「go a long way」の意味と使い方|『Friends』S06E12で学ぶ英会話

「go a long way」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

たった一言の礼や、さりげない笑顔が、思いのほか遠くまで届いていくような場面が、ドラマにはときどきあります。

そんな場面で使われる「go a long way」を、『フレンズ』シーズン6第12話の中盤、店で働き始めたジョーイに、以前そこで働いていたレイチェルが、仕事の心得を伝える場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「go a long way」の意味とニュアンス

go a long way
意味:大いに役立つ、少しでも大きな効果がある

go a long way は、直訳すると「長い道のりを進む」です。小さなものが、長い距離を進んでいくというイメージから、少しの量や努力、少しの気遣いが、思った以上に大きな効果を生むことを表します。

主語には、笑顔、親切、感謝の言葉、準備といった、小さなものが来るのが基本です。A smile goes a long way. のように、主語が三人称単数なら goes、過去の話なら went と形が変わります。原形は go a long way ですが、作中では主語が a smile なので、goes a long way の形になっています。

お金や材料のような限りあるものが、少量でも長く持ち、多くのことに使えるという意味でも使われます。どちらの意味でも、「少ないもので、遠くまで」という感覚は共通しています。

後ろに toward を置き、go a long way toward -ing とすると、「〜するのに大いに役立つ」という意味になります。効果が向かう先を示す言い方で、目標や結果を具体的に表せます。また、with 人 を後ろに付けると、その人との関係で大きな効果を生むことを表せます。

【ここがポイント!】

  • 「go a long way」の核は、小さなものが遠くまで届いていくイメージ
  • 笑顔・親切・準備といった、少しの量でも効くものを主語にする表現
  • 主語に合わせて goes や went に形が変わり、toward -ing で向かう先も示せる

『フレンズ』S06E12のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

俳優だったジョーイが、店で働く側に回っています。以前そこで働いていたレイチェルは、その経験から、ジョーイに仕事の心得をいくつか教えます。レイチェルの心得を受けたジョーイが、さっそく店員らしい言い方を口にすると、ロスがコーヒーを催促します。

Rachel: Let me tell you about a couple things I learned while working at the coffee house. Um, first of all, the customer is always right; a smile goes a long way; and if anyone is ever rude to you… sneeze muffin.
(ここで働いていたときに学んだことを、いくつか教えるわね。えっと、まず、お客さんは常に正しいの。笑顔は大きな力になるのよ。それから、もし誰かに失礼なことをされたら…マフィンにくしゃみよ。)

Joey: Thanks, Rach. Hey, look, you guys are just terrific, you know? Now, how about clearing out of here so I can get some new customers, huh? It’s all about turnover.
(ありがとな、レイチ。いやあ、ほんとにみんな最高だよ。でさ、そろそろここから出てってくれないか? 新しい客を入れたいんだ。要は回転率なんだよ。)

Ross: Joey… Seriously, can I get my coffee?
(ジョーイ…本当に、コーヒーをもらえるかな?)

Joey: I’ll get it for you right now. And since I made you wait, I’ll toss in a free muffin.
(すぐに持ってくるよ。待たせちゃったから、マフィンをおまけにつけるぜ。)

Friends Season6 Episode12(The One with the Joke)

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シーン解説と心理考察

レイチェルの心得は、まず「お客さんは常に正しい」という基本から始まります。続く「笑顔は大きな力になる」が、今回の表現です。1つ目の基本と、2つ目の小さな工夫が、セミコロンで並ぶことで、ひとつの心得の流れになっています。最後の「くしゃみマフィン」は、失礼な客にはマフィンにくしゃみをお見舞いする、という仕返しの冗談として読めます。真面目な心得を軽く締める一言です。

ジョーイの返しも見どころです。まず「Thanks, Rach.」と礼を言い、「みんな最高だ」と持ち上げたあとで、すぐに「そろそろここから出てってくれないか」と続けます。感謝と追い出しが同じ調子で並ぶちぐはぐさに、店員になったばかりの様子がにじんでいます。「It’s all about turnover.」という言い切りは、心得を教わった直後に、店員らしい言葉を自分から持ち出しているところが面白い点です。

そこへ、ロスの「Joey… Seriously, can I get my coffee?」が差し込まれます。名前の呼びかけに Seriously が続くことで、催促の空気が伝わってきます。ジョーイは「待たせたから」とマフィンをおまけにつけると言います。表向きはお詫びの言葉ですが、直前にレイチェルが教えたのは「失礼な客にはくしゃみマフィン」でした。催促してきたロスに、教わったばかりの3つ目の心得を早速向けたとも読めるのが、この場面の笑いどころです。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

小さな一歩が、ずっと先まで続く長い道に乗って、遠くまで進んでいく姿を思い浮かべてみましょう。ほんの少しの笑顔や一言が、思った以上に遠くまで届く。この感覚が、go a long way の芯にあります。

レイチェルが教えた「笑顔」は、その典型です。特別な準備も費用も要らない小さなものが、客との関係を長い道のりの先まで運んでくれる、という考え方です。小さな主語と、長い道のりの絵をセットで覚えておくと、この表現の使いどころを思い出しやすくなります。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「go a long way」

go a long way は、小さなものを主語に置くのが基本の形です。3つの例文で、使える場面を確認していきましょう。

A little kindness goes a long way.
(少しの親切が大きな力になる。)
日常で、ささいな気遣いの効果を語る場面です。a little を主語の頭に置くと、「少しだけで足りる」という感覚がはっきり出ます。

A: Any tips for the presentation?
B: Eye contact goes a long way.
(A:プレゼンのコツはある?)
(B:目を合わせることが、すごく効くよ。)
同僚同士の何気ない会話です。1つの小さな工夫を、すぐに一言で示すときに使えます。

Your kind words went a long way when I was feeling down.
(落ち込んでいたとき、かけてくれた優しい言葉がとても支えになった。)
励ましへの感謝を伝える場面です。過去の話なので、went と形が変わっています。

あわせて覚えたい関連表現

make a difference
(違いを生む、効果がある)
変化や効果があることを表します。go a long way が「少しでも大きな効果がある」という点まで含むのに対し、make a difference は、効果があること自体を表します。

do wonders
(驚くほど効果がある)
効き目の大きさを強調する言い方です。go a long way は「少しで足りる」という感覚が出る点が、do wonders とは違います。

go far
(遠くまで行く、成功する)
人や物が遠くまで進むことを表します。go a long way は、小さなものが大きな効果を生む点を表し、成功する人を指す go far とは主語の性質が違います。

Note|「小さなものが大きく効く」を表す形は、主語と前置詞で決まる

go a long way は、形そのものは1つでも、主語や後ろの語を変えることで、複数の言い方ができます。

基本は、小さなものを主語にする形です。A smile goes a long way. や A little planning goes a long way. のように、主語が「少しの何か」なら、これだけで「少しで大きな効果がある」という意味が完成します。次に、go a long way toward -ing の形があります。A little planning will go a long way toward avoiding mistakes. なら、「少し計画を立てておけば、ミスを避けるのに大いに役立つ」という意味です。toward が、効果が向かう先を示しています。さらに、with 人 を付けた形もあります。A simple thank-you note goes a long way with clients. なら、「簡単なお礼の一言が、お客さまとの関係に大きく効く」という意味になり、効果が及ぶ相手を示します。

今回のレイチェルの言葉は、基本の形です。主語の a smile だけで、「少しの笑顔で足りる」という意味が伝わります。もし「笑顔は客との関係に効く」と言いたいなら、with customers を付ければ、効く相手まで示せます。

主語と前置詞の組み合わせを意識すると、同じ表現を、場面に合わせて使い分けられるようになります。

まとめ|小さな笑顔は、長い道のりを進んでいく

go a long way は、小さなものが遠くまで届くイメージから、少しの量や努力が大きな効果を生むことを表す表現です。主語が三人称単数なら goes、過去なら went と形が変わり、toward -ing や with 人を付けると、効果の向かう先や相手も示せます。

仕事の心得を伝えるときにも、ささいな気遣いの効果を語るときにも、小さなものを主語に置くだけで、意味がはっきり伝わります。笑顔、感謝、準備といった身近な主語と組み合わせて覚えておくと、そのまま会話で使える型になります。

レイチェルは、真面目な心得の流れの中で、この表現を使いました。笑顔が大きな力になるという心得を伝える言葉として、表現の引き出しに加えてみてください。

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