心理考察

クレアは、1回の試合を休んでも悪い親にはならないと言い切り、自分の母は行事に一度も来なかったけれど平気だと続けます。自分の子ども時代の話を持ち出して、休むことの重さを軽くしようとする流れです。

フィルに理由を聞き返されると、クレアは母を「ものすごく負けず嫌いな人」と説明し、「どっちが勝ったかははっきりしている」と言い添えます。「負けず嫌い」と「どっちが勝ったか」という勝ち負けの言葉で母を語っていて、母の人柄をクレア自身の言葉で伝える一言です。

そのうえで語られるのが、今は働いているので週末を取り戻し、たまった用事を片づけたいという理由です。子ども時代の話から現在の忙しさへと、理由が二段構えで積み上がっていきます。「週末を取り戻す」という言い方には、平日に手が回らなかった分を休日で埋め合わせたいという事情がにじんでいます。

これに対してフィルは、「どうかなあ」と受け止めたうえで「なんだか、よくない気がするんだ」と短く返します。理屈を並べるクレアに対して、気持ちの面で引っかかりを示すこの返答が、二人の温度差をやわらかく見せています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

遅れて走っている人が、前を行く集団に追いつこうとする姿を思い浮かべてみましょう。catch upは、その追いつく動きそのものです。追いつく先がonのあとに置かれた物事、つまり「たまった用事」だと考えると、クレアの一言がすっと入ってきます。

クレアのcatch up on errandsは、山積みになった用事を、週末の時間で追いかけて減らしていくイメージです。追いつく先が「人」ならwith、「たまったもの」ならon、と前置詞で相手を切り替えると整理しやすくなります。

たまった洗濯物、返せていないメール、見逃したドラマ。自分の身のまわりで「遅れが出ているもの」を思い浮かべて、その前にonを置いてみると、使える場面が具体的に見えてきます。

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例文で覚える「catch up on」

たまった物事を片づける場面や、近況を取り戻す場面で使えるcatch up onを、3つの例文で確認していきましょう。

I’m going to stay late tonight to catch up on my emails.
(今夜は遅くまで残って、たまったメールを片づけるよ。)
仕事の遅れを夜の時間で取り戻す場面です。stay lateと組み合わせると、遅れを解消するために時間を使う様子が伝わります。

She stayed in bed all Sunday to catch up on sleep.
(彼女は日曜日いっぱい、寝不足を取り戻すためにベッドで過ごした。)
疲れがたまった週末を過ごす場面です。sleepのように、たまっているのが物ではなく不足分でも、同じ形で使えます。

A: Are you free for coffee this week?
B: Sure, I’d love to catch up on everything.
(A:今週コーヒーでもどう?)
(B:いいね、いろいろ近況を聞きたいな。)
久しぶりに会う友人との約束の場面です。everythingのように、離れていた間の出来事をまとめて指す語と組み合わせられます。

あわせて覚えたい関連表現

catch up with
(〜に追いつく、久しぶりに会って話す)
catch up onは目的語が「たまっている物事」であるのに対し、catch up withは目的語が「人や進み具合」です。I’ll catch up with you later.は、前を行く相手に追いつくという意味になります。

get around to
(〜にようやく手をつける)
get around toは「やっと着手する」という一点に焦点があります。catch up onは、たまった分を取り戻して遅れを解消する量の面に重点を置いた言い方です。

make up for
(〜を埋め合わせる)
make up for lost timeのように、失った時間や不足を別の形で補うときに使います。catch up onが遅れている作業そのものを片づけるのに対し、make up forは不足を別のもので補う点が違います。

Note|「追いつく」と訳すとずれる、catch up onの目的語

catch up onは、catch upの「追いつく」という訳に引きずられると、日本語にしたときに不自然になりやすい表現です。

たとえば、catch up on errandsを「用事に追いつく」と訳すと、意味は推測できても、日本語としては落ち着きません。「たまった用事を片づける」と訳すと、すっと通じます。これは、onのあとの目的語が「追いかける相手」ではなく「遅れが出ている物事」だからです。目的語がメールなら「たまったメールを処理する」、睡眠なら「寝不足を取り戻す」、読書なら「読みそびれた分を読み進める」というように、目的語の種類に合わせて日本語の動詞が変わります。

近況を取り戻す使い方でも同じです。catch up on the newsは「ニュースに追いつく」ではなく、「ニュースを追う」「出来事を把握する」に置き換えると自然になります。動詞の「追いつく」を固定して訳すのではなく、目的語を先に見て、日本語側の動詞を選ぶのがコツです。

クレアのcatch up on errandsも、「たまっている用事を片づける」と受け取ると、週末を取り戻したい理由が素直に読めます。目的語を見てから訳す習慣が、この表現を使いこなす近道になります。

まとめ|週末を取り戻したいクレアの一言から

catch up onは、後回しにして遅れが出ている物事を、時間をとって取り戻す表現です。目的語には、たまった用事や睡眠、読みそびれた本、離れていた間の近況などが入ります。

クレアが週末を取り戻して用事を片づけたいと口にした場面では、忙しさの中で手が回らなかった分を、休日で埋め合わせたいという事情が言葉の奥に見えていました。

「追いつく」と訳す前に、目的語を見て日本語を選ぶ。そんな視点を、表現の引き出しに加えてみてください。

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