「break the mold」の意味と使い方|『モダンファミリー』S07E02で学ぶ英会話

「break the mold」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

周りに合わせるのが当たり前に見える中で、自分らしさを貫いている人を前にして、思わず感心してしまったことはありませんか。

そんなときに使える「break the mold」を、『モダンファミリー』シーズン7第2話の前半、フィルが息子に向かって「お前は唯一無二だ」と言い切るシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「break the mold」の意味とニュアンス

break the mold
意味:型を破る、従来のやり方から離れる/(they broke the mold の形で)唯一無二の存在である

moldは、料理や工業製品を作るときに使う鋳型や型枠のことです。break the moldは文字どおり「型を壊す」ことで、大きく分けて2つの使い方があります。

1つ目は、人や組織が従来のやり方や常識から離れて、新しい形を作る使い方です。前例にとらわれずに挑戦する姿勢を表し、日本語の「型を破る」「型破りなことをする」に近い感覚です。業界の決まりごとや、これまで当たり前だった作り方を変える場面に合います。

2つ目は、When they made you, they broke the mold. のように、「相手を作ったあとで型を壊した」と言う形です。同じ型がなくなったのだから同じ人は二度と作れない、つまり唯一無二だ、と相手をほめる言い方になります。この形の主語theyは特定の誰かではなく、人を「作る側」を漠然と指していて、過去形で言い切るのが基本です。

見出しのbreak the moldは1つ目の一般的な形で、今回のシーンで使われているのは2つ目の形です。どちらも「型」のたとえでつながっているので、主語が人を作る側のtheyなのか、人や会社が型を破る側なのかを見ると、意味を見分けられます。

【ここがポイント!】

  • 核となるのは「型(mold)を壊す」という絵で、壊す対象が慣習なら型破り、人を作った型なら唯一無二
  • they broke the moldは人へのほめ言葉で、「同じ人はもう作れない」とたとえる言い回し
  • 見出しの形と台詞の形は用法が違うので、主語が誰かで意味を見分けるのがコツ

『モダンファミリー』S07E02のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

クレアとフィルが言葉を交わす場面です。クレアが手短に用事を済ませたと話し、ブレスレットの多さにも触れると、フィルが「周りに流されているだけだ」と割って入り、自分の昔の髪型を例に挙げます。クレアが短く返したあと、フィルは息子に向けて、今回のフレーズを使った一言を口にします。

Claire: I was in and out in three minutes, young lady, and it was your stye medication I was picking up. That’s a lot of bracelets there, buddy.
(3分で済ませたわよ、お嬢ちゃん。私が取りに行ったのはあなたのものもらいの薬なんだから。ブレスレット、ずいぶんたくさんつけてるのね。)

Phil: Just ignore them. They’re being sheep. If I’d listened to what other people said, I’d never have rocked my ’90s frosted tips. We’ve got pictures.
(気にするな。あいつらは周りに流されてるだけさ。人の言うことを聞いてたら、俺は90年代の毛先を脱色した髪型なんて絶対に決められなかったよ。写真もあるしな。)

Claire: No, we don’t.
(ないわよ。)

Phil: You’re an original, son. When they made you, they broke the mold.
(お前は唯一無二なんだよ、息子よ。お前を作ったとき、型を壊しちゃったんだな。)

Modern Family Season7 Episode2 (The Day Alex Left for College)

シーン解説と心理考察

クレアが「3分で済ませた」と手短に報告したところで、フィルが割って入ります。「周りに流されているだけだ」という言葉には、他人の意見に合わせないことを良しとするフィルの考え方が表れています。例に挙げたのは自分の90年代の髪型で、人の言うことを聞いていたらあの髪型はできなかった、という理屈です。

そこへクレアの「ないわよ」が入り、「写真もあるしな」という一言をあっさり打ち消して、会話の温度を変えています。

続けてフィルは、息子に向かって「お前は唯一無二なんだよ」と言い切ります。「型を壊した」という製造のたとえで締めくくるところに、フィルらしい軽やかさがにじんでいます。ほめ言葉でありながら少し冗談めいた響きを帯びているのは、一つひとつ作られた品を扱うようなたとえ話の形をとっているからです。クレアが写真の存在を否定した直後に、フィルは息子へ向けてこの一言を最後まで言い切っています。他人に流されず自分を貫くという直前の話題が、この一言の背景としてそのまま重なっています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

同じ形のクッキーを次々と抜き出す金属の型を思い浮かべてみましょう。型が無事なら、同じ形はいくらでも作れます。その型をバキッと割ってしまえば、同じ形はもう二度と作れません。

フィルの When they made you, they broke the mold. は、この光景を息子に重ねた一言でした。型を壊したのは「作った側」だという場面を頭に描くと、世界に一つだけの存在だという称賛の意味が、絵と一緒に残ります。

もう一方の「慣習を破る」という使い方は、型を持った人が自分の手でその型を割って、新しい形を作り始める姿をイメージすると、同じ型のたとえとして整理できます。型を壊す主体が誰なのかを頭の中で入れ替えるだけで、2つの使い方が1枚の絵につながります。

例文で覚える「break the mold」

人をほめる形と、新しい試みを表す形の2つの使い方を、3つの例文で確かめていきましょう。

When they made my grandmother, they broke the mold.
(祖母みたいな人は、もう二度と現れないよ。)
家族を紹介するときに使えるほめ言葉です。人を作る側のtheyを主語にすると、唯一無二のたとえ話になります。

The new restaurant breaks the mold by serving breakfast all night.
(その新しいレストランは、一晩中朝食を出すという型破りなやり方をしている。)
お店や会社の取り組みを説明する場面です。こちらは人を作る型ではなく、業界の決まりごとを破る側の使い方です。

A: Everyone says you’re so different from your brothers.
B: Well, I guess they broke the mold when they made me.
(A:みんな、あなたは兄弟とずいぶん違うって言うよ。)
(B:まあ、僕を作ったときに型を壊しちゃったんだろうね。)
自分のことを冗談めかして話す往復会話です。自分を主語に置いても、同じ言い回しで軽く返せます。

あわせて覚えたい関連表現

one of a kind
(唯一無二の)
one of a kindは形容詞のようにそのまま「唯一の」と述べる言い方です。they broke the moldは「型を壊した」というたとえを挟むので、同じほめ言葉でも少しユーモアが加わります。

think outside the box
(枠にとらわれずに考える)
think outside the boxは考え方の自由さに重点があります。break the moldは、既存のやり方そのものを打ち破る行動に重点がある点が違います。

set a new standard
(新しい基準を打ち立てる)
set a new standardは「基準が新しくなる」という結果を述べます。break the moldは、従来の型を壊す動きそのものを描く表現です。

Note|「唯一無二」を表す they broke the mold と one of a kind の違い

同じ「唯一無二」を伝える言い方でも、they broke the moldとone of a kindでは、話し手の距離の取り方が少し変わります。

one of a kindは「種類のうちの1つ」という形で、その人や物がほかにないことをそのまま述べます。She is one of a kind. のように、主語の特徴を直接言い切る形で、説明の色が強い言い方です。一方のthey broke the moldは、「作られたとき、型が壊された」という小さな物語を一文のなかに入れ込みます。When they made + 人 の形で、人を作る側のtheyを主語に置き、過去形で言い切ります。作る側と作られた側の絵が浮かぶぶん、ほめ言葉にユーモアが乗ります。

もう1つ違うのは、使える主語です。one of a kindは人にも物にも使えますが、they broke the moldは基本的に人をほめる場面で使います。物のとき、たとえば商品や店の新しさを言いたいなら、break the moldを「型を破る」の意味で使う別の形になります。つまり同じ型のたとえでも、人をほめるときは「作られた側」、新しさを語るときは「型を壊す側」に視点が置かれています。

フィルが息子に向けた一言は、あえて型のたとえを選んだことで、ほめながらも肩の力の抜けた響きになっていました。

たとえ話を挟むかどうかが、2つの言い方の分かれ目です。

まとめ|「型を壊した」というほめ言葉

break the moldは、型を壊すという絵から、従来のやり方を破る意味と、唯一無二をほめる意味の2つを持つ表現です。

人をほめるときは、When they made you, they broke the mold. の形で使い、新しい試みを表すときは、人や会社を主語にして型を破る動作を述べます。主語を見れば使い分けがつくので、場面ごとに選べるようになります。

身近な人をほめたい場面や、自分を冗談めかして語りたい場面で、表現の引き出しに加えてみてください。

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※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)



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