海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
何気なく持っていたものや、昔に身につけたことが、思いがけない場面で役に立った経験はありませんか。
そんなときにぴったりの「come in handy」を、『モダンファミリー』シーズン7第7話の中盤、家族旅行の準備について語るジェイの一言から、一緒に見ていきましょう。
「come in handy」の意味とニュアンス
come in handy
意味:役に立つ、重宝する、いざというときに便利である
come in handy は、持っているものや身につけた知識、技能が、必要になった場面で役に立つことを表す表現です。handy は「手近で使いやすい」という意味の形容詞で、come in は「入ってくる」という意味です。必要になった場面に、手近なものがすっと入ってくる、というイメージで捉えると分かりやすくなります。
この表現の中心は、「便利だという性質」よりも、「ある場面で役に立つ」というつながりにあります。いつも目立つわけではないものが、特定の場面で出番を迎えて役に立つ。そんなときに come in handy を使います。
主語に置けるのは、物にも、知識や技能にも広がります。傘、ケーブル、懐中電灯のような道具も、外国語の知識や会計の基礎のような身につけたことも、主語になります。役に立つ場面を示したいときは、when ~ や for ~ を後ろに添えます。
時制の面では、役に立った出来事を振り返るなら came in handy、これから役に立つ見込みを言うなら will come in handy や could come in handy の形にします。今回のシーンで使われている comes in handy は、主語が三人称単数の現在形です。
日本語に訳すときは、「役に立つ」「重宝する」「助かる」のように、場面に合う言い方を選びます。「便利だ」とだけ訳すと、場面とのつながりが薄くなるので、「そこで役に立つ」のように場面を添えると近い意味になります。
【ここがポイント!】
- 「come in handy」の核は、必要になった場面で手近なものが役に立つイメージ
- 主語には、物だけでなく知識や技能も置ける
- 現在なら comes in handy、過去なら came in handy、見込みなら will come in handy の形で使う
『モダンファミリー』S07E07のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ジェイが、今年の家族旅行の計画を話す場面です。旅行先はマイアミで、旅行会社が航空券の予約に全員の運転免許証を必要としている、という事情が語られます。そのあとグロリアがいとこの話を始め、ジェイとの短い掛け合いが続きます。今回のフレーズは、ジェイの発言の締めくくりに出てきます。
Jay: So, this year, we’re surprising the family with a trip to Miami. The travel company needs everybody’s driver’s license to book the flight. That’s where “sticky fingers” here comes in handy.
(今年は、家族みんなをマイアミ旅行でびっくりさせるつもりなんだ。旅行会社が航空券の予約に全員の運転免許証を必要としてる。そこで、ここにいる『手癖の悪い』のが役に立つってわけだ。)Gloria: Everybody has a bad cousin that teaches you a few things. Like how to smoke, how to pick-pocket, how to hot-wire a car, how to put tacks on your shoe when you want to throw off a-a lie-detector test.
(誰にでもね、いくつか教えてくれる悪いいとこがいるものよ。たばこの吸い方、スリのやり方、車の配線を直結してエンジンをかける方法、嘘発見器をごまかしたいときに靴に画びょうを仕込む方法とか。)Jay: Which cousin was this?
(それはどのいとこだったんだ?)Gloria: I am the cousin.
(私がそのいとこよ。)Modern Family Season7 Episode7 (Phil’s Sexy, Sexy House)
シーン解説と心理考察
ジェイの発言は、話の組み立てが分かりやすい形をしています。まず、家族をマイアミ旅行で驚かせる計画を述べます。次に、旅行会社が全員の運転免許証を必要とするという課題を挙げます。そして最後に、That’s where で「そこで」と受けて、役に立つものを示します。英文にすると三つの文が、順番に話を運んでいます。
That’s where ~ comes in handy は、「そこが~の出番だ」という意味で使われる形です。前の文で課題を出しておき、その課題を解決する場面で、役に立つものを持ち出します。comes in handy は、その「出番」を伝える動詞の部分にあたります。
この発言を受けて、グロリアは、Everybody has a bad cousin と、誰にでも悪いいとこがいるものだという一般論の形で、いくつかのことを教わるものだと話します。ジェイが「どのいとこだったんだ?」と尋ねると、グロリアは「私がそのいとこよ」と答えます。ジェイの問いかけは、グロリアの話を受けた短い一言です。
英語を学ぶうえで見ておきたいのは、ジェイの発言が、課題の提示と、役に立つものの提示を、ひと続きの流れにしている点です。come in handy は、単に「便利だ」と言うだけでなく、「この課題に対して役に立つ」とつなげて使う表現だと分かります。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
come in handy は、引き出しの手前に入れたハサミやテープにたとえられます。奥にしまい込んだ道具は、必要になったときに探す手間がかかります。手前に入れておけば、必要な瞬間にすぐ手が届きます。come in handy が表すのは、この「手近にあって、必要なときにすぐ使える」感覚です。
ジェイの発言も、旅行会社が免許証を必要としているという場面と、役に立つものを結びつけていました。「何が」「どの場面で」役に立つのかが、セットで語られています。
「あれが役に立った」と感じたことを、その場面と一緒に come in handy で日記に書いてみるのが近道です。
例文で覚える「come in handy」
必要な場面で役に立つことを伝える come in handy を、3つの例文で確認していきましょう。
Bring an umbrella. It might come in handy later.
(傘を持っていって。あとで役に立つかもしれないから。)
出かける前のひと言として使える日常の場面です。might を前に置いて、役に立つ見込みを控えめに伝えています。
My high school Spanish really came in handy on the trip.
(高校で習ったスペイン語が、旅行中にとても役に立った。)
旅の経験を話す場面です。主語に知識を置き、過去形の came で、役に立った出来事を振り返っています。
A: Do you need this old cable?
B: Keep it. It’ll come in handy someday.
(A:この古いケーブル、いる?)
(B:取っておいて。いつか役に立つよ。)
片付けの場面の会話です。it’ll は it will の短縮形で、これから役に立つ見込みを言っています。
あわせて覚えたい関連表現
be useful
(役に立つ)
be useful は、役に立つことを表す基本の言い方です。come in handy は、必要な場面で役に立つというつながりが中心で、be useful は、物や人の性質として役に立つことを幅広く言えます。
come in useful
(役に立つ)
come in useful も、come in handy とほぼ同じ意味の言い方です。handy は「手近で使いやすい」という意味合いを持つので、手元ですぐ使える感覚が出るのは handy のほうです。
be of use
(役に立つ)
be of use は、後ろに to someone を続けて、誰の役に立つのかを示せる形です。come in handy は、物や技能を主語にして、必要な場面での出番を言う形です。
Note|come in handyの主語と、後ろに続く言い方の組み立て
come in handy は、主語と、後ろに続ける言い方を変えることで、いろいろな文が作れます。ここでは、今回のシーンの形を出発点に、組み立て方を整理します。
まず主語です。今回のシーンでは、That’s where “sticky fingers” here comes in handy と、「そこで~が役に立つ」の形でした。主語には、物でも知識や技能でも置けます。Basic accounting knowledge comes in handy for any manager(会計の基礎知識は、どんな管理職にとっても役に立つ)のように、知識を主語にする文も作れます。
次に、時制と助動詞です。役に立つ見込みを言うなら、will や could、might を前に置きます。A small flashlight can come in handy during a power outage(小さな懐中電灯は、停電のときに役に立つことがある)のように、can を使えば、役に立つ可能性を表せます。役に立った出来事を振り返るなら、came in handy です。
最後に、後ろに続く言い方です。誰の役に立つのかを示したいときは for ~ を、どんな場面で役に立つのかを示したいときは when ~ や during ~ を添えます。for any manager や during a power outage のように、後ろに添えるだけで、役に立つ対象や場面が具体的になります。
ジェイの発言では、直前の文で旅行会社が全員の運転免許証を必要とするという課題を述べ、そのあとに That’s where と続けて come in handy を使っていました。場面を先に述べて、come in handy で受ける形は、自分の話にも応用できます。
まとめ|役立つ「何が」「どこで」をセットにする
come in handy は、持っているものや身につけた力が、必要な場面で役に立つことを表す表現です。主語は物でも知識でも構いません。
使うときは、「何が」「どの場面で」役に立つのかを、セットで言うと伝わります。傘なら「あとで」、スペイン語なら「旅行中に」というように、場面を一言添えるだけで、文がぐっと具体的になります。
身の回りの持ち物や身につけたことの中から、come in handy で語れるものを一つ探してみてください。


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