海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
いつもの手順をなぞるように進む映画や、マニュアルどおりの対応を、「型どおりだな」と感じたことはありませんか。
そんな「型どおり」を英語で言い表せる「by the numbers」を、『モダンファミリー』シーズン7第7話の後半、ジョーについて一人で語るマニーの一言から、一緒に見ていきましょう。
「by the numbers」の意味とニュアンス
by the numbers
意味:型どおりの、マニュアルどおりの、お決まりの(手順どおりに)
by the numbers は、番号の順に手順を追うように、決まった型どおりに物事を行うことを表す表現です。numbers は「番号・数字」を指します。番号が振られた手順に沿って進めれば、誰がやっても同じ結果になる、というたとえになっています。
使い方は二通りあります。ひとつは、名詞の前に置く形容詞としての使い方で、この場合は by-the-numbers とハイフンでつなぎます。a by-the-numbers plot(型どおりの筋書き)のように、あとの名詞を修飾します。もうひとつは、do や follow のあとに置く副詞句としての使い方で、do something by the numbers と言えば「手順どおりに何かをする」という意味になります。
評価の響きは、文脈で変わります。作品や仕事ぶりを評する文脈では、「型にはまっていて新味がない」という評価を表すことがあります。一方で、手順が決まっていることそのものを述べる文脈では、「決められた手順どおりに」という中立的な説明になります。どちらの響きかは、前後の話題で判断します。
形の面では、numbers は複数形で、前に the が付きます。by the numbers のひとまとまりで覚えておくと、形容詞にするときも、ハイフンでつなぐだけで済みます。
今回のシーンの Joe’s by-the-numbers cuteness は、前者の形容詞の使い方です。所有格の Joe’s のあとに by-the-numbers が入り、cuteness という名詞を飾っています。日本語にするときは、「お決まりの」「定番の」「型どおりの」のように、名詞に自然に続く言い方を選びます。
【ここがポイント!】
- 「by the numbers」の核は、番号順に手順を追うように、決まった型どおりに進めるイメージ
- 名詞を飾るときは by-the-numbers とハイフンでつなぎ、動作を飾るときは by the numbers と離して書く
- 「型にはまって新味がない」という評価にも、「手順どおり」という中立的な説明にもなる
『モダンファミリー』S07E07のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ジョーのことを、マニーが一人で語る場面です。マニーは、周りの人たちがジョーにうっとりしているようだと話し、そのうえで、これから勉強仲間が来ることになっていると続けます。今回のフレーズは、But で始まる文に出てきます。
Manny: People seem delighted by Joe.
(みんな、ジョーにはうっとりしてるみたいだ。)Manny: Whatever.
(まあ、いいけどね。)Manny: But I had that fetching study partner coming over, and I realized I could use Joe’s by-the-numbers cuteness to my amorous advantage.
(でも、すてきな勉強仲間が来ることになってて、ジョーのお決まりのかわいさを、恋愛面で自分に有利に使えるって気づいたんだ。)Manny: Wow.
(うわあ。)Manny: Even for me, that was a lot of Manny.
(自分で言うのもなんだけど、今のはずいぶんマニーらしかったな。)Modern Family Season7 Episode7 (Phil’s Sexy, Sexy House)
シーン解説と心理考察
マニーの語りは、短い文を順に積み重ねる形で進みます。まず「みんな、ジョーにはうっとりしてるみたいだ」と述べ、「まあ、いいけどね」と一言挟みます。そのあと、But で話を切り替えて、勉強仲間が来る予定があることを持ち出します。
この But のあとの文に、フレーズが入っています。I realized I could use Joe’s by-the-numbers cuteness は、「ジョーのお決まりのかわいさを使える、と気づいた」という意味です。ここで by-the-numbers は、ジョーのかわいさを「お決まりの」と形容する語です。マニーは、そのかわいさを、自分に有利に使えるものとして語っています。
文の組み立てにも注目できます。I could use ~ の could は「〜を使うことができる」という可能を表していて、使えると気づいた内容を、そのまま続ける形です。use A to my advantage は、「Aを自分に有利になるように使う」という形です。use のあとに使う対象が来て、to のあとに、自分にとってどう有利なのかが続きます。
最後に、マニーは「うわあ」と声を漏らし、「自分で言うのもなんだけど、今のはずいぶんマニーらしかったな」と結びます。Even for me は「自分にしても」という意味で、a lot of Manny は、自分の名前を使って「いかにもマニーらしい」と言い表したものです。短い言葉が続くことで、語りが次第に自分自身への感想に移っていく流れが分かります。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
by the numbers には、番号つきのぬり絵がよく似合います。台紙に番号が振ってあり、1番は赤、2番は青と、番号どおりに色を塗っていきます。誰がやっても、番号に従えば同じ絵ができあがります。by the numbers の根っこにあるのは、この「番号どおりに進める」感覚です。
マニーが語ったのは、ジョーのかわいさです。そのかわいさを、by-the-numbers と形容して、お決まりの、型どおりのものとして語っています。番号が振られた手順のように、誰が見ても同じ型だと捉えるイメージです。
練習は、「by-the-numbers のあとには名詞が続く」と、ハイフンの形を先に頭に置いておくと進めやすくなります。a by-the-numbers movie、a by-the-numbers speech のように、名詞の前で使う形から練習するとなじみやすくなります。
例文で覚える「by the numbers」
型どおりであることを伝える by the numbers を、3つの例文で確認していきましょう。
The movie was fun, but the plot felt very by-the-numbers.
(その映画は楽しかったが、筋書きはかなり型どおりに感じた。)
映画の感想を話す場面です。felt のあとに置いて、筋書きの印象を述べています。
We assembled the shelf by the numbers, following each step in the manual.
(私たちは説明書の各手順に沿って、棚を手順どおりに組み立てた。)
家具を組み立てた経験を話す場面です。assembled のあとに by the numbers を置く、副詞句の使い方です。
A: Is the new manager creative?
B: Not really. Everything he does is by the numbers.
(A:新しいマネージャーは独創的?)
(B:あまりね。やることは全部マニュアルどおりだよ。)
同僚の評価を話す会話です。is のあとに置いて、仕事ぶりを手順どおりだと評しています。
あわせて覚えたい関連表現
step by step
(一歩ずつ、段階を追って)
step by step は、一段ずつ順に進めることを表します。by the numbers は、決まった型に従う点に重みがあり、手順の順序よりも、型どおりかどうかを言うときに向いています。
by the book
(規則どおりに、決まりに従って)
by the book は、規則やルールに従うことを表します。by the numbers は、番号順に手順を追うような型どおりさを表し、独創性のなさを含む評価にもなります。
go through the motions
(形だけこなす)
go through the motions は、気持ちを込めずに、形だけ一通りやることを表します。by the numbers は、手順どおりに進めるという進め方を言う点が違います。
Note|by-the-numbers・cookie-cutter・run-of-the-millの見ている面の違い
「型どおり」「ありふれた」に近い意味を持つ形容詞は、いくつかあります。ここでは、by-the-numbers、cookie-cutter、run-of-the-mill の3つを、どの面を見ているかで比べます。
by-the-numbers は、「番号順に手順を追って作った」という、作り方の面を見ています。決められた手順どおりに進めた結果、型どおりになった、というニュアンスです。マニーの Joe’s by-the-numbers cuteness も、お決まりのかわいさ、という言い方でした。
cookie-cutter は、クッキーの型で抜いたように、同じ形で似通っていることを表します。見ているのは、複数のものが画一的で、見分けがつかないという面です。a cookie-cutter house のように、並んだ物の似通いぶりを言うときに合います。
run-of-the-mill は、特別なところがなく、ありふれていることを表します。見ているのは、ごく普通で平凡だという面です。a run-of-the-mill movie のように、際立った特徴がないことを言います。
3つとも「型」や「普通」に関わる形容詞ですが、作り方を言うなら by-the-numbers、画一さを言うなら cookie-cutter、平凡さを言うなら run-of-the-mill と選びます。
まとめ|「型どおり」を番号に例える
by the numbers は、番号順に手順を追うように、決まった型どおりに進めることを表す表現です。名詞を飾るときはハイフンでつなぎ、動作を飾るときは離して書きます。
評価を込めた「新味がない」にも、事実を述べる「手順どおり」にも使えるので、前後の話題とあわせて響きを読み取るのがコツです。
マニーは、ジョーのかわいさを by-the-numbers と形容し、自分に有利に使えるものとして語りました。


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