海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
うまくいかなかったことが頭から離れず、気持ちがずるずると沈んでしまった経験はありませんか。
そんなときに励ましとして使える「take comfort in」を、『モダンファミリー』シーズン6第23話の中盤、ミッチェルが打ち明けた気がかりに、キャメロンが言葉を返す場面から、一緒に見ていきましょう。
「take comfort in」の意味とニュアンス
take comfort in
意味:〜を心の慰めにする、〜に支えを見いだす
take comfort inは、ある事実や考えを、心の支えとして受け取ることを表します。takeは「取る」、comfortは「慰め・安らぎ」、inは「〜の中に」という意味で、文字どおりには「〜の中に慰めを取る」という形です。
状況そのものが望ましくなくても、その中にある一つの事実や考えに、気持ちを預けられる点を見つける。この感覚が、take comfort inの中心にあります。日本語の「〜を励みにする」「〜を心の支えにする」に近い言い方です。
inのあとには、名詞のほか、knowing that …のような形が続きます。何に慰めを見いだすのかを、inのあとで示す形です。シーンでは、take comfort in knowing you got there on your own(自分でそこにたどり着いたと知ることを慰めにする)の形になっています。
命令文のように、相手に向けて「〜を慰めにするといいよ」と勧める形でも使えますし、I take comfort in …と、自分の気持ちの支えを述べる形でも使えます。シーンでは、justが加わっていて、「せめてこれだけでも」に近い、ささやかな慰めを勧める響きが出ています。
【ここがポイント!】
- 「take comfort in」の核は、ある事実や考えを心の支えとして受け取ること
- inのあとに、名詞やknowing that …を置いて、何に支えを見いだすのかを示す
- 相手に勧める形にも、自分の気持ちを述べる形にも使える
『モダンファミリー』S06E23のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ミッチェルとキャメロンが、二人で言葉を交わす場面です。ミッチェルが「だめ、だめだ」と口にすると、キャメロンが声をかけ、ミッチェルは娘のリリーのことで気がかりを打ち明けます。キャメロンの最後の一言に、take comfort inが出てきます。
Mitchell: No, no.
(だめ、だめだ。)Cameron: Mitchell, what’s wrong?
(ミッチェル、どうしたの?)Mitchell: I feel like Lily’s inability to show feelings for other people might be my fault.
(リリーが他の人への気持ちを表に出せないのは、僕のせいかもしれない気がするんだ。)Cameron: Oh, honey, I think that too. But just take comfort in knowing you got there on your own.
(ああ、ハニー、僕もそう思うよ。でもとにかく、自分でそこにたどり着いたってことを慰めにするといいよ。)Modern Family Season6 Episode23 (Crying Out Loud)
シーン解説と心理考察
短い「No, no.」から始まる点が、この場面の入り口です。ミッチェルは説明に入る前に、まず短い言葉だけを口にしています。キャメロンの「どうしたの?」は、その一言に呼びかける問いかけです。名前で呼びかけて、事情を尋ねています。
ミッチェルの打ち明けは、リリーが他の人への気持ちを表に出せないのは自分のせいかもしれない、という内容です。feel like … might beという言い方が、はっきり言い切らず、そんな気がする、という揺れを含んでいます。
キャメロンは、「僕もそう思う」と受け止めたうえで、butで話の向きを変えます。ここで出てくるのがtake comfort inです。慰めにしてほしいのは、自分でそこにたどり着いたということです。ここでのthereは、ミッチェルが述べた、自分のせいかもしれないという考えを指しています。原因に自分で気づいたことを、慰めの材料として持ち出す、皮肉の混じった言い方です。
キャメロンの言葉は、ミッチェルの心配を打ち消すのではなく、「僕もそう思う」とあっさり同意するところから始まります。そのうえで差し出す慰めが「自分で気づけたこと」だけ、という組み立てが、この場面のおかしみです。本来は励ましに使うtake comfort inを、慰めになっていない慰めに使っている点が見どころです。honeyという呼びかけも加わって、夫婦の距離の近さがにじむ場面です。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
寒い日に、温かい毛布を差し出されて、それを受け取って肩に掛ける手の動きを思い浮かべてみましょう。毛布そのものは状況を変えませんが、受け取った分だけ、身のまわりがあたたかくなります。
comfortが毛布、takeが受け取る動き、inがその毛布の中、という配置です。毛布の中に入る感覚で、ある事実の中から支えをもらう、と重ねると、意味がつかめます。
シーンのキャメロンは、「自分でそこにたどり着いた」という事実を、ミッチェルに差し出しました。ただしシーンでは、その毛布がずいぶん薄いものだった、というのが笑いどころです。そんな場面として頭に置いておくと、この一言がふっと浮かびます。毛布の柄が何であっても、受け取って肩に掛ける動きは同じです。inのあとに置く事実を入れ替えるだけで、いろいろな場面に使えます。落ち込んだ友人への励ましにも、自分の気持ちの整理にも、同じ形で使えるのが便利なところです。
例文で覚える「take comfort in」
ある事実や考えを心の支えにするtake comfort inを、3つの例文で確認していきましょう。
I take comfort in the fact that we did our best.
(私たちは最善を尽くしたという事実を、心の支えにしている。)
結果が思わしくなかったあとに、気持ちを整理する場面です。the fact that …と続けると、何を支えにしているのかが文の中で示されます。
She took comfort in her friends’ support during the hard time.
(彼女は、つらい時期に友人たちの支えを心の慰めにした。)
人が支えを見つけた経緯を語る場面です。inのあとに名詞が来る形で、慰めの出どころが名詞1つで示されます。
A: I failed the test again.
B: Well, take comfort in knowing you studied hard.
(A:またテストに落ちたよ。)
(B:まあ、一生懸命勉強したことを慰めにしなよ。)
友人を慰める会話です。knowingのあとに事実を置くと、励ます言葉として組み立てやすくなります。
あわせて覚えたい関連表現
find comfort in
(〜に慰めを見つける)
find comfort inは、take comfort inとほぼ同じ意味です。takeは慰めを受け取る動き、findは慰めを見つける動きに目が向く、というわずかな違いがあります。
be comforted by
(〜に慰められる)
be comforted byは受け身の形で、慰めが外から与えられる感じがあります。take comfort inは、自分から慰めを受け取る点に重点があります。
look on the bright side
(明るい面を見る)
look on the bright sideは、状況の良い面に目を向ける励ましです。take comfort inは、具体的な事実を心の支えにする言い方で、支えの対象がはっきりしています。
Note|take comfort inのあとに来る形と、慰めの向き
take comfort inは、inのあとに来る形と、慰めの向きを押さえると使いやすくなる表現です。シーンの一言と例文を手がかりに整理します。
まず、inのあとに来る形です。シーンのtake comfort in knowing you got there on your own(自分でそこにたどり着いたと知ることを慰めにする)は、knowingのあとに事実が続く形です。例文のI take comfort in the fact that we did our best.は、the fact that …と続ける形、She took comfort in her friends’ supportは、名詞だけを置く形です。何を支えにするのかが、inのあとで示される点はどの形でも変わりません。
次に、慰めの向きです。take comfort inは、話し手や主語が慰めを自分から受け取る向きを持ちます。be comforted byは、慰めが外から与えられる向きで、find comfort inは、慰めを見つけるという向きです。3つの表現は意味が近いものの、慰めが「自分から受け取る」のか、「与えられる」のか、「見つける」のかという、視点の差があります。
シーンのキャメロンは、相手に向けて「〜を慰めにするといいよ」と勧める形で、皮肉まじりに使っていました。自分の気持ちを述べるI take comfort in …の形と、相手に勧める形の両方があることも、あわせて押さえておくと便利です。
形と向きを見比べるだけで、take comfort inの守備範囲が見えてきます。
まとめ|気に病むミッチェルに、キャメロンが差し出した一言
take comfort inは、ある事実や考えを心の支えとして受け取る、という表現です。inのあとに名詞やknowing that …を置いて、何に支えを見いだすのかを示します。
相手に勧める形にも、自分の気持ちを述べる形にも使え、find comfort inやbe comforted byとは、慰めの向きが少しずつ違います。
自分のせいかもしれないと打ち明けたミッチェルに、キャメロンが「僕もそう思う」と同意したうえで、「自分でそこにたどり着いた」ことだけを慰めとして差し出した、ひねりのある場面でした。使ってみたい場面を思い浮かべながら、表現の幅を広げてみてください。


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